NBAデイリーレポート(12/13, FRI)
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シャムズ反論
【記事】ジミー・バトラーのトレードの複雑さ
【記事】バトラーはまだネッツに行く興味を持っている
シャムズとバーニー・リーの確執
ニコラ・ヨキッチとタイソン・フューリー
シャムズ反論&
バトラーのエージェントのバーニー・リーが、ジミー・バトラーのトレード希望先にロケッツ、マーヴェリックス、ウォリアーズ、サンズがあるとほのめかしているとレポートしたシャムズに Xで「捏造だ」と反論していましたが、シャムズがそれについてESPNの番組内で反論しました。
ここからはシャムズが数人の人からその話を聞いている事を示唆しています。
そして、サンズのレポーターの第一人者であるジョン・ギャンバドーロ(以下ギャンボ)が、シャムズが言っているように、ジミー・バトラーはサンズに興味があると明言しました。
ギャンボがこれだけ言い切るとは驚きです。これは、少なくてもリーグ内ではバトラーのトレード希望先にサンズが含まれているという話が出ていることを意味しています。
ギャンボによると、これに対してサンズは、次の15試合かそこらでチームが正しく機能するか様子を見て、もしサンズが来月良いプレーをしていれば、バトラーのトレードを追求することはないだろうと言っています。また、サンズは2031年の1巡目指名権をトレードパッケージにいれることはないだろうと付け加えています。
また、ギャンボは「トレードはむずかしいが、不可能ではない」と言っています。
気になってリサーチしたのですが、どうやらサンズとヒートは、お互いがエプロンチームであるにも関わらず、3つ目のチームを含めずにサラリーマッチができることがわかりました。私は昨日、「ニックスのようなむずかしいキャップ・ジムナスティックをする必要がある、ほぼムリだ」とお伝えしましたが、かなり簡単なトレードに済みそうです。
申し訳ないので、そのソースであるSpotracのキース・スマートさんの記事をすべて訳して正しい情報をお伝えします。
ジミー・バトラーのトレードの複雑さ
まず、ジミー・バトラーの契約内容を理解することからはじめよう。以下がその詳細だ:
2024-25: $48,798,677
2025-26: $52,413,394(プレーヤー・オプション)
合計:2年で$101,212,071
次に、マイアミ・ヒートのラグジュアリー・タックス、ファーストとセカンドエプロンの状況を見てみよう:
ラグジュアリー・タックスを$13.9M超過
ファーストエプロンを$9.2M超過
セカンドエプロンまで$1.6Mの余裕
ヒートはファーストエプロンやセカンドエプロンでハードキャップされていないことも重要なポイントだ。つまり、トレードで選手をまとめて送ることが可能だが、結果的にセカンドエプロンを超えないことが条件になる。ただし、ヒートはファーストエプロンを大幅に超えているため、トレードで受け取るサラリーが手放すサラリーを超えることはできない。これを超えるとファーストエプロンのハードキャップが発動する。この点は、バトラーのトレードの可能性を探る際に重要になる。
ここまでは理解できたかな?では、具体的に見ていこう!
フェニックス・サンズ
まずはフェニックス・サンズの案から始めよう。この噂は最も新しく、同時に最も複雑でありながら、ある意味で最も単純なものだ。フェニックスがジミー・バトラーを獲得するのはむずかしい。なぜなら、サンズはセカンドエプロンを$31.5M超えていて、セカンドエプロンのラインすら見えない状態だからだ。そのため、サンズは送るサラリー以上のサラリーを受け取ることができず(この部分は少し後で詳しく説明する)、トレードでサラリーをまとめて出すことができない。
つまり、バトラーをサンズに送るには、ブラッドリー・ビール、デヴィン・ブッカー、またはケヴィン・デュラントのいずれかをマイアミに送る必要がある。これ以外の方法では、トレードを成立させることはできない。
サンズがトレードでサラリーをまとめることができないため、ビール、ブッカー、デュラントのうち誰かをヒートに送る必要がある。しかし、この3人はいずれもバトラーより多くのサラリーを受け取っている。ヒートはすでにファーストアプロンを超えているため、バトラーのサラリーを1ドルでも超える金額を直接受け取ることができない。さらに、サンズも送るサラリーを超える金額を受け取ることができないないため、ミニマムサラリーの選手すら受け取るのがむずかしいのだ。
では、これで暗礁に乗り上げたのか?早まるんじゃない、マイフレンド!
NBAのトレードでは、それぞれのチームがトレードを成立させるために最適な形でトレードを構築することができる。これにはトレード・エクセプションをつくったり、単純にトレードをルール内で成立させるための方法が含まれる。この最後の点が、サンズとヒートがトレードを力技で押し通せる部分になる。
提案するトレード:
マイアミ・ヒートはブラッドリー・ビール($50.2M)を獲得
フェニックス・サンズはジミー・バトラー($48.79M)とジョッシュ・リチャードソン($3.05M)を獲得
これが、このトレードがどう成立するかだ。
バトラーとリチャードソンのサラリー合計はビールよりも少ないため、マイアミはその点をクリアーする。
マイアミはこのトレードで選手をまとめたため、セカンドエプロンのハードキャップが発動する。トレード後、ヒートはセカンドエプロンまで約$3.3Mになる。幸運にも、この額はロスターを14のスタンダード契約で埋めるには十分するぎるほどだ。
フェニックスはこのトレードでサラリーをまとめていないため、ここでは問題はない。
サンズは送るサラリーを超えるサラリーを受け取ってはいけない制限を、トレードを2つに分けることで回避する。
1つ目のトレード:ビールでバトラーを獲得する。バトラーのサラリーはビールより少ないため、この点は問題なし。
2つ目のトレード:リチャードソンをミニマム・エクセプションを利用して獲得する。このミニマム・エクセプションは、ミニマムで契約した選手をトレードで獲得することに使える。
(注:このトレードは、リチャードソンの代わりにアレック・バークスやトーマス・ブライアントを使っても成立するが、その場合、ヒートがトレード後にロスターを埋めるためのセカンドエプロンまでのスペースが少なくなる)
ここで重要なのは、ブラッドリー・ビールにはノートレード条項があることだ。彼は以前、マイアミでプレーすることに興味があると報じられていたが、それはジミー・バトラーの代わりになる事ではなくて、バトラーと一緒にプレーする場合だった。ビールはイーストに戻ることには問題ないかもしれないが、ノートレード条項がものごとを少し複雑にする。ビールは自分に不利になるいかなるトレードを阻止できる。つまり、ここではチームではなくビールが決定権を持っている。
そして、その通りだ。このトレードは、ビールの代わりにケヴィン・デュラントやデヴィン・ブッカーを使用しても成立するが、サンズがその方向に進む可能性は低いだろう。
最後に、サンズ(またはバトラーを獲得するチーム)は、このトレード後にバトラーと契約延長契約を結ぶことが可能だ。彼は来シーズンのプレーヤー・オプションを取り下げる必要があり、契約年数と金額には制限がある。しかし、これらは大きな障害にはならないだろう。なぜなら、長期契約ではオーバー38ルールに抵触する可能性があるし、彼の現在の契約はすでにほぼマックス額に近いからだ。
いかがでしたでしょうか。トレードをふたつに分ける事で意外と簡単にサラリーマッチができていまいます。それよりも、問題はビールのノートレード条項と、ヒートやサンズどれだけの指名権を求めるかでしょう。また、ヒートにとってはビールはタイラー・ヒーローと被らないのかという問題もあります。
さらにバトラーのニュースが続きます。
今度はニューヨーク・ポストのブライアン・ルイスが「ジミー・バトラーのトレードの噂が渦巻く中でのネッツの立ち位置」の記事の中で、「バトラーはまだネッツに行く興味を持っている」とレポートしました。
シャムズとバーニー・リーの確執
リーがSNSでシャムズと衝突したのは今回だけではありませんでした。リーは2021年にもシャムズがヒートとバトラーの間に緊張感があるとのレポートに反論しています。
この時は、シャムズはStadiumで「裏ではジミーとコーチング・スタッフ、また違う時にはロスターの間でとてもとても厳しい試練の時があったと聞いている」とレポートし、それにリーが反応。
リーはシャムズに「ジミーが人に厳しい?当たり前だ!このクリックベイトめ、黙っていろ(Shut the fuck up )、御用聞きの人間のクズが(dirt bag piece of shit)。誰もそんな話をお前に言ってないんだ、なぜなら、それは現実じゃないからだ。MRIについてのテキストのために誰かのアシスタントでも見つけるか、一番乗りになりたい他の悲惨な話題でも探してろ」と批判していました。
後にリーはこの時シャムズに反論した理由の中にはメディアのあり方も指摘したかったと明かしています。
「選手たちはスマホを通じて世界を経験していて、他の人たちと同じようにそれを消費している。そして、選手たちは自分自身についてのこういったゴミ情報ばかり見ているから、私は彼らが自分自身のことを正確に理解できなくなっているのを見ている。これはシャムスだけ落ち度じゃない。彼はたまたま本当にひどいサーカスの先頭に立っているだけなんだ」
リーとシャムズの間の溝は埋まるばかりか深まっているようです。
ちょっと重い話題が続いたので、最後にニコラ・ヨキッチのほっこりするエピソードを紹介します。
ヨキッチのチームメイトのデアンドレ・ジョーダンが、ヨキッチが鏡を見ながらフレックスして「私はタイソン・フューリーだ」と言っていたと明かしました。
ヨキッチがフレックスをしているだけでも微笑ましいですが、鏡の前で自分をフューリーと重ねている姿を思うだけでニヤついてしまいます。
なぜフューリーかと言うと、「見てもわからないだろうが、私はとてもとてもうまい」からだそうです。
なんとなくわかる気がします。