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ジミー・バトラーとヒートのこれまでの情報まとめ、バトラーの今後の選択肢

1月4日、ESPNのシャムズが「ヒートとジミー・バトラーの関係は手に負えなくなっていた…現在の目標は、できるだけ早くバトラーを移籍させることだ」とレポートし、ヒートはバトラーを「できるだけ早く」トレードしたがっていると言っていました。シャムズによると両者の関係は「もう耐え難い状態で、実質的に後戻りできない段階にまで来ている」そうです。

その8日前にはヒートのプレジデントであるパット・ライリーが珍しく声明を出し、「私たちは普通は噂についてはコメントしないが、このようなすべての憶測はチームの障害となり、選手たちやコーチたちにとってフェアではない。そのため、私たちはハッキリさせる。私たちはジミー・バトラーをトレードしない」と言っていたばかりでした。

この間に一体何があったのでしょうか。

更に、その後あらたな展開として、ヒートはバトラーに7試合の出場停止処分を与え、バトラーのトレードに向けて動きはじめました。

何もなければ、バトラーは金曜日のナゲッツ戦でチームに合流し、試合に復帰する事になります。新たなドラマがはじまる前に、これまでのバトラーとヒートに何があったのかまとめ、今後どうなるか見ていきたいと思います。

これまでの流れは以下の記事で取り上げていますので、興味がある方はぜひご覧ください。


バトラーの復帰とトレード要求

現状、バトラーとヒートの騒動に関しては、いろいろなところから様々なレポートが出てきていて、ヒート寄りの情報とバトラー寄りの情報が入り乱れたPR合戦の体になっている部分も出てきています。ここではできるだけ客観的に情報をお伝えするために、時系列に沿ってストーリーを追って行こうと思います。

プロローグ

このストーリーを理解するためには、去年の5月まで遡らなければいけません。

ヒートは4月のプレーイン・トーナメントでシクサーズと対戦しました。そのプレーオフを賭けた大事な試合の前半で、バトラーは右膝のMCL(膝内側側副靭帯)をケガしてしまいます。そのためかヒートは105対104で敗退し、プレーオフ出場を逃してしまっていました。

この動画はその後の5月に撮影されたものです。

ジミー・バトラー:「撮ってるか?1, 2, 3, アクション。もし私がプレーしていたら、ボストンは家にいるだろう。NYはまちがいなく家にいる」

インタビューの人:「ジョッシュ・ハート…」

ジミー・バトラー:「それが私になんのF*ck意味がある?ジョッシュ・ハート?」

インタビューの人:「…(聞き取れず)」

ジミー・バトラー:「いや、私はティブス(ニックスのヘッドコーチ)を愛しているが、ティブスには勝って欲しくない。ティブス、私はあなたを愛している、ベイビー、でも私はあなたをボコボコにしたい。これは片思いのようだ。あなたは私に恋している。私はあなたを愛しているが、私はあなたに恋していない」

問題になったのは「もし私がプレーしていたら、ボストンは家にいるだろう。NYはまちがいなく家にいる」の部分で、どうやらこれがヒートのプレジデントであるパット・ライリーの癇に障ってしまったようで、バトラーの発言に苦言を呈しました。ライリーのコメントが入ったThe Athleticの記事を紹介します。

バトラーはプレーイン・トーナメントでMCLのケガをして、ファーストラウンドのセルティクス戦に出場しなかったが、最近彼はもしプレーしていたらセルティクスとニックスを破っていただろうと言っていた。

ライリーにとってそれは受け入れがたいものだった。

「彼がそう言ったのは、トローリングしていたのか真剣だったのか?もしボストン相手にコートに立たないのなら、もしNYニックス相手にコートに立たないのなら、それらのチームの批判には黙り続けているべきだ」

バトラーには2年契約が残っていて、2025-26シーズンのプレーヤー・オプションはおよそ$52Mだ。ヒートは34歳のバトラーにこの夏契約延長をオファーできる。しかし、ライリーはヒートのフロントオフィスは内部でそれ以降のことは議論しておらず、現時点で何も決めていないと言った。

それでもライリーは断固としてバトラーはトレードしないと言った。彼をトレードするか直接的に聞かれた時、ライリーは「ノー」と言った。

ライリーはバトラーの健康も契約延長の要因になると言った。

ただ、この映像はアクションと言ってから撮影しているため、これはバスることを目的とした芝居で他意はないという意見も見られました。

このライリーの発言に関して、こんど怒ったのがバトラーです。

NBAインサイダーのクリス・ヘインズが1月15日にダン・レバタードのYouTubeチャンネルに出演し、実はこのライリーのコメントが「バトラーの神経を逆なでした」とレポートしています。

そんな感じでバトラーとヒートにとって重要なオフシーズンが荒れ模様ではじまりました。というのも、ヒートはチームの主力であるバトラーの契約延長ができたのです。

しかし、ヒートは契約延長はしないどころか、バトラー側にはまったく連絡を入れずに交渉すらしていなかったようなのです。

ヘインズによれば、「彼(バトラー)のエージェントのバーニー・リーは昨シーズンにマイアミ・ヒートにこう伝えた:『延長契約を結ぶのであればオフシーズンに行う。メディアデーやトレーニングキャンプが始まるまでに契約がまとまらなかった場合は、シーズンをプレーしてその後の状況を見ることになる』その期限は過ぎ去り、何もなかった。チームが何かをするかとかしないか示唆するものは何もなかった。ただその期限が過ぎ去ったんだ」とレポートしています。

そして、メディアデーが過ぎ、トレーニングキャンプがはじまります。

シーズン開幕からのドラマ

ヒートはトレーニングキャンプで新しいオフェンスとディフェンスを取り入れましたが、それはバトラーのスキルセットを活かしたものではなく、もっとスリーを撃って、もっとゾーン・ディフェンスをするものだったそうです。そのため、今シーズンのバトラーのユーセッジは2013-14シーズン以来最低の21.2%にまで下がっています。これは大きな契約を狙っているバトラーにとっては大きな問題で、数字を残せなくなってしまいます。バトラーが自分の役割が変わった事に不満を持ったのは想像に難くありません。

プレシーズンに入ると、ライリーはバトラーとの契約延長について、「私はそれについてジミーと多くの会話はしていない。私は彼のエージェントと時々話している。私はもう(バトラーと)会ってミーティングをする必要はない。彼はとても賢い男だ」と話していました。

この時点で、ヒートはバトラーと契約延長はせずにシーズン通してプレーしてもらう事を予定していたのがわかります。

シーズン開幕前になると、マイアミ・ヘラルド紙が「もしヒートが契約延長をオファーしても、この時点ではジミー・バトラーはそれをパスすると見られている」とレポート。

そしてシーズンがはじまり、契約延長の話やトレード先の噂などがちらほら出始めましたが、それほど大きな騒ぎにはなりませんでした。

ところが12月11日に、シャムズが「ジミー・バトラーのエージェントであるバーニー・リーがリーグの中で、ダラス、ヒューストン、ゴールデンステートに加え、彼が移籍先にオープンなチームとしてフェニックス・サンズをあげている。ヒートはトレード・オファーを聞いている」とレポートしてからストーリーが大きく動きはじめます。

バトラーは12月20のサンダー戦を胃の病気のため、途中欠場し、それから12月31日まで5試合連続で欠場しました。

その間、バトラーのエージェントのリーがXでシャムズにウソつきだと言い返した事もあり、各メディアがこぞってバトラーのトレード噂について取り上げるようになりました。リーグの噂系の話題は一気にバトラー一色になったと言っても過言ではありません。

12月26日になり、それを見かねたパット・ライリーが、「私たちは通常噂についてコメントはしないが、全ての憶測がチームの障害になっていて、それは選手たちとコーチたちにとってフェアではない。そのため、私たちはハッキリさせる。私たちはジミー・バトラーをトレードしない」と声明を出し、騒動の沈静化を計りました。

これでもう何も起きないであろうと思われましたが、実際にはその逆で、一気にバトラーのトレード要求にまで突き進みます。

12月31日の練習に病気から復帰したバトラーはインタビューで、マイアミに残りたいか聞かれた時に「良い質問だ」と言って答えをはぐらかします。バトラーは更に、「そんな事は誰にもわからない。私もわかっていないが、私は今ここにいる。この状況を最大限に活かして戦って、勝つ。それが全てだ。たくさんの話が飛び交っている。それもノイズが多いが、それは問題ない。むしろそれが好きだ。私はそれに燃える。でも、気にしているのはあなたたちだ」と話していました。

また、ライリーの声明については「分からないね。いずれ分かる。時間が経てば分かることだ。私は明日何が起きるかなんて言えない。その声明には感謝をしているが、これは結局はビジネスだし、私には何ができるかもわかっている。どちらにしろ、悪くは思っていない」と話していました。

ヘインズによると、トレードの噂が激しくなる中でのインタビューはバトラーにとって心地良いものではなく、必要ないものだと感じていたらしく、そうさせたヒートのPRの対応にも不満を持っていたそうです。また、おそらくチームがリークしたであろう情報についてのインタビューを受けなければいけなかったことにも不満を持っていたとの事。

そして、1月1日、バトラーはホームでのペリカンズ戦で試合に復帰します。

トレードを希望するバトラーはライリーの「トレードしない」発言に反発したのか、25分プレーして9点でした。おそらく、ファンを含め外からはそう見えたはずです。

また、ヘインズが、1月1日にバトラーとライリーが昨シーズンぶりにはじめて会って話をしたとレポート:「パット・ライリーはあの後(夏にジミーに黙っていろと苦言を呈した事)にジミーと会って話す必要があると伝えられた。だからジミーは夏の間、ライリーと話せると思っていたが、それは実現しなかった。彼らはテキストでも、電話でも、直接会ってでもコミュニケートしなかった。それで彼らが最後に話したのは、ヒートが彼をオフィスに呼んだ1月1日だ。その時に彼はやる気を見せていないと伝えられた」

また、へインズはその時、「彼のエージェントであるバーニー・リーは、『いいかい、みんな、ジミーはできる事をやろうとしている。チームは彼を主力として起用する事から離れていこうとしているようなので、彼の状況はバスケットボールのフィット的には理想的なものではないが、それは問題ない。でも今あなたたちは彼のやる気を疑っているのか?』と言った…ヒートがその試合で彼を精彩を欠いたプレーをしていたと非難した時、彼のエージェントはセカンドスペクトラムからのデータを見せて、その試合ではジミーは時速最速率が最高だった事を見せた。つまり、彼はその試合で誰よりも速く走っていたと言う事だ。そして、彼はその試合で加速でトップだった。それで堂々巡りの議論になった…」とレポートしています。

バトラーは続いての1月2日のペイサーズ戦でも27分の出場で9得点で試合を終えます。プラスマイナスはチーム最低の-27でした。

この2試合で連続9得点になっている事についてバトラーは、「私はここで私の役割ができる。でも、それは私が普段やってきた事ではない。私はそれをリーグに入って1年目、2年目、3年目からやっていない。私はコートに出て、ただディフェンスをプレーしていただけだ。でも、私はコンピートしていた。私は守り、自分の相手に得点をさせないようにしていた。今私がやっているのはそれだ。それは私にとってむずかしいアジャストではない。どちらにせよ、私はコートでコンピートするんだ。9得点でも29得点でも勝つためにコンピートしているんだ…私が一生懸命プレーしていないなんてことは言うことはできない。私のユーセッジが低くてシュートを多く放たないからそう見えるかもしれないが、私が全力でプレーしていないと言うのは間違いだ」と話していました。

そして、それよりも驚きだったのは、バトラーのペイサーズ戦後の記者会見でした。

バトラーは、「私は自分がバスケットボールをプレーするよろこび(joy)を取り戻すのを見たい」と発言。「それがどこであろうと、私たちはそれがどこになるかすぐにわかるだろう。私はここではコート外でハッピーだが、支配的なプレーヤーに戻りたい。プレーしてチームの勝利に貢献したい。今の自分はそれをできていない」と話しました。マイアミでそのよろこびを取り戻せるか聞かれ、「おそらくできないだろう」と答えました。

シャムズによると、バトラーのパフォーマンスについて「決定的だったのは、水曜日(1月1日)のペリカンズ戦の後のことだ。その試合はヒートが勝ったが、その24時間以内に、ヒートがバトラー周辺の人々に対し、彼が全力でプレーしていなかったという示唆をしたことが(バトラーの発言の)原因だと理解している。試合後の記者会見で見られた彼の反応は、基本的にその示唆に対するものだった」そうです。

また、ESPNのブライアン・ウィンドホーストによると、バトラーがこのような発言をした理由のひとつに、「木曜日(1月2日)にチーム関係者が彼に、水曜日(1月1日)のペリカンズ戦で全力を尽くしていなかったと示唆をした」ことがあげられるそうです。

マイアミ・ヘラルド紙もそれについて、「木曜日に行われた試合(1月2日のペイサーズ戦)後の記者会見でバトラーが熱く語る数時間前、ヒートの関係者とバトラーのエージェントとの間で会話があったとそうだ。この会話の後、バトラーは不快感を覚えた。バトラーと彼のエージェントは、ヒートの関係者が、水曜日(1月1日)に行われたペリカンズとのホームゲームでバトラーがベストを尽くしてプレーしなかったことをほのめかしていると受け取ったからだ。バトラーはこの試合で5本のシュートを放ち9得点を記録したが、病気による5試合の欠場から復帰した初戦で、4Qには出場しなかった」とレポートしています。

これらの事から、バトラー側とヒート側は新年早々2日連続でミーティングをしていたように見えます。しかも、お互いの溝は埋まるばかりか、逆に深まってしまう結果になりました。バトラー側は契約延長やトレードについて向き合いながら話し合いたいでしょうし、ヒート側はバトラーに契約を全うしてきちんとプレーして欲しいと思うので、そうなるのもむりもないでしょう。

そして、1月2日の夜、シャムズが、「バトラーがヒートにトレードされたいと示唆した」とレポート。シャムズによると、「バトラーはヒートに対して特定の希望移籍先のリストを提示するつもりはなく、マイアミ以外ならどこでもプレーする意思があると述べているという。彼はどこに移籍してもそのチームを優勝争いに加えられると信じており、移籍先がどこであれ競争力を高めることができると感じている」そうです。

1月3日、ヒートはバトラーの「バスケットボールへのよろこびを取り戻したい」発言を受け、「チームに対する有害な行為」をしたとして7試合の出場停止処分を与えました。

7試合の出場停止処分

1月3日、ヒートがバトラーについての声明を発表しました。

「彼は行動と発言を通じて、彼はこのチームの一員でいたくないと見せている。ジミー・バトラーと彼の代理人はトレードを望んでいると示唆しているため、私たちはオファーを聞く」

ヘラルド紙は、「バトラー側は、この木曜日(1月2日)の会話を通じて、ヒートが水曜日(1月1日)のペリカンズ戦での努力不足を理由にバトラーを一時的に出場停止処分にすることを検討しているという印象を受けた。しかし、ヒート側は、そのような理由でバトラーを出場停止にするという脅しをかけたことはないと主張している」とレポートしています。

この出場停止処分により、バトラーは1試合ごとに$346,543を失います。7試合で$2.35Mにもなります。

後にクリス・ヘインズがヒートは当初この出場停止処分を「チームに対する有害な行為」ではなく、それよりも重い「サービス提供を拒否」として課す事も検討していたそうです。その場合、罰金は「2倍」になっていたそうです。しかし、よく調べてみると、罰金はヘインズの言うような2倍ではなく、罰金率は0.7%が1.1%にあがるに止まり、罰金は$3.7Mになるようです。

ヒートが出場停止期間を7試合としたのは、チームが西海岸のロードトリップを終えてマイアミに戻るまでの期間と言われています。ただ、7試合の出場停止は長すぎるため、NBPAが異議申し立てを行いました。これで両者は罰金を巡って仲裁に入ることになりますが、バトラーにいくら戻ってくるかはわかりません。これまでNBPAが異議申し立てを出してお金が戻ってきたのは、メンタルを理由にチーム活動すべてをホールドアウトしてトレード要求をしていたベン・シモンズ(奇遇にも同じくバーニー・リーのクライアント)ですが、いくら取り戻せたのかは現在も明かされていません。

また、元ヒートで活躍した殿堂入り選手のティム・ハーダウェイは、ライリーはなぜヒートがバトラーに7試合の出場停止処分を課したのかの詳細を書いた10ページの書簡とそれがわかる映像をNBPAに送ったそうです。

また、ハーダウェイもバトラーが病気で欠場していた間に、「バトラーがPrime 112にいて、仲間とまったりして食事してハングアウトしている」と知り合いから電話を受けたと言っていました。もちろんヒートもそれを知っているでしょう。タイミング的に、胃の病気が治った後なのかもしれないので、これについては客観的になんとも言えません。

そして、1月14日、ESPNのシャムズが先週バトラーが出場停止処分を受けている間にライリーと直接会って話し合ったことをレポートしました。

シャムズによると、「マイアミ・ヒートのスターであるジミー・バトラーがチームのプレジデントであるパット・ライリーとのミーティングで、トレードされたいと繰り返し伝えた。バトラーはライリーに、マイアミで新たな契約を結ぶつもりはなく、2025-26シーズンの$52Mのプレイヤーオプションはオフシーズンでのトレードを実現する手段として利用するつもりだと伝えたそうだ」との事です。

また、シャムズは「私の理解では、たとえヒートが今バトラーに延長契約を提示したとしても、それは彼が望むことではないし、受け入れることもないだろう」とレポートし、バトラーとヒートの間の関係修復はなさそうな事を示唆しています。

この辺りのバトラーとライリーが直接会って話した時系列はレポーターによって違っていて、前述したヘインズの1月1日とシャムズの1月5日~1月11日までになっています。

バトラー本人は、出場停止期間中にヒートの練習場でヒートのコーチたちとワークアウトを続けていたそうです。また、去年の年末にマイアミにオープンした「Big Face Coffee」の店舗にも顔を出し、お客さんにコーヒーなどを淹れていました。そして、バトラーはバリスタに向けて、「わかった?私はあなたを褒めたんだよ。それがボスがやる事だ。私たちはあなたをビルドアップ(自信を与えて成長させる)する。私たちはあなたを壊したりはしない」と話しかけた動画を投稿しました。

この一言はライリーに向けて言っていると思うのは考え過ぎでしょうか?

最後にこの出場停止処分の締めとして、ヒートのオーナーであるミッキー・アリソンが木曜か金曜にバトラーと直接会って話をするそうです。おそらく、バトラーに大人しく契約を全うしてもらうための話し合いだと思われます。チームメイトのケヴィン・ラヴはインスタに、「ミッキーと会った後のジミー」と書いてウルフ・オブ・ウォールストリートで主人公が「私はファッキン去らない!」と叫んでいるシーンを投稿してファンを盛り上げました。そして、なんとバトラー本人がその投稿にイイネをしています(笑)。ひょっとしたら明日こんなシーンが見れるかもしれません。

バトラーがヒートに不満を持った理由

バトラーが出場停止になっている間もメディアはフル回転です。その間に、バトラーが他にもヒートに不満を持った理由がいくつか出てきたので紹介します。

  • シャムズ:「バトラーがチームのロスターを強化するようライリーに促してきたものの、デイミアン・リラード、ジュルー・ホリデー、カイリー・アービングのような選手が獲得可能になった時に、彼らを獲得することができなかった」

  • スタイン:「マイアミは、マックス・ストルース、ゲイブ・ヴィンセント、ケイレブ・マーティンとの新たな契約交渉で、バトラーと良い連携ができるのにもかかわらず、明確な一線を引いた。『マイアミ・ヒートの成功の大きな理由は、彼らのケミストリーだった』と、チームの内情を知るリーグソースは言った。「彼らはバトラーの選手たちだった」と、ヒートの考え方をよく知る別のNBAソースは言った。ヒートとバトラーの間の問題の核心は、彼らがあえてバトラーに2年の契約延長オファーを出さなかったという財政的な問題にあるようだが、チーム内で最も親しい仲間を数人失ったことも、ケミストリーの悪化に拍車をかけている。カイル・ラウリー、ゲイブ・ヴィンセント、マックス・ストルース、ケイレブ・マーティンは、2023年のファイナル進出以来、全員ヒートを離れている」

  • マイアミ・ヘラルド紙:「バトラーは主に、マイアミが今夏の契約延長として2年$113Mの契約を彼に提供することを拒否したため、ヒートに失望していた。バトラーは交渉期間の早い段階でそのような契約に署名することにオープンだったが、延長がヒートによってすぐにオファーされなかったときに、彼の考え方は変わった」

  • ヘインズ:「昨年の夏の終わりのころ、ジミーを不快にさせた別の出来事があった。ジミーは、昨年の夏の終わりごろに事務的な、いや、会計上の間違いがあったことを知らされた。彼はその期間のサラリーを受け取っていなかったのだ。チームは約10日かけてそれを修正したが、そんなことは今まで一度もなかった。その他の事(ライリーがバトラーの発言に苦言を呈した事)があった事に加え、会計の間違いでサラリーの支払いが遅れたので、彼らは物事が少しおかしいと感じ始めた」

このようなことが積み重なり、バトラーのトレード要求につながっていったのでしょう。

また、この一連の騒動で、バトラーを悪者にするようなナレティブづくりも見られはじめ、スタイン・ラインのジェイク・フィッシャーは、「リーグ関係者によると、ジミー・バトラーは、朝のシュートアラウンドを無断で休んだり、マイアミ・ヒートのチームチャーター機とは別のプライベートジェットの利用を求めるなど、複数の違反行為を行っていた」とレポート。

これに対し、バトラー側はそれについてヘインズに次のように話していたようです。「ジミーはこの5年で、チームフライトではないフライトに乗ったことは5回以下しかなく、その内の4回は父が病気だった時のナゲッツ相手のファイナルズでの事だった」

おそらく、フィッシャーのプライベートジェットの件は今シーズンの事ではなく、2023年の事だと思われます。シュートアラウンドの件は本当の事なのではないでしょうか。バトラーの父が末期ガンだとわかったのは、2023年のイースタン・カンファレンスのファイナルズのゲーム7直前で、ナゲッツとのファイナルズでは父を見舞うためにプライベートジェットを使っていたようです。

もし、このプライベートジェットのリークがバトラーの父と関係しているのであれば、ヒートはやり過ぎているという声もあります。

また、バトラーはチームホテルではなくエアビーに泊まっているという投稿も見受けられますが、それはかなり前からやっている事なので、チームは了承しているはずです。

また、フィッシャーは、「ソースによると、コート外ではバトラーと最も親しい関係にあるカイル・ラウリーでさえも、徐々にバトラーのコート上での頑固さうんざりしていたそうだ。現在、故郷のシクサーズで2シーズン目を迎えているラウリーは、先週インタビューの依頼をされた際、コメントを拒否した」とレポートしましたが、これもバトラーを悪者として仕立てあげる印象操作の一環だとも言われています。

このように、水面下ではメディアを通じてバトラー側とヒート側のPRの戦いが勃発しているようです。ルー・ウィリアムズ曰く、「両サイドともメディアを通して冷戦をしていて、ナレティブを操ろうとしている」との事。

パット・ライリーも1月10日に珍しくシーズン中にインタビューを受けました。バトラーに関するPRの一環なのは間違いないでしょう。このインタニューは全部で2時間以上になるのですが、その中でライリーはホストのレバタードからどうやって今の選手たちに適応しているのか聞かれた時にこう答えていました。

ライリー:「選手たちが、自分を表現する方法が球団を代表する私の信念と完全に反するようなものだったとしても、例えば、それがより大きなブランドを築きたい、もっとお金を稼ぎたい、みんなの中から少し抜きんでたいという理由であったとしても、それを止めることはできない。リーグはそれを望んでいる。コンテンツが重要で、メディアを遠ざけようとしても、コミッショナーがそれを許さない。アクセスこそがすべてだ。だから、今の若い世代の選手たちの個性というのは、私が育った時代とは違う。私たちの世代は、親がもっと厳しかった時代に育ったと思う。もし核家族と呼ばれるような家庭があったとしても、それは厳しくて、違ったんだ。もしかしたら、親に自分が望むような愛情をもらえなかったかもしれないが、それでも違っていたんだ。今日の選手がそうではないと言っているわけではないが、昔のほうが厳しかった。そして私たちはそれを理解していた。今の世代の選手たちがどのように自分の人生を生きていきたいのかは理解している。彼らが聞く音楽や自分をブランド化する方法、着るものや服装など、すべてが違う。それが私が望むものよりも派手かもしれないが、それをリスペクトしている」

「『カエサルにカエサルのものを返せ』という言葉がある。使徒たちが主イエス・キリストに全財産を捧げようとした時、彼はこう言った。『いや、カエサルにカエサルのものを払え。そして残りを他の人々に与えよ』と。だから、選手たちもヒートに属するものを返さなければならない。彼らが他のことをやりながらも、それを省略することはできない」

「実際、選手たちにはこう説明している。『私たちとの契約の間は、私たちに何かしらの義務があるんだ』と。CBAの契約にそう書いてあるから、そのことを軽視してはいけない。私たちは協力的な人々の集まりだが、それでも私はミッキー・アリソンに対して義務を負っていると感じている。彼は私のボスで、そのことをリスペクトを持って彼に尽くしている。同じことが選手たちにも当てはまると感じている」

ライリーがバトラーの事を言っているように聞こえるのは私だけでしょうか。ちなみにバトラーは母親に育てられましたが、13歳の時に無一文で母から家を追い出されてホームレスになってしまい、友人の家を渡り歩いていた事があります。

今後の展望

気になるのは出場停止明けのバトラーの動きです。

シモンズのようにチームから離れるのか、ジェームズ・ハーデンのように手を抜いてプレーするのか注目されていますが、ヘラルド紙によれば、「バトラーはヒートに対して、次にチームが下す決定に従う意向を伝えている。リーグ関係者によれば、それがNBAの他の29チームへのトレードであっても、マイアミでシーズンを最後までプレーすることであっても受け入れる」そうです。

バトラーもウルブズにトレード要求をした時もハチャメチャやっていましたし(これは当時のチームメイトだったジェフ・ティーグが明かしていた話が面白いので、バトラーがヒートでも何かやらかしたらまとめて紹介したいと思います)、どんな様子になるのか見守っていきたいと思います。案外、自分の価値を見せつけるためにすんなりと全力でプレーするかもしれません。

しかし、それでも本質的な問題は解決しません。

では、今後のヒートとバトラーの選択肢はどのようなものがあるのでしょうか。現状のトレード情報も含めながら、簡単に見ていきたいと思います。

バトラーとヒートの今後の選択肢

ヒートとバトラーの選択肢は次のようなものになると思います。

A:2/6のトレード・デッドラインまでにトレードする
B:夏に$52Mのプレーヤー・オプションをオプトアウトしてFAになりヒートを去る
C:夏にサイン&トレードする
D:夏にフリーエージェントとしてヒートと再契約をする
E:$52Mのプレーヤー・オプションをオプトインしてヒートに残る
F:契約延長

Fに関しては、もうその可能性はなさそうなので割愛します。

A:トレード

バトラーのトレードが難しいのは、相手チームが彼の$48.8Mのサラリーにマッチすることです。現状バトラーの1ドル札に対し、1ドル札を得る事は難しく、そうなると、ヒートは10セントや25セントの選手を何人も受け取らなければいけません。

実際、ヒートは他チームからのオファーを受け取っているのですが、スタインは、「今のところ、多くのチームが、ジミー・バトラーをどの程度安く買えるかをテストしているように思われる」とレポートしていて、おそらく今実際にヒートが受けているオファーは1ドル札に対して数枚のコインになっていると思われます。まだデッドラインまで時間があるので、今は安いオファーで様子見されても仕方ありません。

ESPNのウィンドホーストもしばらく前に、他チームがヒートにオファーしているのは小さなものだとレポートしてました。ヘインズもリーグ中の人たちと話していますが、バトラーのトレードはほど遠いとレポートしてます。マイアミ・ヘラルド紙も同様に「市場は低調で、ヒートの興味を特に引くようなオファーを提示するチームは現れていない」とレポートしている状況です。

しかし、ヒートに1ドル札を出せて、尚且つ1ドル札を出すつもりがあるチームがあるようなのです。それはフェニックス・サンズです。

サンズはバトラーのサラリーマッチでブラッドリー・ビールを出してトレードを成立させられます。この辺りのサラリーマッチの詳細に興味がある方はこちらを参照にしてください。

スタインは、1月はじめにサンズは「バトラーをトレードする最も関心があるチームとして広く認識されている」とレポートしていましたが、その1週間後には、「サンズは、ジミー・バトラーのトレードを『望んでいる』とされ、あるリーグ関係者はサンズが『彼をどうしても欲しがっている』とまで言っている」とレポートしています。

また、ESPNのケンドリック・パーキンスは、「私のソースによると...サンズはジミーに2年間、$121Mの延長契約を用意しているらしい。ケビン・デュラントはジミー・バトラーを望んでいて、もし彼がジミーを手に入れたら...二人とも契約延長にサインすることになるだろう」とレポートしていました。

スタインも同様に、サンズのオーナーのマット・イシュビアは、「35歳のバトラーに対して、高額な新契約を結ぶ意欲があると信じられている」とレポート。

サンズなら、契約延長はあるし、ケヴィン・デュラントやデヴィン・ブッカーともプレーできるので、バトラーも願ったり叶ったりだと思います。
ただ、このトレードには障害がいくつかあります。

まず、ブラッドリー・ビールにはノー・トレード条項(以下NTC)があり、ビールがトレードを承認しない限りトレードできません。

ブラッドリー・ビールのエージェントであるマーク・バーテルスタインは、1月8日の時点でビールのNTCを取り下げるような話はサンズとも他のチームともしていないと明言していました。バーテルスタインは1月15日にもThe Athleticのサム・エイミックに、ビールにまつわるサンズとヒートとのトレードは「近いもの」ではないと話していました。

それに、ヒートはビールのNTCと残りの$110M以上の契約(2025-26: $53.6M、2026-27: $57.1M PO)を受け取りたがっていないそうです。それなら、たくさんの指名権をつける手もありますが、ワシントン・ポストのベン・ゴリバーによれば、ヒートはブラッドリー・ビールと2031年のドラフト1巡目指名権を含むオファーを特に魅力的だと考えていないそうで、サンズもそれを「十分に認識している」とレポートしています。

そのため、このトレードを成立させるためには、ビールのNTCと残りの大きなサラリーを受け取ってくれる3つ目のチームを探してこなければいけません。しかもそのチームはビールが了承するチームのみです。

アリゾナ・スポーツのギャンボによると、ビールがNTCを放棄するチームはロスのチーム、ヒート、デンバーだという噂を聞いたそうです。

ビールは現在、調子がなかなかあがらないチーム状態もあり、スターターを外されてベンチに下げられたりしています。また、ビールはサンズのコーチング・スタッフからジュルー・ホリデーのようになるべきなどと言われているらしく、自分らしいプレーができていないように見えます。ジミー・バトラーを欲しているサンズが彼をベンチスタートにしたのも、ビールの不満を募らせてNTCを取り下げるように仕向けているのではないかとの意見も出ています。

ただ、ビールも状況を良く理解していて、すべての決定権は自分にあると話していて、自分は自分がやることに集中しているようです。

ヒートの2026プラン

ヒートはバトラーのトレードではビールに限らず、長期的なサラリーを受け取りたくない理由があるようです。

スタインによると、ヒートは2026年の夏にビッグネームを狙うためにキャップスペースを空けておきたいとの事です。現時点でヒートの2026年のサラリーキャップは5人で$106M程度になっており、キャップスペースは$63Mになります。このシーズンの10年選手のマックスは$59.5Mなので、フリーエージェンシーでマックス選手をひとり獲得できるようになります。

この年のフリーエージェントは今のところ、3回目の大型契約になるであろうプライムのSGA、ルカ・ドンチッチ(PO)、トレ・ヤング(PO)、ディアーロン・フォックス、ザック・ラヴィーン、JJJらがいて(八村塁もFAになります)、古株では、レブロン・ジェームズ、ケヴィン・デュラント、デミアン・リラード、カイリー・アーヴィン、ジェームズ・ハーデンらがいます。これらの選手のほとんどが契約延長を選ぶと思いますが、まだチャンスはあります。

もしヒートがビールのような選手を受け取るには、かなり大量の良アセットを得られる場合に限るのではないでしょうか。

また、ヘインズによると、ヒートにオファーをしたチームの中にグリズリーズがあるらしいですが、バトラー側からトレードしないようにとの要請が入ったとの事です。シャムズは、グリズリーズのパッケージにはマーカス・スマートやブランドン・クラークが入るだろうと予想していました。

Yahoo Sportsのケヴィン・オコナーはバックスもバトラーのトレードを控えるように伝えられたそうです。ただ、セカンドエプロン超えのバックスがバトラーのサラリーマッチをするためにはヤニス・アデトクンボかデミアン・リラードを出すしかないので、そもそも現実的ではなかったでしょう。

ただ、このトレードでセカンドエプロンから抜け出せれるのであれば、バックスは選手のサラリーをまとめてトレードに出せるようになるので、ギャンボは「クリス・ミドルトン、ボビー・ポーティス、パット・コンノートンを合わせると合計$53.6Mになる。バトラーとミルウォーキーにとっての魔法の数字は、セカンド・アプロンを下回るために$55.3Mだ。マージョン・ボーチャンプを放出に加えると、バトラーがミルウォーキーに移籍できるシナリオが生まれる」と説明していました。この場合、ヒートも出すサラリーよりも大きなサラリーを受け取れないので、3つ目のチームが必要になります。

しかし、エイミックはバックスは「レポートされている事とは裏腹に、バトラー側からはそこでプレーしたくないと伝えられていない」とレポートしています。まだバックスの可能性も残っているようです。

バトラーは来年フリーエージェントになれるため、チームからすれば、せっかく高い料金を払ってバトラーを獲得したとしても数ヶ月のレンタルになる可能性が高く、未来のアセットや勝利に貢献している選手を無駄にしかねません。バトラーを獲得して優勝を狙いたいチームとしてはそれは避けたいところでしょう。

ESPNのボビー・マークスは、バトラーがフリーエージェントになったとしても、来年キャップスペースがあるチームには限りがあり(詳しくは次のBで説明します)、そのようなチームはバトラーのような年齢がいっている選手と大型契約を結ばないので、バトラーは結局トレードされたチームとバードライトを使って再契約するしかないのではないかと話していました。これはハイリスク・ハイリターンですが、一理あります。

このように、このトレードが成立するためには、「バトラーが行きたいチーム」と「ヒートが納得するリターンを得る」ふたつが最低条件なので、そのハードルはかなり高くなっています。どちらかが折れるしかなさそうなのですが、どうなるのでしょうか。ESPNによると、現在ヒートはバトラーのトレードを急いでいないようで、「ビジネス」に徹しているようです。

もしヒートがトレード先を見つけられなければ、両者はプランBに移行することになります。

B:夏に$52Mのプレーヤー・オプションをオプトアウトしてFAになりヒートを去る

現時点で来シーズン$30M以上のキャップスペースが空けられると言われているチームです。

  1. ネッツ:$91.8M

  2. ウィザーズ:$40M

  3. ペリカンズ:$33.8M

  4. ホーネッツ:$30.4M

来シーズンの10年以上の選手のマックスは$54Mなので、バトラーがマックスを狙うならネッツ一択になります。しかし、スタインによると、「ネッツがフリーエージェントのジミー・バトラーを獲得する計画はないと再確認した」とレポートしており、実際に再建中のネッツが36歳になるバトラーをマックスで契約するとは思えません。

しかも、これらのキャップチームはプレーオフチームではありません。そんな中、わずかなキャップスペースを巡って同じくフリーエージェントになるブランドン・イングラム、ジュリアス・ランドル(PO)、カイリー・アーヴィン(PO)らと奪い合わなければいけないのです。選手同士で限りある資源を奪い合う構図は次に説明するサイン&トレードでも同じです。

C:夏にサイン&トレードする

これならキャップスペースがないチームでもバトラーとの契約が可能になります。ただし、ファーストエプロンとセカンドエプロンのチームはサイン&トレードで選手を獲得できないため除外されます。

ここでのポイントもトレードの時と同じで、ヒートへのリターンが何になるのかが重要です。ヒートが納得するリターンを得られなければ、ヒートがサイン&トレードを了承する理由はありません。見返りもなくバトラーが出て行ってしまいますが、ヒートの狙いが2026年にあるとすれば、それも問題ありません。

そうなるとバトラーの選択肢は一気に狭まり、ペリカンズのような中級クラスのキャップスペースがあるチームと契約するか、ヒートと再契約/オプトインするしか道はなくなります。これがヒートの対バトラーのレバレッジでもあります。ただ、バトラーも来年になれば3年しか契約できないので、3年$100Mだったら検討するかもしれません。これは$52Mをオプトインした後に2026年にFAになって、どのチームとどれだけ稼げるかのシュミレーションにかかっています。

バトラーのサラリー総額を比較してみると:

  • 現在の契約を全うした場合:$101.2M(今シーズン+来シーズン)

  • ヒートと契約延長:$112.6M(今シーズン+来シーズン)

  • トレードされて契約延長:$110.9M(今シーズン+来シーズン)

  • サイン&トレード:3年$175.7M

  • フリーエージェント:4年$243.8M

こう見ると、ケンドリック・パーキンスの契約延長で2年$121Mという計算が間違っているのがわかります。

楽観的見方ですが、うまくいけば、トレードされて契約延長した後に$35Mの2年契約などで$190Mくらいいけるようになるのではないでしょうか。

D:夏にフリーエージェントとしてヒートと再契約をする

ヒートは2026年のキャップスペースの自由度を確保するためにバトラーとは再契約しないと言われています。プレーオフでかなり勝ち進まない限り、この選択肢はないでしょう。

E:$52Mのプレーヤー・オプションをオプトインして来シーズンもヒートに残る

これはちょっとサスペンス映画を観ている時のようなドキドキ感がありますが、十分にあり得ます。

夏にバトラーが自分の市場価値を理解して、これが最終的にいちばん稼げるようになるという計算が働くのであれば、$52Mをオプトインして、次のトレード・デッドラインとその次のフリーエージェンシーに賭ける手もあります。

こうして見ると、Aのトレードがどうなるか次第で今後の展開が見えてきそうです。もしトレードがなかったとしても、交渉成立直前まで行けば、オフシーズンにそのチームとのサイン&トレードの可能性も大きくなるでしょうし、バトラーを欲しがるチームがなければ、今後彼もオプトインしてヒートに残る可能性もあります。全てはマーケット次第でしょうか。まずは2/6まで様子を見守りましょう。

せっかくなので、最後に私がSpotracのトレードマシーンのアプリで遊んでみた結果を発表したいと思います。なかなか楽しかったので、みなさんもトレード・デッドラインまでに遊んでみてはいかがでしょうか。


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