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NBAデイリーレポート(11/19, TUE)

今日のNBAデイリーレポートは、NBA杯の現状と展望、ネッツのタンキング、それに16連勝に向けて快進撃中のキャヴァリアーズについての記事を紹介します。

・NBA杯の現状と展望
・GMショーン・マークスがタンクについて語る
・ESPNブライアン・ウィンドホーストの「オフシーズンの計画がクリーブランド・キャヴァリアーズをNBAのトップへと押し上げた」


NBA杯の現状と展望

明日のNBA杯の対戦に向けて、トーナメントが現状どのようになっているのか復習したいと思っていたところ、ちょうどThe Athleticのジョン・ホリンジャーがわかりやすくまとめていたので紹介します。

*以下ホリンジャーの記事の抜粋です。

アトランタ・ホークス、ポートランド・トレイルブレイザーズ、デトロイト・ピストンズに共通していることは何だ?それは、全員がNBA杯のグループで首位に立っているということだ!

そう、今はNBA杯のシーズンだ!みんながレギュラーシーズンを気にしてもらえるようにつくったこの新たなリーグの試みを熱心に追うファンとして、最初の週の試合での様子を報告しなければならない。大差のついたブローアウトの試合でもタイブレーカーとなる得失点差のために最後までプレーするチームや、昨年よりも少し控えめになってはいるが、特別な雰囲気を醸し出すコートデザインが見られたが、何か違うことが起きていることも見受けられた。(ちなみに、今回のコートデザインはリーグがかなり主導権を握っており、チーム側の意見はあまり反映されなかったと聞いている)

さて、先週の火曜日と金曜日の試合での最大のニュースは、おそらくイーストのグループCだ。ホークスが、強豪キャブズやセルティックスを含むグループでまさかの首位に立っているのだ。ホークスは11月29日にホームでキャブズに勝てば、ほぼ間違いなくグループを勝ち抜けることになる。仮に負けたとしても、彼らがグループチャンピオンになるいくつかの現実的なシナリオがある。

イーストのグループAでは、11月29日のオーランド・マジックとニューヨーク・ニックスの直接対決がグループ1位決定戦になりそうだ。両チームは最初の2試合に勝利し、次の第3戦も比較的勝ちやすい相手との試合が予定されている。この対決はマディソン・スクエア・ガーデンで行われる。

一方、ウェストではどうだろうか?グループC、通称「死のグループ」にはゴールデンステイト・ウォリアーズ、デンバー・ナゲッツ、メンフィス・グリズリーズ、ニューオーリンズ・ペリカンズ、ダラス・マーベリックスが揃っている。ウォリアーズは、今週金曜日にニューオーリンズでペリカンズに勝てば、このグループを早々に制するかもしれない。「ナイナイ!」。それにナゲッツが火曜日のメンフィス戦で敗北すれば(ヨキッチが欠場する可能性もある)、ウォリアーズがグループ1位を確定させるだろう。

今週最大の試合は、火曜日に行われるクリーブランド・キャヴァリアーズ対ボストン・セルティクスだ。キャブズは無敗を維持し、グループCでホークスと並ぶ首位を狙っている。一方、世界王者のセルティクスは敗北すればトーナメントをほぼ脱落する。この試合をセルティクスが制すると、最終日には「タイブレーカー・カオス」が発生する可能性が生まれ、どちらか、あるいは両チームが脱落するシナリオも考えられる。

さらに、金曜日のブレイザーズ対ロケッツ戦を「ビッグゲーム」と呼んでもいいだろうか?勝者はウェストのグループBで2勝0敗となり、他のチームは全て1敗以上となる。実はポートランドは現在6勝8敗と、ひそかに調子を上げている。

その一方で、落ち目なのはラプターズとシクサーズだ。彼らはすでに2敗していて、事実上は脱落している(純粋な確率論ではまだ可能性があるが、それはタイブレーカーや奇妙なシナリオを楽しむ真のオタク向けだ)。火曜日には、1敗している他の4チーム(ネッツ対ホーネッツ、ナゲッツ対グリズリーズ)が「敗者脱落」試合を行う予定だ。


続いてはネッツの話題です。ネッツはトレードに出していた来年の1巡目指名権を取り戻したため、タンクして再建を加速させるのではないかと考えられていましたが、現在の5勝9敗で11位とプレーインも狙えそうなポジションにつけています。一時はミケル・ブリッジスをトレードした橋(ブリッジ)を渡った先にあるニックスよりも成績が良かったため、タンキングはどうするんだと心配(?)している人も多かったように思います。そんなネッツのGMのショーン・マークスが、これからどうして行くつもりなのかインタビューに答えていたので紹介します。

「私たちは『タンク』みたいな言葉は使わない。だから『コンピートしよう、コンピートしよう、そして結果はどうなるか見てみよう』って感じだ」とショーン・マークスは言った。

マークスは、ネッツがデューク大のクーパー・フラッグや、ラトガース大のエース・ベイリーやディラン・ハーパーを指名できるポジションを狙うべきだと考える人が多いことを理解している。しかし、マークスは同時に、シーズンは長く、ブルックリンに多くのことが起こり得るとも理解している。

「シーズンを進めていく中でその時々に判断するんだ。最初から『ここにたどり着くつもりだ』『こう終わるつもりだ』なんて決めつけたりはしない」とマークスは言った。「予測できないことがたくさんあるからだ。選手たちは何かを証明するようにプレーしているし、コーチたちも素晴らしい仕事をしている。それを見るのはワクワクする。アイデンティティがかたち作られ、カルチャーが育まれているのを見るのはエキサイティングだ。だから、私がそれに逆らう理由なんてない」

もしネッツが多くの試合に勝ちすぎてトッププロスペクトを指名するチャンスを逃したとしても、マークスはその結果には問題ないと付け加えた。
「もしそうなったら、選手たちが本当に素晴らしいことを成し遂げたということだ」とマークスは言った。「それは私にとって最高のことだ」

NBAインサイダーのマーク・スタインによると、ネッツのトレード候補は、DFS、デニス・シュルーダー、ボーヤン・ボグダノヴィッチのベテラン選手だそうです。「1年目のコーチのジョーディ・フェルナンデスが試合に勝とうとしているのは明らかだ。ブルックリンは思われているよりも早くチーム解体を検討しなければならないかもしれない」

トレードがあるとすればクリスマス後になりそうですが、どうなるのでしょうか。中にはThe Ringerのビル・シモンズのように、ネッツはタンクしないでヤニス獲得に動くべきだと主張する声も出ています。今後もネッツの成績に注目です。


最後にESPNのブライアン・ウィンドホーストがキャヴァリアーズについて書いた記事を紹介します。

オフシーズンの計画がクリーブランド・キャヴァリアーズをNBAのトップへと押し上げた

ゴールデンステイト・ウォリアーズがキャブズとの試合で前半だけで41点差という衝撃的な大敗を喫してから3日後、ドレイモンド・グリーンは自身のポッドキャストで率直な意見を言った。

「クリーブランド・キャヴァリアーズは本物だと思う。これからその理由を教える」とグリーンは言った。「ボールが飛び回っていた。…ボールの動きが速すぎて頭が回っていた。このチームは何かを持っていると思う。…私はあのチームが好きだ」

キャブズは春に時間をかけてヘッドコーチ探しを行い、何度も面接を重ね、最終的にチーム内でコンセンサスを得た。そして最終候補にはアトキンソンとニューオーリンズ・ペリカンズのアシスタントコーチ、ジェームズ・ボーレゴが残った。どちらもアシスタントとして優勝経験があり、ヘッドコーチの経験もあるベテランだった。

最終的にアトキンソンのオフェンスのビジョンがチームのリーダーたちの心を掴み、彼が仕事を得た。

アトキンソンはその後の2カ月間、フランス、クリーブランド、ラスベガスを行き来しながらキャブズの試合映像を見て、スタッツをレビューした。
夏の暑い夜、フランス代表チームがオリンピックに向けたトレーニングをしていた古い兵舎で、アトキンソンは計画の細部を詰めた。この夏、アトキンソンはコーチングスタッフの一員としてフランス代表を銀メダル獲得へと導いた。

1: ロスターを最大限に活用する

アトキンソンは、バスケットボール・オペレーションのプレジデントであるコビー・アルトマンが行った一連の積極的なトレード、例えばジャレット・アレンやキャリス・レヴァート、そして最大の補強であるドノヴァン・ミッチェルの獲得により、アルトマンが評価されている以上に層の厚いチームができていると感じていた。

アトキンソンは試合で全員を使えると思っていた。ベンチの奥の方にいるガードのタイ・ジェロームも含めてだ。ジェロームは2023年にFAで獲得された選手で、前シーズンはケガのため全休していたが、アトキンソンはゴールデンステイト時代から彼を知っていた。だからアトキンソンは彼ら全員を起用する計画を立てた。全員をだ。

2: オフェンスを解放する

2年前、キャヴズはペースで最下位、スリーポイント・アテンプト数でリーグ24位、アシスト率もリーグの下位半分に位置していたにもかかわらず、奇跡的にリーグ8位のオフェンスを記録した。彼らにはスペースもスピードもなく、昔ながらのオフェンスを展開していたが、実はそれが機能していたのだ。

昨シーズンは、ケガに悩まされてオフェンスは16位まで低下したが、ボールムーブメントとペースは改善した。そこでアトキンソンは考えた。同じ選手たちを、すでに良い方向に向かっている状態から、さらにいくつかの重要なポイントで向上させることができたらどうなるか?

トレーニングキャンプでは、スピード、素早い判断のパス、そしてムーブメントを奨励した。パスしたら動く。動いたらパスする。そして何をするにしても速くやる。多くの選手が試合に出場する。フランチャイズ・プレーヤーのミッチェルを含め、全員が以前よりプレー時間を減らすことになる。だから、プレーする時間でより多くのエネルギーを使う。

これはセールスピッチだった。そして、それは売るのが難しいことでもなかった。そしてもうひとつ他のことがある。この2年間で、ミッチェル、アレン、モブリー、オコロ、ストルース、レヴァート、ニェンが、総額$600Mの契約をしている。さらに、ガーランドが2022年にサインした$190Mのマックス契約もはじまっている。つまり、チームの選手たちはすでに十分な報酬を得ていて、それがアトキンソンがパリから持ち帰った時に導入したかった犠牲のムードを確立するのを手助けしていた。

「これはセルフレス(無私)チームだし、私たちがここに来てからずっとそうだ」とミッチェルは言った。「ケニーはその点で俺たちに素晴らしい影響を与えてくれていて、彼は私たちを信じ続けてくれている」

今やキャブズはリーグ1位のオフェンスを誇っている。ペースはリーグ7位まで上昇し、これからさらに上がる可能性もある。キャブズはリーグ最多の試合数をこなし、今シーズンこれまで連休が一度もない。最近の試合ではその影響が見て取れる。彼らは3ポイント数でリーグ3位、3ポイント%でリーグ1位だ。そして、彼らは得点でリーグをリードしている。

3: モブリーの新しい役割

キャブズのコーチ探しにおける重要な課題のひとつは、リーグ入りしてからすぐにディフェンスのスターとなったモブリーをいかにしてオフェンス面でも引き上げるかを考えることだった。一般的な見解としては、モブリーにロングシュートを撃たせてスペースを広げることが必要だとされていたが、彼自身はそのアイデアにあまり興味を示していなかった。

しかしアトキンソンは、モブリーにグリーン(ドレイモンド・グリーン)のような役割を与えることを望んだ。ディフェンシブ・リバウンドを取った後に自分でボールを運ぶよう促し(モブリーはこのスタッツでリーグ上位25位に入っている)、さらにハーフコート・オフェンスではパサー兼司令塔として機能することを想定した。これはグリーンがウォリアーズで10年以上にわたって担ってきた役割と同じものだ。その結果、モブリーのユーセッジは15%増え、1試合平均18得点というキャリアハイを記録している。

これはアトキンソンが導入しようとした全体的な戦略の一環でもある。チームには、ミッチェルとガーランドというエリートなアウトサイドスコアラーがいる(2人とも3PMでリーグトップ15に入る)。さらに、アレンとモブリーというインサイドでの得点力が高い選手が揃っている(2人ともダンク数でリーグトップ5にランクイン)。そして彼らを繋ぐ複数の選手たちがいる。

「最初から、このグループはお互いのことが好きで、一緒にプレーするのを楽しんでいると分かっていた」とアトキンソンは言った。「我々には良いパサーがいて、良いコネクターがいる。私はこのコネクターという言葉が好きなんだ。タイは素晴らしいコネクターだし、ニェンもそうだ。ディーン・ウェイドもコネクターだ。主力スコアラーがいて、その周りの選手たちがボールを回せる。そしてそれが今見ているようにボールがしっかり動く理由だ。私たちはどこにボールを持っていくべきかを分かっているし、素早く判断できる」

ジェロームとルヴァートはベンチ役割でキャリア最高のシーズンを過ごしている
ジェロームとレヴァートはともにベンチからの役割でキャリア最高のシーズンを送っている。日曜日にはジェロームがホーネッツ戦でキャリアハイに並ぶ24得点を記録。しかも、ミッチェルの代わりにスターターとして出場しての活躍だった。ウェイドはマッチアップ次第でフォワードの2つのポジションとセンターを守れる。昨シーズン、キャブズのナンバーワン3ポイントシューターだったストゥルースは、足首のケガでまだ一度も試合に出ていない。

キャブズの層の厚さ、オフェンスのスピード、そしてモブリーの継続的な成長が融合し、チームの期待すらを超える形でアトキンソンのプランを実現している。

アトキンソン自身も、キャブズがこのオフェンスの勢いを続けられるとは考えておらず、シュート成功率が平均値に近づいていくだろうと予想している。それでも、彼は同時に、キャブズのシュートクオリティがほぼ毎晩素晴らしいものだと指摘している。

6年連続のオールスターに向かっているミッチェルも、似たような立場を取っている。彼はこれまでユタとクリーブランドで50勝以上を達成したチームを3回経験しているが、それでもカンファレンス・ファイナルズに進んだことは一度もない。彼はチームメイトに「大局を考えること」を求めている。

「歴史の一部になれるのは素晴らしいことだ。この機会を当然のものだと思ってはいけない」とミッチェルは言った。「でも最終的に、このチームがシーズンを通してどれだけ一貫性を保てるかが重要だ。今勝てているのは素晴らしいことだし、雰囲気も素晴らしい。でも1月、2月、3月、そして4月に、このチームのままでいられるだろうか。それが私のメッセージだ」

以上です。

アトキンソンが昨年までアシスタントをしていたウォリアーズも「ロスターの全員を使う」13人ローテーションで話題になっています。また、ボールと人が動くモーション・オフェンスや、モブリーをグリーンのように使う事で、スリーの脅威がないモブリーを活かすなど、キャブスとウォリアーズのフィロソフィーがかぶる部分も大きく、とても興味深く考えさせれます。これらの共通点がどれほどこの2つのチームの成功に影響を与えるのか、シーズンを通じて注目していきたいと思います。

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