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NBAデイリーレポート(11/28, THU)

今日のNBAデイリーレポートのメニューです。

  • シクサーズのひどいスタートを駆り立てる要因

  • スター選手たちの欠場が止まるどころか増加中

  • ケヴィン・デュラントがネッツについて


NBAでジョエル・エンビードやシクサーズと言えばESPNのラモナ・シェルバーンです。そのシェルバーンから待望されていたシクサーズについての記事がやっと出てきました。今日は彼女の記事(重要と思われる部分のみを抜粋)の紹介からはじめます。

リーク、チームミーティング、敗北:フィラデルフィア・シクサーズのひどいスタートを駆り立てる要因

NBAのスケジュールメーカーは今週に、シクサーズが過去4年間にリーグの勢力図を変えるような大きなトレードを行った相手と対戦させる日程を組んだ。まず、金曜日にはオリジナル「ザ・プロセス」のひとりで、今や堕息子であるベン・シモンズ率いるネッツをホームで迎え撃ち、醜い113-98の勝利を収めた。

その後、2日後の日曜日にはジェームズ・ハーデン率いるクリッパーズに125-99で惨敗。そして水曜日には、ハーデンの最初のトレードで獲得した選手やドラフト指名権を使って再建に成功し、現在好調のヒューストン・ロケッツとホームで対戦する予定だ。

オフシーズンの勝利の余韻はとうに消え去り、今ではもっとヌルい目標に向かって必死に走る展開になっている。それはプレーイン・トーナメント出場圏内に踏みとどまることだ。チームのソースは、それに必要とされるのは低いレベルのイースタン・カンファレンスで最低33勝だと見積もった。今シーズンのシクサーズは51.5勝と予想されていた。

ダリル・モリーの予想システムでは、今年のシクサーズは、これまで彼が手がけてきたどのチームよりもNBAチャンピオンシップを獲得する可能性が高いと予測されていた。その中には、2018年にウェスタン・カンファレンス・ファイナルズでウォリアーズに敗れたロケッツも含まれている。

すでに今シーズン、2023年のNBA MVPであるジョエル・エンビードは、自分のプレーへの意欲を疑問視する批評家たちに対して「このように扱われるために、私はこのFucking 街のためにやりすぎるほどやってきている訳ではない」と応えている。その数日後、エンビードはレポーターを突き飛ばした件でリーグから3試合の出場停止処分を受けた。このレポーターは、批判的なコラムの中でエンビードの息子と亡くなった弟について言及していたのだ。

さらにチームミーティングでは、タイリース・マクシィがエンビードに対して「すべてに遅刻している」と厳しく指摘した。このミーティングの内容がESPNにリークされたことで、エンビードとポール・ジョージはリーク元を非難。そして最も問題なのは、日曜日の敗戦後にマクシィが「プライドを持ってプレーしよう」と訴えたことだ。

「(ジャレッド・マケインを除いて)悪いことが起こる可能性があるなら、そのすべてが起こっている」とチーム関係者は言った。

良い日は、シクサーズはシーズンが長いことを思い出している。そして、彼らのスター3人がこれまで一緒にプレーした時間はたったの6分間だということも。彼らは、バックスがやったように、4勝1敗の週が1回あればプレーオフ争いに戻れると自分たちに言い聞かせている。

悪い日は、今年の超逸材揃いのドラフトでトップ6プロテクションがかかっているシクサーズの1巡目指名権を使うことを考えるべきだというリーグ内の噂が大きくなっているのを耳にする。さもなければ、それはサンダーに送られる。

それでも毎日、ウェルズファーゴ・アリーナ内を歩くと、タイリース・マクシィ、ジョエル・エンビード、ポール・ジョージの写真に書かれた「俺たちはこのために生まれてきた」という皮肉めいたスローガンが目に入る。

このスローガンの計算は、シクサーズがジョージや、ケイレブ・マーティン、アンドレ・ドラモンド、エリック・ゴードンといったロールプレイヤーをマクシィとエンビードに組み合わせることでオフシーズンの勝者になったという前提に基づいていた。しかし、この計算は、シクサーズのスター3人が長期的に健康でいられるという、現時点では誤った考えにも基づいていた。

チームとエンビードは9月に3年$192.7Mの延長契約を結ぶ前に、6人の医師の意見を求めたと関係者は話している。そして、相談を受けた全員が、膝の状態は戦略的な休養と治癒を促進する手術の組み合わせによって適切にマネジメントできると考えていた。この治療をエンビードは昨シーズンから定期的に受けている

関係者によると、チームとエンビードの両方が、彼の問題を抱える膝がシーズン開幕時には十分健康になることを望んでいたそうだ。しかし、週を追うごとに、シクサーズはエンビードがまだ出場できないが、もうすぐ出場できる見込みだという更新情報を出し続けた。

最初は、エンビードが夏のオリンピック後に休養を取った後、コンディションを整えるための時間が必要だと思われていた。しかし、プレシーズンが進むにつれて、彼の膝の状態がおかしいことは誰の目にも明らかだった。

ついに彼が11月12日のニックス戦でデビューした時、いつもの3ポイントラインからの爆発的な動きは鈍く、リムへのアタックも消極的だった。26分間で13得点、フィールドゴールは2-11という結果に終わった。

試合はシクサーズが111-99で敗れた。

シクサーズがこの夏、ポール・ジョージをフリーエージェントで獲得した時の高揚感を思い出させるものは無限にある。

ジョージの入団記者会見で、ハリスが何度も「すべてを賭けている」と言い続けたこと。

エンビードが誇らしげに「ジョージがチームにいるなら、もう2度と2連戦の試合をプレーする必要はないだろう」と言い、プレーオフに向けて自分の健康を守る姿勢を見せたこと。

11月18日、シクサーズがマイアミで試合をする予定の前夜、エンビードは体調を崩した。シュートアラウンドを欠席した後、シクサーズはエンビードのステータスを「ダウトフル」に変更した。しかし、試合の数時間前になって、エンビードは出場を試みるつもりだと伝えてきた。

チームはエンビードの試合出場への意欲を評価していたが、彼の出場可否が直前まで不明だったことで試合への準備に支障が出たと関係者は話している。その試合でエンビードは31分出場して11得点。チームは106-89で敗れた。

今シーズン、エンビードが出場した4試合でシクサーズは未だ勝利がない。昨シーズンのエンビードが出場した試合で31勝8敗、欠場した試合で16勝27敗という成績からは劇的な変化だ。

エンビードはキャリアを通じて、体調不良や怪我を抱えたときは基本的に他人と距離を置く傾向にあった。しかし、チームが苦境に陥る中、マクシィはシュートアラウンドやミーティングにも参加すべきだと感じていた。マイアミでの敗戦後、1時間にも及ぶチームミーティングでそれを直接伝えた。

関係者によれば、エンビードはその言葉を受け止め、マクシィに怒ったりすることはなかったそうだ。しかし、エンビードや他の選手たちも、コーチングスタッフやお互いに対する不満を吐き出し合い、攻守で自分たちがやることがハッキリわからないという声が上がった。

ニック・ナースはマイアミでの試合後の会見でこのミーティングについて言及し、それで会見が1時間以上遅れたと説明した。

「勝たなきゃいけない」とナースは言った。「今回のミーティングはとても正直なものだった。みんなチームの成功を望んでいるが、現状は違う。負け続けているし、いろんな問題や理由がある。だからそれを解決しようとしている。シーズン開始時に健康を維持し、早急に物事を整える必要があると分かっていたが、今のところどれも実現していない。だからこそ、こうしたことを話し合う必要があったんだ。そういう意味では、このミーティングは正しい方向への一歩だったと思う」

それで全てが終わるはずだった。お互い言いたいことを言い、空気は一掃された。しかし翌朝、ESPNのシャムズがミーティングの詳細を報じたことで、ロッカールーム内の緊張感と信頼の欠如がさらに悪化したと関係者は話している。

この悪い流れがどこから始まったのかは定かではない。

そして、それがいつ止まるのか、あるいは止まるのかさえも分からない。


個人的にはこの最後の「ロッカールーム内の緊張感と信頼の欠如がさらに悪化した」部分を深ぼって欲しかったのですが、シェルバーンはさらっと1文だけで終わらせてしまいました。なんとなく忖度を感じるのは私だけでしょうか。

それでもこの記事には、エンビードのケガの状況や、シクサーズがプレーイン・トーナメントの出場圏は33勝と予想設定しているなどの良い情報がたくさん含まれています。もし33勝するのであれば、シクサーズは今後30勝35敗のペースでいけばよく、十分に現実的に達成可能な数字だと思います。ただ、プレーインになれば、プレーオフのファーストラウンドの対戦相手はセルティクスかキャヴァリアーズになる可能性が高くなるため、なんとしても6位には入りたいところです。6位になるとするとイーストで42勝はしなければいけない予想なので、今後39勝26敗のペースで行けばいいことになります。ちなみに現在ESPNのBPI予想では、35.8勝46.2敗の10位で、プレーオフ進出は36.5%になっています。シクサーズ、これから巻き返す事ができるのでしょうか。

また、シェルバーンはこの記事の中でベン・シモンズが夏にエンビードに連絡をしたことについても触れていました。以下抜粋です。

数年間、フィリーのファンはシモンズが2022年にチームを強引に去って以来、毎回彼が戻ってくるたびに容赦なくブーイングを浴びせてきた。エンビードは彼の名前すら口にしようとせず、必要な場合にだけ彼の番号で呼んでいた。

しかし、シモンズと元チームであるシクサーズの双方に、離別後ここ数年で多くの問題が降りかかりすぎたせいか、今回はフィラデルフィアに戻ってきたシモンズの存在感はほとんど感じられなかった。リーグ関係者によれば、シモンズは今年の夏に、エンビードや他の選手たちに連絡を取り、関係を修復しようとしたそうだ。ネッツで契約最終年を迎えているシモンズは、パスのセンスや身体の長さ、ディフェンスで試合に影響を与える能力をまだ持っていることを示してきた。しかし、金曜の試合の2Qで、レイアップを外してリングにすら当てられない場面があり、その映像がすぐにバイラル化。彼がフィラデルフィアで過ごした時間がいかに悪くなっていったかを思い出させる瞬間になった。

彼らは再び一緒になる道を模索することがあり得るのだろうか?ある関係者は「可能性は低い」と言ったが、シクサーズにおいては奇妙な出来事が起きることも少なくない。


続いては、11/12のデイリーレポートでお伝えしたトム・ハバストローの「NBAの『スター選手不足』問題―怪我の増加が例年より早いペースで進行中」の続報とも言える記事を紹介します。

NBAのスター選手たちの欠場が増加している。かなり増加している。今年もケガがリーグを席巻していて、トップ選手たちが次々と倒れている。

本来なら今週は復帰の話題で盛り上がるはずだった。

ケヴィン・デュラント、ジャ・モラント、デジャンテ・マレーが、長期の欠場を経てコートに戻る予定だった。クリスタプス・ポージンギス、マリック・モンク、ブラッドリー・ビールもユニフォームを着て戻ってきた。
それが良いニュースだった。

しかし、悪いニュースもあった。

  • ヤニス・アデトクンボが、火曜日のNBA杯のヒート戦で「試合直前に欠場」という最悪の知らせを受けた。膝の問題だ。これはマズい。

  • ジャ・モラントは、月曜日の復帰戦で膝を打撲し、水曜日の試合は欠場で登録された。

  • ジョエル・エンビード、ポール・ジョージ、タイリース・マクシィは全員、水曜日の試合を欠場。フィリーのビッグ3が全員ストリート服姿になるのはこれで今シーズン2回目だ。

  • ラウリ・マーカネンはビクター・ウェンバンヤマと膝をぶつけ、そのジャズのスターはコートから助けられながら退場した。

  • デマー・デローザンは、今シーズン初のダンクを決めた後に腰の炎症で水曜日のミネソタ戦を欠場することになった。

どうやら良いことばかりは続かないらしい。

スター選手が1人戻ってきたと思ったら、別の数人がロッカールームに戻っていまう。NBAの「ケガの危機」は依然として収まる気配がない。

スター選手の欠場率、前年同月比52%増

以下は私がThe Finderでまとめたデータだ。

感謝祭を迎え、シーズン15試合を終えた時点で、なんと49人のNBAスター選手のうち32人が試合を欠場している。そして、過去3シーズンにオールスターに選出されたスターのうち8人はすでに少なくとも10試合を欠場している。その名前は以下の通りだ:ジョエル・エンビード、ジャ・モラント、カワイ・レナード、ザイオン・ウィリアムソン、パオロ・バンケロ、スコッティ・バーンズ、クリス・ミドルトン、デジャンテ・マレー。

これには手首の怪我で1週間近く欠場しているMVP候補常連のルカ・ドンチッチは含まれていない。2週間前にこの目立つ傾向について書いた時点では、スター選手の欠場率は27%増だった。しかしそれ以降、状況はさらに悪化している。

昨シーズンの最初の15試合と今シーズンを比較すると、スター選手の欠場が52%も増加している。昨シーズンの15試合時点では欠場数が100回だったが、今シーズンはすでに152回に達している。シーズン8試合を終えた頃から、すでに差が現れ始めていた。

例年、ホリデーシーズン後に大きな怪我や病気による欠場が増える傾向があるが、今シーズンはそれがはるかに早い段階で発生している。ただし、レブロン・ジェームズ、ドレイモンド・グリーン、ジェームズ・ハーデン、クリス・ポールといったベテランスターたちは、今シーズンまだ1試合も欠場していないため、その点は幸運だと言える。

NBAは、一部の選手やチームの欠場に厳しく対応している。火曜日にはNBAがホークスは11月12日に出場させなかったトレ・ヤングはプレー可能だったと判断し、ホークスに罰金を科した。これは今シーズン2回目の「選手参加ポリシー(PPP)」違反で、最初の罰金はジョエル・エンビードとシクサーズに関連するものだった。その翌日、ヤングはアキレス腱炎で水曜日の試合が「クエスチョナブル」と登録されている。

オリンピックが原因か?

最近見かけた説のひとつに、パリで開催された夏季オリンピックからの短い休養期間が原因だというものがある。特にジョエル・エンビードに関する議論では、この国際大会が中心的な要因として挙げられている。しかし、この説にはどれほどの信憑性があるのだろうか?

むしろ逆だ。パリに行ったオリンピック選手たちは、行かなかった選手たちよりもはるかに出場している。実際、レブロン・ジェームズ、ジェイソン・テイタム、タイリース・ハリバートン、バム・アデバヨ、アンソニー・エドワーズ、デビン・ブッカー、ルーディ・ゴベアー、シェイ・ギルジャス=アレクサンダーは、今シーズンまだ1試合も欠場していない。パリに参加した15人のNBAスター選手の中で、エンビードとケビン・デュラントだけが今シーズン多くの試合を欠場している。

以下がその内訳だ:
• オリンピアンのスター選手: 88.0%の試合に出場
• 非オリンピアンのスター選手: 65.3%の試合に出場

確かに、公平を期すなら、カワイ・レナード、ジャ・モラント、クリス・ミドルトンなど、もともと怪我のためにパリに行けなかったスター選手もいる。しかし、それだけでは説明しきれない。

他に何が原因になり得るのか?

いくつもの要因が絡み合っているが、少なくとも現時点では、夏季オリンピックが選手の健康に悪影響を与えたと断言するのはむずかしい。むしろ、パリに行った選手たちの方がコンディションを整えてシーズンに臨み、健康を維持しているというデータもある。この傾向が続くかどうかはこれから様子を見ていく必要がある。

NBA全体で怪我の激増を説明しようとすると、答えは一筋縄ではいかない。多くの要因が絡み合うパーフェクトストームのような状況で、原因はひとつではないだろう。大半は、地味な結論だが「偶然性」によるところが大きいかもしれない。

ただ、昨シーズンの選手の健康状態が非常に良好だったのは、一時的なものだった可能性が高いとも思う。リーグ内の関係者から得た話を踏まえると、昨シーズンは差し迫ったテレビ放映権契約の締結が控えていたことで、選手たちが全力でプレーする動機づけになっていたようだ。今シーズン、その契約が成立し「大金が手に入った」ことで、状況が変わったように感じる。

ただ、ビッグネームたちが少しずつコートに戻り始めているのも事実だ。ケヴィ・デュラントが火曜日の試合で復帰し、動きが良かったことは朗報だ。それに加え、出場時間も以前より減少し、レイカーズ戦では30分に抑えられていた。これはケガ前の1試合平均38.8分と比べると大幅に少ない。

さらに、ESPNのシャムズによると、ミドルトンもデュラントに続いて復帰が近いそうだ。ヤニスの膝の怪我が1試合だけの問題であれば良いが、こういった膝の問題が突如発生するのは心配な兆候だ。ただし、ミドルトンに関しては良いニュースが出てきた一方で、ヤニスに関する悪いニュースが重なるという展開だ。バックスは今シーズンを通して何とかやりくりしてきたが、これは2024-25シーズン全体のNBAの縮図のようでもある。


InStreetClothes.com のジェフ・ストッツによれば、今シーズン怪我によって欠場になった試合数は1,210で、去年同時期の欠場数(937試合)と比べると、はるかに多いそうです。

ハバストローはケ記事の中で、ケガが増えている要因を次のようにあげています。

  • 一部のリーグ関係者は、ケガの増加がスポーツの進化に起因していると主張している。リーグ全体で3ポイントシュートが主流となったことで、選手たちがカバーすべき範囲が広がっているからだ。

  • 何10年もこのスポーツに関わってきた人たちは、プレシーズンの練習時間が減少していることに注目している。かつては数週間の練習と複数のプレシーズンゲームがあったが、今ではキャンプは1週間に短縮され、プレシーズンゲームも数試合だけで、その間スターターはほとんどプレーしないことが多い。

  • また、82試合制の日程を指摘する意見もある。現代の選手に課される身体的負担を考えると、シーズンを短縮する必要があるという主張だ。


ケヴィン・デュラントとネッツ

ケヴィン・デュラントがホームでネッツを迎えて対戦しました。2022-23シーズンにネッツからサンズにトレード要求をしたデュラントですが、まだ彼の中ではネッツへの想いや繋がりは強いようです。

デュラント:「私は一生ネットだ。それはずっと言い続けるし、そう感じ続ける。それは永遠に私の心と血とともににある。だから、ファミリーや一緒に戦った仲間たちに会えるのはいつでもいい気分だ。でも、彼らは今すごくいいバスケットをしている。ゴールデンステートのようなチームを破るなんて、みんなも予想していなかっただろう…彼らは今シーズンすでにいくつかのいい勝利を挙げている。みんなと会って競い合うのも楽しみにしている」


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