NBAデイリーレポート(11/13, THU)
波乱続出のNBA杯
今日のデイリーレポートは、波乱ではじまったNBA杯の話題やスパーズのヘッドコーチであるグレッグ・ポポヴィッチの病気等について取り上げます。
・NBA杯のヒート対ピストンズ戦
・NBA杯のセルティクス対ホークス戦
・グレッグ・ポポヴィッチの脳卒中とインテリムのミッチ・ジョンソン
・ステフ・カリーが試合前にクレイからバックれられていた!?
まずはヒート対ピストンズです。
大波乱のヒート対ピストンズ
ピストンズが試合残り1:47で9点リードをしていた時の勝利の確率はなんと99.8%だった(inpredictableによる)そうです。
ヒートはタイラー・ヒーローの怒涛の連続スリーで試合をオーバータイムに持ち込みましたが、最終的に123対121で負けてしまいます。
悲劇はOTの残り1.1秒で起こりました。残り1.1秒でジェイレン・ダーレンのダンクで同点にされた時、ヒートのヘッドコーチであるエリック・スポールストラが、なんともう無くなっているタイムアウトをコールしてしまってテクニカルを取られてしまったのです。
これでピストンズはフリースローを得て試合を決めます。もしスポールストラの痛恨のミスがなければ、少なくてもセカンドOTになって試合はまだどうなるかわからなかったでしょう。私もこのようなタイムアウトのミスは実際に見た事がありません。
確率的な話で言うと、ヒートはこの試合で99.8%の確率をひっくり返して大逆転勝利目前のところまで来ましたが、ほぼ100%起きないようなミスで負けてしまった事になります。このようなあり得ない事が2度起こる確率は、単純計算すれば0.002%になり、まさに大波乱の1戦といってもいいでしょう。
その痛恨のミスをしてしまった後のスポさんです。映像で見るよりも、彼の表情が状況を良く表していると思います。
試合後、スポさんは「私は深刻なメンタルエラーを起こしてしまった。私の責任だ。それについてひどいと思っている。あれに言い訳なんてない。私は17年やっている。ハドルでもタイムアウトはないとわかっていたが、ハドルでは感情的になってしまった。私はものすごくひどいミスをした」と話していました。
そして大波乱があった試合はこれだけではありません。
大番狂わせのセルティクス対ホークス
ホークスがNBA杯優勝候補の一角であるセルティクスを117対116で破りました。
この試合ではセルティクスの勝利の確率は95%以上でした。
Action Networkの統計モデルによると、ホークスはセルティクス戦でトレ・ヤングの欠場により16.5ポイントのアンダードッグでした。TEAM RANKINGSによると、2003年から16ポイント以上のアンダードッグの成績は8勝169敗だそうで、その勝率は4.7%になります。
この勝利でホークスは1995年からの大番狂わせランキングで6番目タイにランクインしました。最大の大番狂わせは2023年4月にブレイザーズがウルブスに勝った試合で、その時のアンダードック・ポイントは19.5ポイントだったそうです。きっとホークスに賭けた人は大儲けをしたと思います。
そのホークスで大活躍を見せているのが、今シーズンからデジョンテ・マレーのトレードで加入したダイソン・ダニエルズです。ダニエルズはこの10試合でスチールが36。10試合のスパンでのスチール数は2003年のアレン・アイヴァーソン以来最多だそうです。
スパーズのグレッグ・ポポヴィッチの病気は軽い脳卒中だった
スパーズが、ヘッドコーチのグレッグ・ポポヴィッチの病気は軽い脳卒中だと発表しました。11/2のホームでのウルブス戦前に脳卒中を患ったそうです。ポップはすでにリハビリを始めているとの事。
軽い脳卒中を生成AIに聞いてみると…
年齢も75歳と高齢なだけに、心配ですね。なにしろ75歳でヘッドコーチをしているというのは前例がありません。過去の最年長はグリズリーズをコーチしていたヒュービー・ブラウンの71歳です。来シーズンもヘッドコーチをすればヘッドコーチ歴連続30年という金字塔を打ち立てられますが、健康のためにもプレジデント職に専念してはどうかとも思います。
ポップが復帰するまでは、37歳のミッチ・ジョンソンがインテリムを続けるそうです。ヘッドコーチ経験があるブレット・ブラウンもいますが、ジョンソンが#1アシスタントなので、インテリムに入ったようです。
そのジョンソンですが、インテリムで良くやっているようです。The Athleticのケリー・イコによると、彼はタイムアウト中にまずは自分よりも経験のあるブラウンやマット・ニールセンの考えを聞き、選手たちとのコミュニケーションもうまく、戦術に関しても「天才」と認められていて、選手たちに相手がやっていることをリアルタイムで知らせているそうです。
ジョンソンは若いチームにスペースを最大限に活かして攻守ともにシンプルなプレーをするようにコーチしているそうで、スリーを撃つ本数を増やし、ターンオーバーを抑えるモダンなスタイルを導入しているようです。また、選手の育成にも定評があり、現在セルティクスで活躍している金メダリストのデリック・ホワイトの育成にも大きく貢献していたそうです。
ステフ・カリーはクレイからバックれられていた!?
はじめてクレイがマーヴェリックとしてチェイスセンターに戻ってきた一戦で、ステフ・カリーがアツくなっていましたが、どうやらそれはステフはクレイに怒っていたためのようです。ドレイモンド・グリーンがポッドキャストで明かしました。
「昨夜の試合に来る前、ステフは怒っていた…ステフは試合前に(クレイについて)スピーチをするはずだった。彼は『私はレイモンド(VP of Communications)に電話して話さないと伝えた。ただ試合に集中する必要がある。だから私は話さない。クレイにもそれについて話をした』と言った。そしてステフはクレイに他のことで連絡をしたが、クレイはそれを無視(既読スルー?)したんだ。だから彼は怒っていた」
ステフは試合後にスピーチをしなかった事について「それはどちらかというとファンたちが彼を受け入れる事だった。私はそれを煽るために何か言う必要はなかったと思う…それは私についての事ではないのは明らかで、それは彼がベイエリアにとって何を意味するかについてだった」と話していましたが、どうやら違ったようです。
また、ステフはスリーで試合を決めて「ナイナイ」を炸裂させた後、ユニフォームのゴールデンステートを指しながらクレイについて「お前はここに残った方がいい、ここにいた方がいい!Yeah!!」とカメラに向かって叫んでいました。
試合後もドレイモンドとクレイの事について「ここに残れ!」「もちろんいつでもだ(躊躇しないニュアンス)」と言い合っていたので、クレイがウォリアーズを間違っていたと証明したがっていた(シャムズ情報)のと同じように、ステフも出て行ってしまったクレイを見返してやりたかったのかもしれません。