
カイリー・アーヴィンのケガとマーヴェリックスの今後について/崖っぷちのサンズ2等
カイリー・アーヴィン其の壱
カイリー・アーヴィンが昨日のキングス戦でACL損傷をしてしまい、残りシーズン欠場となってしまいました。復帰のタイムラインは発表されていませんが、NBA選手のACLからの平均復帰日数は「372.5日」とも、「通常は9ヶ月~12ヶ月かかる」とも言われており、アーヴィンは少なくても9ヶ月は欠場する事になりそうです。そうなるとアーヴィンの復帰はオールスター休暇後のシーズン後半が現実的でしょうか。GMのニコ・ハリソンは次の数年間が優勝を狙える期間だと言っていましたが、それも危うくなってきました。
危ういのは優勝だけではありません。すでにルカ・ドンチッチとのトレードで得たアンソニー・デイヴィスは内転筋肉離れのため離脱してり、復帰までまだ時間がかかりそうです。プレーイン・トーナメント進出さえ厳しい状況です。
しかし、逆境を乗り越えようにも、プレーオフ進出への戦いに支障がでるほど負傷者が多い状態です。現在の負傷者リストには、アーヴィンとデイヴィスの他に、センターであるダニエル・ギャフォード(グレード3のMCL捻挫)とデリック・ライヴリー(右足首疲労骨折)、PJ・ワシントン(右足首捻挫)とジェイデン・ハーディー(右足首捻挫)、ケイレブ・マーティン(腰のケガ)が入っています。健康な選手は7人しか残されていません。
ロスターにひとり枠が空いているのですが、補強しようにもファーストエプロンのハードキャップで$$51,148しか使えません。そのため、アーヴィンのDPEどころか、$119,972になる10デイ契約の選手ですら呼べない厳しい状況になっています。
2way選手はどうかと言うと、すでに3枠が埋まっています。2way選手は50試合にアクティブ登録できますが、ケスラー・エドワーズは41試合でアクティブになっていて、マヴスの残り試合が20試合ある中、あと9試合しか出場できません。ブランドン・ウィリアムズは残り11試合しか出場できず、昨日契約したカイ・ジョーンズは12試合アクティブ登録できたため、昨日2残りは11試合になります。
試合にはベンチに8人選手を入れなければいけないので、この辺りの選手のやりくりも追っていきたいと思います。
次の2週間4人がケガで欠場になれば、キャップにカウントされない10デイ契約ができるようになります。ギャフォード、ライヴリー、マーティンは確実にその4人に入るとして、デイヴィスもそこに加わるかも注目です。
ESPNのシャムズは、「アンソニー・デイヴィスはマーヴェリックスでの初戦から欠場している。彼と彼のエージェントたちはこれから集まって話し合うことになると思う。かなり厳しい話し合いになるだろう。今シーズン、彼のプレーが観れたのはあの1試合だけになる可能性もゼロではない」とレポートしていました。つまりはドラフトのロッタリー入りを目指してタンクするという選択肢を話し合うという意味合いでしょう。
プレーオフに進出できても優勝は望めない上、元々マヴスの来シーズンはすでに12人(アーヴィン込み)で$188Mとタックスを超えていて厳しいキャップ状況にあります。これにルーキーとミニマム選手をひとり入れたらファーストエプロンぎりぎりになるでしょう。マヴスにとって、FAと短期契約するよりも、安くてポテンシャルがあるルーキーを獲得した方がアセット的にもキャップマネジメント的にも得るものが大きいはずです。
そんなキャップ状況で、アーヴィンの代わりになれるスターターレベルのボールハンドラーの獲得がマストです。そのためには誰かをトレードしなければなりません。TPEはあるにはあるのですが(マキシ・クリーバーでつくった$11Mとティム・ハーダウェイでつくった$9M)、それを使うと、ファーストエプロンのハードキャップに引っかかってしまうため、使えないでしょう。
まだまだマーヴェリックスのチームづくりは終わらなそうです。
カイリー・アーヴィン其の弐
ESPNのシャムズが、カイリー・アーヴィンが球団とトレードされたルカ・ドンチッチの間を取り持っていた事があったとレポートしました。
ルカ・ドンチッチとマーヴェリックスとの関係は悪化していた。多くの面で、カイリー・アーヴィンがその橋渡しをしていた。フロントオフィスはルカとのコミュニケーションのためにカイリーに頼ることさえしていた。だから、関係がこじれたので、彼らはルカをトレードした。
アーヴィンがリーダーシップを発揮していた事が示唆されています。そんなアーヴィンもリハビリのため、長期離脱になります。レイカーズではレブロン・ジェームズを支えていましたが、今度はデイヴィスの番です。デイヴィスがジェームズから学んだリーダーシップを見せてくれる事に期待しましょう。
ルカ・ドンチッチ、レイカーズに残留か
ESPNのシャムズはルカ・ドンチッチのレイカーズ残留にも触れました。
過去72時間の間にルカ・ドンチッチに近い人たちと話をするために、私は日曜日のレイカーズ対クリッパーズの試合にいた。ルカはダラスを離れるつもりはまったくなかった。彼はそこで新しい家を買ったばかりだった。とても高額な家だ。彼はどこにも行きたくなかった。海外出身の選手はとてもコミットして忠誠心が強い傾向にある。ルカがマーヴェリックスとの関係を、「ひとつのチーム、ひとつの街で永遠に」と見ていた。
そして今、彼はレイカーズにいる。私は彼はロサンゼルスでの時間を楽しんでいると思う。レイカーズというブランドはスターをスターとして扱うことを思えば、それはハリウッドだ。スター選手がさらに大きな存在になる。それこそが、ルカ・ドンチッチで見られることだ
ドンチッチはトレードされてレイカーズに来たために、レイカーズにコミットしないのではないかと不安視する見方もありましたが、この様子だと、コービー、レブロンと続くレイカーズのレガシーにルカも加わりそうです。
崖っぷちのサンズ2
昨日のデイリーレポートで、ケヴィン・デュラントが試合中にヘッドコーチのマイク・ブーデンホルザーに叫んだことをお伝えしましたが、今日はこんな事が起きています。
Tensions are high between KD and Coach Bud 😳
— Ball Don’t Lie (@Balldontlie) March 5, 2025
(via @BleacherReport)
pic.twitter.com/CXqvLJbH52
ケヴィン・デュラントが今夜のブーデンホルザーとの件について:
「それは、関係のダイナミクスを知らない時によく起こることだ。テレビで何かを観て、引用して、それをまるで私とバドがそんなShitをいつもしていないかのような話としてプッシュする。私たちは、物事を正しくやりたがっている人間で、競争心が強いんだ…私と彼が一緒に解決策を見つけて、ベンチで笑い合いながら、お互いの胸を叩いたり、強くハイタッチしたりしている場面をスローモーションで映してほしい。それをインスタグラムやツイッターに投稿して、『Wow、これがリーダーシップだ』って言ってほしい」
"That's what usually happens when you don't know the dynamics of a relationship. You catch something on Tav, get a quote and now you pushing that narrative as if me and Bud don't do that shit all the time. We're competitive as two individuals who want to see things done the right… pic.twitter.com/RH44ikUksE
— Duane Rankin (@DuaneRankin) March 5, 2025
ブーデンホルザーの見解:
「彼と私は昔からの友人みたいなもので、私たちはいつもお互いをつかみ合ったり、話したりしている。今夜の彼のエネルギーと声は素晴らしかった」
「彼と私は昔からの友人みたいなもので、私たちはいつもお互いをつかみ合ったり、話したりしている。今夜の彼のエネルギーと声は素晴らしかった」 https://t.co/x2eIOXrATF
— NBAレポーター (@NBA_Reporterjp) March 5, 2025
とは言え、普通のヘッドコーチと選手の関係ではないように見えます。デヴィン・ブッカーもブーデンホルザーに発言を控えめにするように伝えられてショックを受けたとレポートされていて、ヘッドコーチとスター選手との間に溝がありそうです。
スター選手たちのバイインを得るというのが、ヘッドコーチのいちばん大切な仕事のひとつです。サンズは3年で3人のコーチを変える事になるのでしょうか?今後のサンズのプレーイン争いを含む動向が、夏の大きな動きに繋がるかもしれません。注意深く見守って行きたいと思います。