NBAデイリーレポート(11/21, THU)
今日のデイリーレポートのメニューです。
NBAのニックス調査の噂
ケヴィン・デュラントの契約延長
レブロン・ジェームズがしばらくSNSを離れると投稿
NBA杯のセルティクス対キャヴァリアーズ
NBA杯のスケジュール変更議論
シクサーズのチームミーティングの内容をリークしたのはニック・ナースなのか!?「The elephant in the room」
NBAがニックスの調査を開始
NBAがニックスの調査をはじめているとの噂があるそうです。
何の調査かというと、ニックスは今年の夏にアシスタントコーチのジョニー・ブライアントがキャヴァリアーズに移った後にリック・ブランソンをブライアントの空きに昇進させましたが、それとリックの息子のジェイレン・ブランソンの$100M以上のペイカットの関連についてだそうです。
これに対し、ニックスを所有するMSGスポーツがブランソンを侮辱していると声明を出しました。
ニックスのオーナーのジェームズ・ドーランは、これまでもNBAコミッショナーのアダム・シルヴァーを「リベニュー・シェアリング(売上分配)」や「ラプターズとの訴訟問題に関してのNBAの立場」について批判をしてきています。このNBAのブランソン一家にまつわる調査についても、ニックスへの嫌がらせの一環だと主張しているようです。
このようなNBA調査の場合、通常チームは「調査に協力していく」などの声明を出すものですが、ドーランはニックスからではなくMSGスポーツを通して不満の声をあげています。このことからもドーランは個人的にNBAを敵対視していることが伺えます。コミッショナーのアダム・シルヴァーをMSG出禁にしないことを願うばかりです。
その内容ですが、ニックスの言っている事も一理あります。リック・ブランソンはニックスのヘッドコーチであるトム・ティボドーのアシスタントとして長い間働いてきていて、ティボドーがブルズやウルブスのヘッドコーチだった時もアシスタントになっていて、アシスタント経験は14年と豊富です(ちなみにウルブスでは、ふたりの女性に対してのセクハラ疑惑があがり、否定はしてましたが辞任しています)。そのため、CAAファミリーの贔屓を加味しても、昇進自体は問題ないと思います。
ただ、ニックスはフリーエージェンシーでジェイレン・ブランソンとタンパリングしていたのがバレてしまって、NBAから2025年の2巡目指名権を没収されています。NBAがニックスとそのCAAサークル ー この場合はブランソン家との裏取引 ー のやり方をを疑うのも理解できます。
おそらく証拠はあがらないため、この話も噂で終わると思われます。
ケヴィン・デュラントの契約延長
フェニックス・サンズのオーナーであるマット・イシュビアが来年の夏にケヴィン・デュラントと再契約をするとESPNに明かしました。
イシュビア:「デュラントはフェニックスにいる事を気に入っているし、私たちも彼がここにいてくれているのを気に入っている。彼の今シーズンのスタートは素晴らしく、MVP候補のひとりで、私たちもとても良いスタートを切っている。私たちはケヴィンが契約延長を結び、長期的にここにいてくれると期待している。私たちは彼がここフェニックスでキャリアを終えることを望んでいる」
「NBAのルール上、昨年の夏に2年契約の延長を結ぶことはできなかった。だからシーズン終了後に話し合って、その件を解決するつもりだ。ケヴィンはここにいたいと思っているし、私たちも彼にいてほしがっている。何か違うことについての不満の声は一度も出たことがない」
NBAのオーバー38歳ルールのため、デュラントが夏にできた契約延長の内容は1年$59.7Mに限定されていました。来年の夏になれば、彼は2027-28シーズンまでの2年$120Mのマックス契約延長にサインできるようになります。デュラントも今36歳です。今年自分が大きなケガをしない事に賭けるのであれば、2年契約の方が2倍も魅力的です。おそらく大きなケガをせずにシーズンを乗り越えられると考えているのでしょう。
レブロン・ジェームズがしばらくSNSをやめると投稿
レブロン・ジェームズがXでしばらくSNSをやめると投稿しました。
その投稿の前に引用していたのが、ケヴィン・デュラントのマネージャーでビジネスパートナーでもあるリッチ・クレイマンの10/24のツィートです。
セルティクス対ギャヴァリアーズ
昨日のNBA杯のセルティクスとキャヴァリアーズとのイースト優勝候補同士の対決は、セルツが120-117で勝利し、キャブスの開幕15連勝を止めました。その対戦は両チームともかなり気合が入っていたようで、両チームともローテーションを8人に絞ってきました。もちろんキャブスはレヴァートやオコロのような主要なベンチ選手がいなかったため、現王者に対して16連勝とNBA杯がかかった試合で実際にプレーできる選手が少ないという事情もあったと思います。
ただ、開幕からの20試合で両チームともローテーションが8人という試合は滅多になく、最後にあったのは2021年の1月のペイサーズ対ロケッツ戦でした。なんとその前は2009年のナゲッツ対ニックス戦まで遡らなければいけません。ケガやコロナなどの病気があったとはいえ、両チームが8人の選手だけしかプレーしないのはかなり珍しい試合内容だったと言えるでしょう。
NBA杯の開催日程が変わるかも!?
そんなNBA杯ですが、NBAとAmazonがNBA杯のスケジュールを動かすことを検討しているそうです。Amazonのスポーツ・プログラムのトップであるジェフ・カイザーがSBJメディア・カンファレンスで、NBA杯をNFLのシーズンが終わった後まで動かすことをNBAと活発に議論をしていると明かしました。NBAメディア権を取得したAmazonは、来年からNBA杯の準々決勝、準決勝、決勝をストリーミングすることになっています。
NBAに年間$1.8Bを払うAmazonの気持ちもすごくわかります。しかし、NBAのスケジュール的には、NFLが終わる2月前半の後はオールスターがあり、その後はすぐにプレーオフ争いがはじまります。ファンとしてはあまり重要な試合がないクリスマス前にやるのが全体的なバランスが良くなると思いますが、どうなるのでしょうか。
シクサーズのチームミーティングの内容をリークしたのはニック・ナースなのか!?
昨日特集を組んでお伝えしたシクサーズのミーティング内容 ー 特にタイリース・マクシィがジョエル・エンビードに遅刻しないように伝えた事 ー のリークは、実はヘッドコーチのニック・ナースなのではないかと囁かれています。
その理由はリークしたソースが使っていたある言葉がナースとリンクするからです。その言葉とは…
「エレファント」
ESPNのシャムズは、「ミーティングに関わったある人物はESPNに、”タイリースはビッグフェラ(エンビードのこと)を愛している。でも、これは部屋にいる象なんだ”」とレポートしてました。
「部屋にいる象」は英語の「 the elephant in the room」の直訳で、実際には「誰もが気づいているのに、あえて触れたがらない大きな問題」という意味を持ち、部屋に大きな象がいるのに、みんな気づかないフリをしているといったニュアンスから、よく「見て見ぬふりする」とか「タブーになっている」などと訳されていると思います。
ナースはラプターズでのヘッドコーチ時代に、この「 the elephant in the room」という言葉をよく使っていて、コーチングのアプローチでも「エレファント」を使っていたことで知られています。
どのようにしてエレファントを使っていたかは、ナース本人が2018年のダニー・グリーン・ショーにゲスト出演した時に明かしています。
ナース:「どのチームでもそうだが、特にNBAでは、よく問題や課題が起きることに気づいたんだ。ここで言っているのは深刻な問題ではなく、小さな問題とかそういうレベルの話だ。でも、みんな分かっているんだ。もし私たちがそれについて話すと、あの選手の気を損ねるだろうとか、このコーチが気を悪くするだろうとか、そういうのがある。だから、みんなはただそれを飲み込んで、誰もその話を持ち出さずに済むように祈りつつ、練習場(施設)を出ることになる。そして、それは私たちが問題によく向き合うことができなくさせるんだ。だから、私がチームに言ったことのひとつが『エレファントにハイと言おう』ということだった。プレシーズンのミーティングで小さなイラストを出したんだ。『エレファントにハイと言おう』ってね」
「私のオフィスには小さなエレファントがいる。もし何か問題があって話したいことがあって私のオフィスに入って来て、そのエレファントを掴んで私の机に置いてくれれば、私は『ああ、何か話したいことがあるんだな』ってわかるんだ。それは、真剣な問題を軽い感じで取り上げる方法で、その問題に面と向かいながら前に進むための方法なんだ」
ナースはトロントからそのおもちゃのエレファントをフィラデルフィアに持って来ていて、2023年の10月には、「今ではエレファントが2匹いる」と話していました。
エレファント繋がりだけでナースに疑惑が向かっているのはかわいそうだと思いますが、ひとつ疑問があがってきます。
もしナースがシクサーズでもそれをやっているのであれば、なぜ選手たちはエンビードの遅刻についてナースに相談していなかったのでしょうか?
考えられるケースは、選手たちは実は遅刻はそれほどの問題ではないと捉えていたか、もしくは、相談はしていたが、エンビードがナースの注意を聞かなかったのかもしれません。エンビードはリーグに入った時にコーチたちの指示を聞かなかったことで知られており、後者の方が可能性としては高そうですが、今は心を入れ替えてコーチたちの言うことはしっかり聞いているかもしれません。その辺りは憶測の域を出ないので、今後のエンビードの行動で見ていくしかないと思います。
どちらにせよ、マクシィの声はエンビードに届いたようで、メディアに、「私はより良くなる必要がある。私は完璧である必要がある。それが私がやることだ」と言って、これからはチームリーダーに相応しい行動をしていく意思を示しています。リーカーが誰でその狙いがなんであろうと、その結果は良い方に向かっているようです。