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NBAデイリーレポート(12/9, MON)

今日のデイリーレポートのメニューです。

  • 【記事】ドレイモンド・グリーンとステフィン・カリーがジョナサン・クミンガのスターター昇格を支持

  • 【記事】ウォリアーズが唯一残された結論に辿りついた

  • 【記事】ウォジのネクスト・チャプター:なぜ傑出したNBAのニュースブレーカーは立ち去ったのか


ウォリアーズの2021年の7位指名のジョナサン・クミンガが、リーグに入ってから4シーズン目にしてはじめてオフェンスでボールを持つことができるようになりました。

ウォリアーズのヘッドコーチのスティーヴ・カーは自分のシステムをチームの「アイデンティティー」として来たため、それにフィットしないクミンガをうまく使う事はしてきませんでした。そのせいもあり、去年の1月にはクミンガが「カーは自分の全てのポテンシャルを引き出せるとはもう信じていない」と言うレポートすらあがって来たほどです。カーもクミンガは自分のシステムでは3ではなく4でしかプレーできないと考えており、ドレイモンド・グリーンが4でスタートする限りクミンガはベンチ選手でいるしかありませんでした。リズムプレーヤーでもあり、自分のポテンシャルに賭けて夏に年棒$30Mの契約延長を断ったと言われているクミンガにとってはかんばしくない状況です。

今日はなぜ頑なにクミンガにボールを持たせようとしなかったチームが突然方針を変えることにしたのか、ふたつの記事を紹介します。

まずはThe Athleticのアンソニー・スレイターの記事から(*重要な部分だけを抜粋して翻訳います。オリジナル全記事を読みたい方はリンクをクリックしてください):

ドレイモンド・グリーンとステフィン・カリーがジョナサン・クミンガのスターター昇格を支持

ジョナサン・クミンガが木曜夜のヒューストン・ロケッツ戦でキャリアハイとなる33得点を記録した後の24時間で、ゴールデンステート・ウォリアーズのコートの意思決定者たちは大きな決断を下した。

少なくとも当面の間、クミンガはウォリアーズのスターティング・パワーフォワードに昇格し、ドレイモンド・グリーンはベンチに下がることになった。この動きにより、クミンガは出場時間を増やし、オフェンスでの使用率を上げる役割を得て、彼の可能性をさらに引き出すチャンスが与えられる。

「この球団の多くの人たち、私も含めてだが、彼が次の中心選手だと思っている」とグリーンは言った。「もし彼が次なら、どこかでそれを見なきゃいけない。それを実現するには、彼にチャンスを与える必要がある。もしそのチャンスが私になるなら、それが現実だ。なんとか対応するしかない。彼はそのチャンスを得る権利を自分で掴んだんだ」

スティーヴ・カーはカリーと話し合い、グリーンにも電話をして最終的な承認を得た。でも、最終的にはカーの決断だった。彼の考えは複雑で、クミンガを「最大限活かす」環境を作り、グリーンにはセカンドユニットを「整理」する役割を与えつつ、彼を「疲弊」させないようにすることだった。
昨シーズンのように、カーはスモールボールでクミンガをパワーフォワードに、グリーンをセンターでスタートで使うこともできるが、カーはグリーンに毎試合はじめからセンターを守らせるのは避けたいと言った。ケヴォン・ルーニーが毎ハーフの開始時にタフなセンターの役割を果たすことになる。
アンドリュー・ウィギンズは右足首の問題で退場し、モーゼス・ムーディーも右膝の違和感で退場した。どちらのケガも軽いと見られている。

「ウィギンズとムーディーがどうなるか様子を見てみよう」とカーは言った。「ケガは全てのローテーションに影響する。でも、私たちの考えは、ジョナサンのダウンヒル能力を最大限に活かすための方法と、彼にもっと時間を与えようとしているという事だ。私たちはクミンガとウィギンスをもっとオフェンスに関わらせて、ドレイモンドとステフを疲弊させないようにすることだ。それはちょっとトリッキーだ。その中でコンビネーションを見つけていく」

こうした背景から、クミンガをスターティングラインナップでグリーンより上にあげるという一時的な決断が下された。この動きは、クミンガにボールを持ってプレーメイキングする機会を与え、ピック&ロールではルーニーやカリーをスクリーン役として活用するチャンスを広げることになる。

「私たちはここ3年とは違うチームだ」とカリーは言った。「新しいルック(ラインアップ)、新しい決めセット、ボールを彼に持たせる事を解き放とうとする実験的なフェーズで、そうする時が来たのは間違いない」

グリーンもかつてはデイヴィッド・リーの控えだった。リーがケガをし、グリーンがスターティング・ラインナップに入った。グリーンのプレーがあまりに良かったので、リーはそのポジションを取り戻せなかった。金曜夜、グリーンはその経験を引き合いに出し、自分の新しい役割を受け入れた。

「私は彼がここに来てからずっとクミンガのいちばんのファンだ」とグリーンは言った。「だから、彼にスタートのチャンスが与えられるなら、『それは私のためじゃない』なんて言うのは矛盾してる。それはあり得ない。彼のチャンスが私を通して来るのなら、それはそういうものなんだ。彼がそのチャンスを掴む権利を得たんだ。それが私の考え方だ」

ウォリアーズの状況は今もとても流動的だ。グリーンが来週中にスターティング・ラインナップに戻るかもしれないし、シーズンが変動していく中でのより重要な場面になればスタートするのはまちがいない。例えば、クミンガの隣でセンターとしてプレーすることになるかもしれない。でも、この夜は球団のトランジション・フェーズでのにおける記念的な夜のように感じられた。

「彼は昨夜、とてもいいプレーをした」とグリーンは言った。「それをもう一度、二度、三度、四度と試してみたい。それが上手くいけば、そのまま続ければいい。だから、それが私の考えだ。私自身も、ベテランが私のために一歩引いてくれたことで今がある。その恩を返すのが筋だ。それが重要だ」
グリーンはこれを脇役になることだと考えているのか?

「私がほとんどのハーフでクローズするのはまちがいない」とグリーンは言った。「でも、スタートしないというのはスタートしないということだ。役割が変わる。私はそれを降格とは見ていない。そういうふうには思っていない。でも、チームが勝つために必要なことなら、私はいつでもそれを受け入れる。負けるのは大嫌いだ。それが私たちの勝利を助けてくれるなら、私からの異論はない」


続いては、The Athleticのマーカス・トンプソンの記事を紹介します。(*重要な部分だけを抜粋して翻訳います。オリジナル全記事を読みたい方はリンクをクリックしてください)

ウォリアーズが唯一残された結論に辿りついた:ジョナサン・クミンガの時代がやって来た

その時が来た。ミネソタに107-90で完敗した後、チェイスセンターでその話題が交わされた。ドレイモンド・グリーン、ステフ・カリー、ケヴォン・ルーニー、その複数のリングを持つベテランたちは皆、クミンガが彼らが築き上げてきたものの舵取りをする価値があると宣言した。永続的な柱(チームを支える選手)になるチャンスがある仮の柱だ。

彼はチームの中でベストアスリートで、最もあきらかな成長の余力がある。ボールも、オフェンスも、未来もクミンガの手に委ねても良いだろう。
ステフは若くはならないし、そうした方がいい。

彼らはあらゆる選択肢を試してきた。デアンソニー・メルトンのケガが、彼らが解決しようとしている問題をさらに悪化させた。リードを吹き飛ばし、タイミングが悪い得点不足を経験している。リーグがウォリアーズのムーブメント・オフェンスのブラフをあざわらうかのように慣れてきているため、彼らはオフェンスでの別のスターをどうしても必要になってきている。

その時が来た。

クミンガがキャリアハイのパフォーマンスを記録したその翌日の夜、ウォリアーズのレジェンドたちはクミンガを組み入れる計画に賛同した。グリーンとカリーは彼にスタートしてほしいと望んでいる。グリーンは自分の誇りを飲み込み、ベンチかスタートも受け入れている。部分的には体を守るためだが、クミンガを信じているからだ。

「私たちが良くなるためには」とカリーは言った。「ヒューストン戦でも見せていたが、その可能性の断片を見て来た。彼には自分のベストなバージョンでいてもらわないといけない。プレーコールでも、ローテーションやラインアップのコンビネーションでも、彼のダウンヒル能力を解放し、バスケットにプレッシャーを与え、ディフェンスからの注意を引き出す方法を見つけなければならない。彼は私たちにとって大きな武器だ。... だから、それに頼らないといけない。毎晩上手くいかないかもしれないけど、それが私たちが築いていこうとしているものだ」

実際のところ、彼がそのチャンスを得ているのは、彼がそれを勝ち取ったからでもあるが、ウォリアーズにはもうそれを与える時間がほとんどないからだ。ウォリアーズは彼の能力を知らなければならないし、クミンガもそれを示したいと思っている。

現実的には、ウォリアーズがむずかしい決断を下すには2ヶ月間の猶予がある。それは今からトレード・デッドラインまでだ。彼らは別のスターを欲しているし、必要としている。クミンガがそのスターなのかどうかを知る必要があるし、2月までに何が必要なのか、それがどれだけ必要なのかを知る必要がある。

とにかくクミンガはこの機会を勝ち取った。トップ10指名として自分の可能性を最大限に探るチャンスを得ることは、ほとんど通過儀礼のようなものだ。2021年NBAドラフトで7位指名を受けたクミンガは、ほとんどの仲間たちがすぐに得たものを得るのに230試合待った。

オーランド・マジックのスーパースター、フランツ・ヴァグナーはクミンガよりも3,200分以上多くプレーしている。ヴァグナーのブレークアウト・キャンペーンはオーランドでここ数年かけてつくり上げられてきた。スコッティ・バーンズはクミンガよりも2,800分近く多くプレーしている。ジョシュ・ギディーは1,700分以上多い。彼ら全員が2021年のトップ10指名だ。
もちろん、クミンガは自分が少なくともそれらの選手たちと同じくらい優れていると信じている。13歳でコンゴ民主共和国を離れてNBAにたどり着いたのはそれを信じていたからこそだ。しかし、まだ自分の実力がどれくらい通用するのかを本気で試すチャンスはなかった。彼はタイトルを目指す球団にドラフトされたからだ。

クミンガのピック&ロールがあるだろう。早いオフェンスがあるだろう。ドライブしてキックアウトするプレーがあるだろう。有利なマッチアップでのアイソレーションもだるだろう。

なぜなら、ウォリアーズはペリメーターでのドリブルハンドオフや、絶え間ないパス回しではどこにも行けないからだ。リーグには長くてアスレチックなウィングが溢れていて、彼らはカリーにボールを渡さず、カリーがボールを持つとトラップしてきて、あらゆるパスに対して積極的に対応をしてきている。それは、ドリブルアタックしてペイントで点を決められる選手がほとんどいないロースターに対する挑戦状だ。

ウルブスは、ウォリアーズのパス回しやムーブメントを妨げることができるペリメーターの選手と、ボールハンドラーが突破してきたときにカバーできるリムプロテクターを持っているという点で優位だ。それはとても息詰まるものだった。

すべてのチームがその両方を持っているわけではない。しかし、大多数のチームはペリメーターのディフェンダーを擁している。ウォリアーズは、その両方を要するチームを倒さないと、目標に到達することはできないだろう。疑いなく、クミンガはカリー以外で、強固でアスレチックなディフェンスをアタックし、自分の意志を押し通すことができるベストプレーヤーだ。
クミンガとアンドリュー・ウィギンズがカリーをサポートする形は、現代NBAにおいてより適した配置だ。ウィギンズはオフェンスのもうひとつの有力な選択肢だ。彼はこのレベルで得点するためのスキルと経験をクミンガより多く持っている。彼はそのレップを積んできた。クミンガは、現時点ではウィギンズよりも強く、爆発力があり、トラフィックの中でもフィニッシュできる。もし彼に得点方法を探索するためのレップが与えられたらどうなるだろうか?

ウォリアーズは、NBAレベルで勝つために必要なことをクミンガに教えてきた。この先15シーズンもこのリーグでプレーする可能性のある選手にとってはまちがいなく素晴らしい教育だ。5年後、10年後には、クミンガがNBAの経験豊富なベテランになり、カリーやグリーン、ルーニー、さらにはスティーヴ・カーのコーチングスタッフに感謝の言葉を述べている姿があったとしても、それは驚くことはないだろう。

それには犠牲を伴った。しかし、もし本当にオールスターの潜在能力を探索するためのチャンスを与えられるなら、彼は他の同僚たちよりも「勝つために必要なこと」を理解しているだろう。今、ウォリアーズは彼に与えた大学院レベルのバスケの授業が実を結ぶことを願うしかない。もうそれを遅らせることはできない。

その時が来た。


最後に、SIのクリス・マニックスが元上司だったWojの引退について書いた記事を紹介します。主な理由は健康上の問題があったからのようです。(*重要な部分だけを抜粋して翻訳います。オリジナル全記事を読みたい方はリンクをクリックしてください)

ウォジのネクスト・チャプター:なぜ傑出したNBAのニュースブレーカーは立ち去ったのか

9月、エイドリアン・ウォジナロウスキー(以下ウォジ)はメディアからの引退を発表した。ESPNを突然離れ、$7.3Mの年俸を捨てて、母校であるセント・ボナヴェンチャ大学の男子バスケットボール・プログラムのGMという新しいポジションに就くことになった(年収は$75,000)。『ニューヨーク・タイムズ』がこれを報じ、CNN、フォックスニュース、CNBCも続いた。ESPNでは、ネットワークに残ったニュースブレイカーたち—アダム・シェフター、ピート・タメル、ジェフ・パッサン—が番組でウォジを称賛した。ソーシャルメディアでは、ウォジの投稿にアラートを設定している数百万人のフォロワーが、同じ質問を繰り返し発した。「なぜだ?」

考えてみてほしい。8月、ウォジの元にカマラ・ハリスの大統領選キャンペーンの代表者から連絡があった。彼らは副大統領候補を決定していて、その発表をウォジにブレークして欲しかったのだ。しかし、結局、そのニュースは他のメディアが彼より先にスクープしてしまった。

それではなぜ辞めたのか?ウォジ自身は、その理由を簡単に説明することができると言う。陰謀はなかったし、追い出されたわけでもなかったし、給与削減を脅されることもなかった。55歳になったウォジは単に燃え尽きていた。インサイダーは最も報酬の高いジャーナリストだが、その代償は大きい。仕事は過酷で、休暇や誕生日、バーベキューなど、ディールの追跡に時間を奪われる。昨年、フィラデルフィア・シクサーズとロサンゼルス・クリッパーズのジェームズ・ハーデンを絡めたトレードがまとまる時、ウォジは国内横断する機内でWi-Fiが使えないことを恐れ、空港に一晩泊まり込んだ。昨年の夏、彼は家族との映画の夜を抜けて、クリーブランド・キャバリアーズのフォワードであるエヴァン・モブリーの契約延長のニュースをブレークした。妻のエイミーは、ウォジのスマホを第五の家族メンバーだと言っている。それは寝るときにも一緒で、休暇にも持って行く。そして、招待されていないのに、どこにでもついてくる。

元ゴールデンステート・ウォリアーズのGM、ボブ・マイヤーズは、2023年にゴールデンステートのダイナスティーを11年間率いた後に辞任した。ウォジはその決断の時、マイヤーズにアドバイスをしていた。マイヤーズもまた、ウォジに同様のアドバイスをした。ウォジが辞めることを考えていると話した時、マイヤーズは「そうしたほうがいい」と言った。「ボブは正直だよ」とウォジは言った。「『もしあと1年続けたら、あなたはみんなと一緒にいて楽しくないだろう』って。」ウォジが辞めることに対して不安を感じていると告げると、マイヤーズは「トップで辞めることは辞めることと同じじゃない」と言った。

それに、昨年ESPNに加わったマイヤーズは、ウォジが何が起きているかを見ていた。「彼はその日々、ひとつひとつの『勝利』を楽しんでいなかった」とマイヤーズは言った。6月のドラフトウィークでウォジはホテルのロビーでマイヤーズを手招きした。マイヤーズが「どうしている?」と聞くと、ウォジは涙を浮かべていた。「彼は私を見て、『もうこれ以上できないかもしれない』って言ったんだ」とマイヤーズは振り返る。「だから私は『やめたほうがいい』と言った。本当に、それは何のために続けるんだ?彼は続けるためのコストが大きすぎると感じていたと思う」

「それは癌についてだった」と彼は言った。昨年の2月、ウォジは健康診断を受けた。血液検査でPSA(前立腺特異抗原)が高いことがわかり、医師はMRIを受けるように勧めた。しかし、何も見つからなかった。再度PSAのテストを受けたが、数値はやはり高かった。今度は医師が生検を勧め、3月に初期の前立腺がんが発見された。彼はそのニュースを、NBAカウントダウンのリモート出演をする直前に知った。頭がぼんやりしている中での出演だった。

ウォジによると予後は良好だそうだ。「癌と言われると、それが体の中でパックマンが進んでいくようなイメージを持つ」とウォジは言った。「前立腺がんは、通常は前立腺に限られていて成長も遅い」彼には症状はなく、癌は「かなり限定的だ」だそうだ。現在の治療法はアクティブ・サーベイランス(積極的監視)で、四半期ごとの検査と定期的なモニタリングが行われている。食生活の改善、運動、睡眠の質向上が指示されており、手術はまだ選択肢として残っているが、今のところ手術を受ける理由は、癌が体内にあることに精神的に対処できなくなった場合に限られると言われている。

ウォジは、癌が彼を引退させたわけではないと主張している。しかし、それは彼にハッキリとさせた。「もう誰かのMRIを待ったり、深夜1時にエージェントに誰かの足首の捻挫について連絡したりする人生を1日でも送るのは嫌だったんだ」と彼は言った。5月、ウォジはアーカンソー州ロジャーズに飛び、3月に喉の癌で亡くなったNFLの長年のインサイダー、クリス・モーテンセンの追悼式に参加した。モーテンセンはESPNで30年以上働いていた。
ウォジが2017年にブリストル(ESPNのこと)に来た時、モーテンセンが最初に彼を迎えてくれた。多くのESPN関係者がアーカンソーに足を運んだが、ウォジが印象に残ったのは、行かなかった人々の多さだった。「それが私に思い出させたんだ。この仕事は全てじゃないってことを」とウォジは言った。「結局大切なのは家族と親しい友人だけだし、結局誰も気にしないんだ。誰も(ニュースを)覚えてない。結局はただの蒸気みたいなものだ」

9月18日、ウォジは決断した。彼はESPNの会長ジミー・ピタロに電話をかけた。ピタロはウォジのがん診断を知っており、ウォジが本当にその決断をしたのか聞いた。ESPNは契約の残り3年間で$20Mをウォジに支払う義務があったのだ。「ジミーは素晴らしかった」とウォジは言う。「でも、残る理由はお金だけだった。それは十分な理由にはならなかった。」ピタロはウォジに別の役職での継続を提案したが、Yahooで何年も書いていた鋭いコラムを書く事に戻るのには興味がなかった。ピタロはウォジにプレーオフのために『NBAカウントダウン』に戻ることを提案した。「私たちの視聴者には毎日NBAに没頭している人が相応しいと思ったし、私はそれにはなれなかった」とウォジは言った。「心の中では、もう私には彼らに相応しい価値はないと思った」

それに、ウォジは家族が何を望んでいるのかをわかっていた。エイミーは彼の引退の準備ができていた。何年も前、ウォジが大きなストーリーであるデマーカス・カゥズンズの怪我をレポートするために携帯電話に没頭していた時、エイミーは「いつ私はあなたの大きなストーリーになるの?」と聞いた。ウォジの子供たち、アニーとベンもその準備ができていた。NBAドラフトの直前、ウォジはベンに電話をかけた。引退を考えていた彼は、息子にその意見を求めた。ベンは遠慮せずに言った。「みんなは父さんの仕事は素晴らしいって思ってるけど、俺は父さんの仕事はFucking sucksだと思っている。引退して、ママと旅行に行け」

9月、ESPNを辞めると発表した数日後、ウォジの電話が鳴った。ニックスとウルブズの間でトレードが進行中で、その関係者の誰かがウォジにその情報を欲しいかどうか聞いた。ウォジの返事はこうだった。「おめでとう。でも、I don’t give a shit」数日後、カール=アンソニー・タウンズはニューヨークに向かい、ウォジは自分のオフィスに向かった。

彼はもうメディアで働くことはないことを分かっている。NBAのキャリアを積み上げることにも興味はない。Gリーグ、プロスカウト…そんなのは無理だ。ミシガン大男子バスケットボールのコーチであるダスティ・メイや、USC女子バスケットボールのコーチであるリンジー・ゴッティーブら、別の大学にいる友人たちが彼のGMの仕事に対する興味を探ろうとしたが、断られた。「この場所以外では、これほど一生懸命働くことはない」とウォジは言った。「いつか他のことをするかもしれないが、こういうことは二度とない」

経済的には問題ない。彼はESPNでの年棒の99%カットである$75,000の給料に感謝している。「正直言うと、$50,000だろうと思ってた」とウォジは言った。ボニーズ(ボナヴェンチャーズ大)の仕事がなければどうしていたか分からない。「多分もう1シーズンやっていただろう。でも、それは間違いだっただろう」キャリアの中で数百万ドルを稼いできたが、それらを使うことはなかった。彼はまだThe Recordの仕事に戻ってきた後にすぐ購入したニュージャージーの家に住み続けている。25歳のアニーはエマーソン映画学校を卒業し、ニューヨークで働いている。22歳のベンはデンバー大での最後の年だ。Burtonの上にあるアパートの家賃は月$1,500で、彼とエイミーは、野球選手たちが隣に住んでいる事は問題にしていない。「本当にラッキーだ」とウォジは言う。「(お金は)十分ある」

最近、Perkinsですばやく夕食をとった後(「55歳以上メニューで食べられる」)、ウォジはオフィスに戻った。すでに夜の10時を過ぎていたが、2人の選手がコートにいた。1人は学生マネージャーにリバウンドをさせていた。もう1人はひとりきりだった。ウォジは、クリッパーズのプレジデントであるローレンス・フランクが言ったことを思い出していた。「全員の仕事は、みんなの仕事だ」彼はバッグを置いてボールを拾い始めた。「私たちはここの選手たちに尽くすためにいるんだ」とウォジは言った。「それが仕事だ」それはとても違った感じがする仕事だ。

ウォジは今でもエージェントやレポーターたちと話しているそうです。特にエージェントとは「今はストーリーではなく、4や5を見つけるため」に話をしているとの事です。ウォジは大学チームのために、ヨーロッパやアフリカでストレッチ4やストレッチ5を探そうとしているそうです。そのような選手たちが数年後にはNBAでドラフト指名される日が来るのでしょうか。そして、ウォジがNBAチームに売り込めるのが証明されれば、ボナヴェンチャーの5スター選手獲得もあり得るかもしれません。

いずれ、ウォジやシャムズなどのニュースブレーカーたちがどれだけトレードに影響力を持っているのかなどの記事を紹介したいと思います。

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