NBAデイリーレポート(11/5, TUE)
3連休中はプライベートで忙しかったため、今日その間にあった主なNBAのニュースを一気にまとめたいと思います。尚、取り上げる順番は時系列ではありませんので、ご了承ください。
ミルウォーキー・バックス
先週ヤニスのトレードの現実味が増してきた事をお伝えしましたが、再びバックスの懸念すべきレポートがあがってきました。それはバックスの収益に関するものです。
ESPNのブライアン・ウィンドーストによると、バックスはこの数シーズンで年間数千万ドルものお金を失っているそうです。現在バックスは15人でタックスを$22.2M超えていますが、リピータータックスに入っているため、タックスはおよそ$74.8Mに膨れ上がっています。スモールマーケットのチームとしては大きな負担になっているのは間違いありません。
そこでバックスが財務的にどのくらいヤバいのか簡単に調べてみました。
Forbsの調査によれば、バックスの営業損失は$16Mだそうです。
他に営業損失を出しているNBAチームは、クリッパーズの$96M、サンズの$14Mだけになり、球団運営としてはうまく行っていない事が伺えます。
(Visual Capitalistによると、バックス収益は$329Mでリーグ15位)
それに加えて、現在の成績も芳しくなく、今日のキャブス戦での黒星で、なんと1-6でイーストの最下位(リーグ最低)になってしまいました。このまま行けば、今シーズン中にもウルブスがKATをトレード&ゴベアーとの契約延長で来シーズン以降のタックスを大幅に削ったように、何かしらの動きがあってもおかしくないような状況が醸し出されてきました。
トレード候補は、来年プレーヤー・オプションでこの夏に両足首の手術をしてまだ復帰していないクリス・ミドルトン、同じくPOのボビー・ポーティスやパット・コノートンあたりでしょうか。契約が今シーズンで最後のロペスの需要もあるかもしれません。
また、来シーズン、ミドルトン、ポーティス、コノートンがプレーヤー・オプションを行使した場合、現状11人でタックスまで$5Mになっています。ここまで来たら、タックス回避に向けて動いた方が良さそうです。
その場合、ヤニスはどう動くのでしょうか。今シーズンのトレード・ナレティブの中心はヤニスになりそうです。
ウォリアーズのコーチング・チャレンジ
昨シーズン、ウォリアーズのチャレンジの成功率はリーグ最下位だったそうです。しかもダントツで最下位で、その成功率は31.8%とリーグ平均の59.2%よりもはるかに悪く、50%以下だったのはロッタリー上位チームのブレイザーズとピストンズだけで、それでも40%後半だったそうです。
具体的には、82試合で44回チャレンジし、成功したのはたった14回のみ。
その大きな原因はコーチが選手たちの感情的な反応を受け入れてしまっていたためで、冷静な対応ができていなかったためだったからだそうです。もちろん、その感情的な選手のひとりはドレイモンド・グリーンで、彼はそのデータを見せられた時に、「私たちはひどかった。でも私たちのプロセスも良くなかった」と思ったそうです。
今シーズンは2列目に座るアシスタントコーチのジェイコブ・ルービンが大事な場面での判定があったらすぐにタブレットでプレーをチェックして、ヘッドコーチのスティーヴ・カーにチャレンジするべきかどうかを知らせる体制を敷いているそうです。
それに加え、グリーンやブランディン・ポジェムスキーもベンチにチャレンジをするようには頼まなくなっているとの事。
その甲斐もあってか、ウォリアーズは開幕からの5試合でチャレンジを5回して成功したのは4回で、その成功率は80%に!
かなりの改善が見られます。ちなみにチャレンジ5回はすべてグリーンへの判定です。
オールスター・ウィークエンド
そんなウォリアーズは今シーズンのオールスター・ウィークエンドをホストすることになっています。
そのためか、NBAコミッショナーのアダム・シルヴァーは、ウォリアーズのスーパースターのステフ・カリーに、選手たちがオールスターゲームでもっと競争心を持ってプレーするようになるにはどうしたらいいか相談をしているようです。
シルヴァー:「私たちは直接ステフ・カリーと会話をしている。それは彼にとってホームゲームになる。私たちは、彼がとても誇り高く、選手たちが最善を尽くして前進できるようにしたいと考えいるのをわかっている。だから私たちは他のフォーマットにも目を向けている…昨年のオールスターゲームでは選手たちも同様にがっかりしていたのは間違いないと思う。私たちは皆、ファンに競技とエンターテイメントを提供して、良い仕事をしたいと考えている」
昨年NBAはオールスターをカンファレンス対抗の試合に戻し、得点形式もイーラム・エンディングを止めました。今年のオールスターもまた何かが変わりそうです。
ちなみに、カリーは再びベイエリア出身のサブリナ・イオネスクとのスリーポイント・コンテストをやるようです。
また、アダム・シルヴァーはエクスパンションにも言及し、次回のエクスパンションではメキシコシティーは現実的ではないかもしれないが、検討すると話していました。NBAとしては、今は少しでも競合都市を増やして、エクスパンション・フィーを上げていきたいという事でしょう。
ジョエル・エンビード
みなさんは、ジョエル・エンビードがロッカールームでレポーターと一悶着を起こした事が現在進行中で話題になっているのをご存知でしょうか?
事の発端は、10/23にフィラデルフィア・インクワイヤー紙のコラムニストであるマーカス・ヘイズがエンビードの息子と亡き弟の名前を持ち出して、エンビードのコンディショニングについて批判した記事を書いた事でした。
ヘイズはその記事の中で、「ジョエル・エンビードは良く息子であるアーサーの誕生が、バスケットボールのキャリアの大きな変換点だったと指摘している。彼はよくシクサーズでの1年目の時に交通事故で悲劇的に亡くなった弟の名前を名付けたその子のために、レガシーを残して偉大になりたがっていると言っている。その仕事で偉大になるためには、まず仕事に来なければならない」と書きました。現在、この文章は消されているようです。
自分への批判に、亡くなった弟と自分の息子の名前を持ち出されて怒ったのか、エンビードはロッカールームでヘイズを見た時に詰め寄ったそうです。その場面がどのようなものだったのかAPのケヴィン・クーニーが次のように書いています。
また、フィリー・ボイスのアダム・アーロンソンはその出来事について、次のように書いています。
その後、シクサーズのBOプレジデントのダリル・モリーとGMのエルトン・ブランドがその事についてヘイズに「謝罪」したそうで、何があったか彼側の説明を求めたそうです。インクワイヤー紙によれば、「彼らはエンビードの行動は容認されるものではないことに合意した」そうです。
これについてNBAは土曜に調査を開始したと声明を出しました。シクサーズは日曜の朝にNBAの調査に協力すると認めています。
インクワイヤー紙のシニアVPであるガブリエル・エスコバーは「マーカスは経験豊富で実績のあるコラムニストで、彼の観察に基づく鋭く啓発的な意見を提供している。彼の言ったことについて異議を唱えるのは自由ですが、身体的暴行は不当で容認できるものではない。私たちはこの問題を非常に深刻に受け止めている」
エンビードは11/1に、フィリースポーツのデリック・ボドナーに「私は顔を2回骨折した。私は視力をなくすリスクがあっても早めに復帰した。指を骨折した。それでも私は戻ってきた。私はただここに座って、『彼はプレーしたがっていない』と言われるのを見ているだけではない。私はとても多くのことをやってきている。みんながそう言っているが、私は自分のリスクを犯してこの街のために多くのことをやってきた。だからそれはブルシットだと思う。あの男、彼はここにいないが、マーカスっていう名前だっけ、私はこのように扱われるために多くのことをこのファッキン街にやってきた訳ではない。すごくファッキン多くのことをやってきた。でも言ったように、他の選手たちのようにラッキーでいれたらと思うが、それで私が努力していないという事にはならないし、出場するためにすべてをやっていないという事にはならない」と言っており、その時からヘイズに怒っていたことがわかります。
これに関して、多くのレポーターたちの意見は、自分だったらエンビードのコンディショニングに関係のない子供や家族の名前を出して批判するようなことはしないが、エンビードも気に入らない記事を書かれたからといって手を出すのも悪いというものでした。
今シーズンはシクサーズにドラマがないと言われていましたが、こんな事でドラマが生まれてしまいました。
ジャクソン・ヘイズ
今週末に話題になった「ヘイズ」はコラムニストのマーカス・ヘイズだけではありません。
レイカーズのジャクソン・ヘイズも過去のDVにまつわる事件でニュースになりました。
TMZ sportsが2021年にヘイズが逮捕される前の映像をヘイズと当時付き合っていたモデルのソフィア・ジャモラ側から入手して公開しました。ジャモラはヘイズを訴えているそうです。
ヘイズが何をしたのか気になる方は下の映像を観てみてください。コーヒーテーブルなんかをひっくり返したりしています。
その映像の内容は:
ジャモラがヘイズに、ヘイズの犬がジャモラの小さな犬をケガさせていると言った事から口論に発展。1:35amごろの防犯カメラの映像では、ヘイズがジャモラを部屋から引っ張り出して他の部屋に入れようとしているのが見えます。彼女は嫌がりヘイズの手を振り払って、カメラのない他の部屋に逃げます。聞こえてくるのは大きな叩く音と、ジャモラがヘイズに「出て行って」と泣きながら言っている声。
カメラがある部屋に戻ってきたヘイズを彼のいとこが落ち着かせようとしますが、ヘイズはジャモラの部屋に戻っていってしまいます。そこで何かが叩き壊される大きな音が聞こえてきて、ジャモラはヘイズに何かを止めるように懇願しているのが聞こえてきます。DVでしょうか。
その8分後に、ジャモラは2階に上がって行き、ヘイズは彼女の後を置いますが、彼女は何度もヘイズに家から出ていくように伝えています。
2:02amに、ふたりは外に出て、ジャモラは警察を呼ぶと言い出します。ジャモラはヘイズに「私はもうあなたに殴らせない。私が何に見える?サンドバック?」と聞きます。
ヘイズは家に戻る時にジャモラを押して、振り返ってジャモラに唾を吐くように見えます。
ヘイズが家の中に戻ってきた時に、ものに当たって、テーブルをひっくり返しています。相当キレているようですが、彼女が自分の言いなりにならない事に怒っているのでしょうか。
その後、ジャモラの脚や腕にあざができている写真を撮ったそうです。
結局ジャモラは警察に連絡し、警察が彼女の家に来た時、ヘイズは警察の指示を聞かずに、現場でもみ合いになってしまいました。その際、ヘイズは警官のひとりにケガをさせてしまいます。ESPNによると、ヘイズ逮捕時にもみ合った警官は、「ヘイズの弁護士と会って、ヘイズの金銭を受け取り、その理由は不明」だそうです。同時に、地面に取り押さえられたヘイズは「息ができない」と言って(ジョージ・フロイドの時のように)、LAPDがやり過ぎたのかどうかの調査にも繋がりました。
この件で、ヘイズには12の容疑が課せられましたが、最終的に逮捕抵抗と不法監禁の罪で無罪を主張し、懲役3年と450時間の社会奉仕活動、家庭内暴力講習を受ける判決を受けていました。NBAはこれまでDV疑惑のヘイズに罰則を与えていません。
しかし、この映像公開によって、NBAが再びヘイズの調査を再開。
レイカーズのVPのロブ・ペリンカはレポーターたちからヘイズの件について聞かれ、「ジャクソンはその件について誠意を持って謝罪し、その後NBAで1年か2年プレーするところまで前に進んできた。私たちは彼がそれを自分の事として受け止め、その責任を負って、それを乗り越えてより良い人間になると考えている」と答えています。
ヴィンス・カーターのラプターズ永久欠番
ヴィンス・カーターがラプターズ球団史上はじめての永久欠番選手になりました。
永久欠番セレモニーは土曜のキングス戦で行われ、カーターのNo.15がラフターに掲げられました。
カーター:「まもなくそのジャージーが掲げられるが、上がるのはカーターと15番だけではない。私たち全員が掲げられるのだ。あなたがそれをどう見ようと、6年の間につくった思い出が今夜掲げられる。私たちが永遠に私たちのジャージーを一緒に掲げるのを楽しめることを願って祈る」
ラプターズ内では、優勝に貢献したカイル・ラウリーよりも前にカーターの背番号を永久欠番にするべきかどうか議論があったそうです。
スコッティー・ピッペン Jr.
11/1にバックスと対戦したスコッティー・ピッペンがマッチアップしたデイムを1-12のシューティングの4点に抑えることに貢献しました。ピッペンはそれを個人的なものとして捉えていたそうです。
ピッペン:「あっちにいるコーチのひとりは私を信じていなかった。だから私はディフェンスができることを見せたかった」
ピッペンはレイカーズ時代にダーヴィン・ハムの元でプレーしていました。