NBAデイリーレポート(12/19, THU)
今日のデイリーレポートの内容です。
NBAカップのしわよせ
ヤニス・アデトクンボのあれこれ
ピストンズがポール・リードをウェイブして再びリードと契約!?
ジミー・バトラー続々報
グレッグ・ポポヴィッチ
NBAカップのしわよせ:スケジュール
NBAカップの過酷な戦いを生き残ったサンダーとバックスがラスベガスでNBA杯をかけて対戦し、バックスが第2回NBAカップを制しました。
しかし、カップトーナメントの裏ではNBA全体がクリスマス前の休暇状態になっていたため、これからスケジュールの揺り戻しがやってきます。そこで、その点について指摘されていることを紹介します。
オクラホマシティー・サンダー
サンダーは火曜にラスベガスでNBAカップの決勝を戦いましたが、木曜と金曜はベガスから2,000マイル以上離れた東海岸フロリダ州での2連戦が待ち構えています。
The Athleticのジョン・ホリンジャーは、「優勝してもオクラホマシティーでパレードを行う時間すらないない!」とジョークを言っていましたが、サンダーのヘッドコーチのマーク・デイグノールトにとっては深刻な問題であるようです。彼は、「私たちは今現在、基本的に6日の西海岸のロードトリップ中だ。私たちの次の試合は3つのタイムゾーンを超えて、4時間のフライトをかけたオーランドで行われ、マイアミ戦はバック・トゥー・バックだ。これをロードトリップとして見れば、前例がないロードトリップだ。NBAはそんなスケジュールは組まない。彼らは決して6日間の西海岸のロードトリップの後に、東へ行かせて2連戦を戦わせるようなことはしないだろう」と不満を述べていました。
また、その後のサンダーに関しては、ホリンジャー曰く、「良い点としては、12月23日にウィザーズとのスクリメージを行う前後にそれぞれ2日の休みがあり、合計5日間の休息が取れる点だ」だそうです。
ダラス・マーヴェリックス
本来であればNBAチームはレギュラーシーズンをホームとアウェイを公平に41試合づつ分けてプレーするのですが、NBAカップ準々決勝で破れたマヴスは現在アウェイの試合が42試合になってしまっています。
昨シーズンもニックスに同じ事があり、アウェーが42試合になってしまっていました。そこでNBAはニックスのアウェーを1試合減らすために、デトロイトでの試合をMSGに移す決定をしました。ピストンズは余計なアウェー試合を押し付けられた形になりますが、彼らが選ばれたのは、リーグ最下位でプレーインやプレーオフに影響を与えなかったためだと思われます。
NBAは今回も同じように、マヴスと同じカンファレンスの最下位チームのホーム試合をアウェーに変更するものとみられています。しかし、ジャズはすでにマヴスとの対戦を終えているため、1/16か1/30のペリカンズ戦をアメリカンエアライン・センターに移すことが現実的です。
ブレイザーズとの12/29の試合も候補ですが、マブスは西海岸のロードトリップ中&2連戦の2戦目なので、ホームで行って来いする方がはるかに大きな負担になってしまいます。そのため、タンクチームと言われているブレイザーズの線は消えます。
いずれにしろ、すべての候補日がトレードデッドライン前になっています。NBAにとって、特にペリカンズがトレードで巻き返してプレーインを目指すのか、それともシーズンを諦めのるか確信が持てない中でのむずしい判断になりそうです。
ヤニス・アデトクンボ
ヤニス・アデトクンボがNBAカップの決勝戦で26点、19リバウンド、10アシストのトリプルダブルの活躍をし、バックスをNBAカップ優勝へと導きました。自身もNBAカップMVPを受賞し、現在得点(平均32.7点)とPER31.8とMVPを受賞したシーズンを彷彿とさせるプレーを見せています。
そのヤニスが、今シーズンからエルボーでボールをもらうようになった事について話しました。
ヤニスは12/4のデイリーレポートでも紹介した新兵器のミドルレンジについては次のように話しています。
また、ヤニスはベガスに行ってもブラックジャックやルーレットはやらないそうです。
酒と言えば、バックスはNBAカップを優勝してもシャンパンシャワーやシャンパンを飲んで祝うことをしませんでした。The Athleticのサム・エイミックはその様子を記事の中で、「T-Mobileアリーナのその部屋には、NBAカップ優勝の祝賀が行われるはずだったため、本物のシャンパンが置かれていた。でも、ミルウォーキー・バックスがサンダーを圧倒的に打ち負かした(97-81)後、小さなモエ・エ・シャンドンの箱は手つかずのままだったし、ミケロブ・ウルトラで満たされたアイスチェストも、乾いたままのシミひとつないシーンの中でとても孤独そうだった」と書いていました。
NBAインサイダーのクリス・ヘインズは、その理由を、「ドック・リヴァースがダーヴィン・ハムと昨シーズンのレイカーズでの優勝経験について話し、残りのシーズンに集中するためにシャンパンをかけたり飲んだりしてカップ優勝を祝わない事にした」的なことをレポートしました。
昨シーズンのNBAカップ優勝のレイカーズは、その後13試合中10試合を落とし、準優勝のペイサーズは8試合中6試合を落としてました。その教訓からバックスとサンダーは優勝を祝わないことを内部で議論していたそうです。
モエシャンがどうだかはわかりませんが、ミケロブはNBAとグローバル公式ビール契約を結んでいるはずなので、NBAのスポンサー的には頭を抱える問題なのかもしれません。
ピストンズがポール・リードをウェイブして再契約!?
ピストンズがポール・リードをウェイブして再びリードと契約しました。ちょっと何言ってるかよくわからない文章になってしまいましたが、意味はこの文章の通りです。もっと詳しく書くと、「ピストンズがキャップルームを最大化するために、ポール・リードを一旦ウェイブした後にもっと安いサラリーでリードと再契約した」となります。これはキャップオタクが好きそうなネタなので、簡単に紹介します。
リードの$7.7Mの契約は1/10に保証されるはずでしたが、ピストンズはそれを回避したかったのか、リードをウェイブしました。しかし、これでピストンズのサラリーはフロアー(チームがサラリーに使わなくてはいけない最低金額の事。今年は$126.5M)に$1.4M足りない状態になり、結果としてその分の契約を他の選手と結ぶか、$19Mと予想されるタックス分配金を得る権利を放棄しなくてはいけなくなりました。$1.4Mを追加すれば$19Mがもらえるので、もちろんピストンズは前者を選びました。
この$1.4Mというのがここのキモです。今シーズンのミニマム契約は$1.86Mなのですが、キャップにカウントされるサラリーは日割り計算で出すため、このシーズンの1/4が終わった時点でのミニマム契約はおよそ$1.4Mになるのです。計ったかのようにピッタリ(端数は無視)です。というよりも、この日割りのタイミングを計ったのでしょう。
このような安いスポットを埋める時は通常チームのシステムに精通している2Way選手を格上げしてスタンダード契約を結ぶはずなのですが、ピストンズはGリーガーのジャヴォンテ・マコイと$1.41M契約しました。そのため、この時からキャップオタク界隈ではピストンズは再びリードと再契約するかもしれないと囁かれていました。
そして、オタクたちの読み通り、ウェイバーを通過したリードは$1.42Mミニマム契約で再びピストンになったのです。
これでピストンズのキャップルームは$14.01Mになりました。チームがシーズン中に持てる最大のキャップルームが$14.05Mなので、ギリギリです。これは単なるサラリー削減のためなのか、来たるデッドラインへの備えなのか、ピストンズの今後の動きにも注目です。
タックスではなく、フロアーを巡るキャップワークはなかなか見ないので、おもしろい話題だったなと思います。
ジミー・バトラー続続報
ESPNのシャムズがパット・マカフィーの番組に出演し、「私はジミー・バトラーの件に関する自分のレポートに1000%自信を持っている。これはおそらく私がこれまでに発表した中で最も精査されたストーリーであり、私はこのストーリーにそれほどの自信を持っている」と話しました。
(これまでの経緯はジミー・バトラーに関するデイリー・レポートを参照してください)
シャムズは続けます。「具体的な話はこうだ:ヒートはジミー・バトラーに対するトレードオファーを聞くことに前向きだということだ。これは先週、ソースから聞いた話で、現在もその状況は変わっていない。ただし、緊急性はない。彼は今年$49Mの契約を結んでいて、来年は$52Mのプレーヤーオプションがある。チームはそれほど心配していない……仮に彼がフリーエージェンシーに出たとしても、彼にその額を支払おうとするチームがどれだけあるかはっきりしない。キャップスペースを持つチームは数えるほどしかないからだ。だから、誰が彼にその額を支払うだろうか?ヒートは現状について自信を持っている」
また、シャムズはNBA Todayでも、「サンズとジミー・バトラーにはある程度の相互の関心があると考えられている。一方で、ウォリアーズはまだ『様子見』という状況にある。現在ジョナサン・クミンガをスターティング・ラインナップに入れていて、デニス・シュルーダーと共にこのチームがどんな形になるのかを探っているところだ」と話しています。
サンズとウォリアーズの名前があがってきたのは、おそらく両チームが優勝を狙ってるベテランチームのため、35歳のバトラーの移籍先としては若いチームよりも現実的だからなのでしょう。レバレッジがかけやすいとも言えます。
グレッグ・ポポヴィッチ
11/2に軽い脳卒中を患ってからリハビリを続けているグレッグ・ポポヴィッチが声明を出しました。
最後のあたりが実にポップらしいですね。でもその行間にポップの元気そうな姿が垣間みれます。
The Athleticのエイミックによると、ポップは復帰を計画しているそうです。