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NBAデイリーレポート(12/10, TUE)

今日のデイリーレポートのメニューです。

  • レイカーズとヒートの記事

  • クリス・ポールが通算アシスト数で歴代2位に

  • NBAとFIBAが新しいヨーロッパリーグについて「真剣な話し合い」


今日は、この10試合で3勝7敗のレイカーズと7勝3敗のヒートという対照的な2チームのアドバンス・スタッツを盛り込んだ記事を紹介します。

まずはレイカーズについて、The Athleticのザック・ハーパーの記事からです。

苦しんでいるレイカーズ

最初の10勝4敗と「次のライリー」発見と言われて以来、レイカーズは崩壊している。彼らの数字は全体的に唖然とするものだ。よりドラマチックでスポットライトがあたるように箇条書きで整理してみよう:

  • オフェンス: オフェンシブ・レーティングは105.9(27位) | トゥルーシューティングは55.6%(23位) | スリーは32.0%(27位) | フリースロー率は0.222(25位タイ)

  • ディフェンス: ディフェンシブ・レーティングは116.9(23位) | 許したeFG%は58.0%(29位) | 許したスリーは39.3%(29位) | フリースロー率0.187(1位)

  • ネット・レーティング: -11.1ポイント/100ポゼッション(27位)

  • レブロン・ジェームズ: 平均22.2得点、8.7アシスト、7.8リバウンド、4.8ターンオーバー | シューティング・スプリットは46.8/27.8/82.1 | オンコートで-18.3、オフコートで+3.4(100ポゼッション)

この中に悪い数字がたくさんあるが、最後の数字がもっとも衝撃的だ。
レブロンが2019年にレイカーズと契約して以来、彼らは彼がコートを離れる時に(特にオフェンスで)チームを維持することに大きな問題を抱えてきた。この10試合の間、レブロンがオンコートの時にレイカーズはまるでウィザーズのように見え、むしろ39歳の彼がベンチにいる時の方がポジティブな成績を出している。こんなことが起きるなんて思わなかったし、こんなに劇的な差が出るとも考えられなかった。レブロンのバスケットボール人生でどの10試合でも、こんなスプリットは見たことがない。それでも、ここ10試合のレイカーズとレブロンはそういう状況に置かれている。

ディフェンスはシーズンを通して悪かったが、今やレイカーズのオフェンスはそれを補うことができていない。シュートが入らず、彼らの強みだったフリースロー獲得も意外に減っている。この期間中、オフェンスでレイカーズより悪いのはブレイザーズ(105.8)、ペリカンズ(105.2)、そしてウィザーズ(100.2)だけだ。

レイカーズは3ポイントシュートが決まらず、この問題が依然としてチームの課題となっている。シーズン前にレディックが3ポイントのボリュームを最大化する重要性を語っていたが、これは昨シーズンのダーヴィン・ハムのオフェンスへの不満を思い起こさせる。

現在のレイカーズはスリーを決められないし、昨シーズンから見て大幅に増えているわけでもない。シュート数は増加していて、今シーズンはフィールドゴール試投数の38.5%が3ポイントからとなっている。昨シーズンの35.8%からは増えたが、NBA内での順位は28位から25位に上がっただけで、大きな変化ではない。

問題は、レイカーズがオフシーズンを重ねる中で、こうしたタイプの選手を獲得することを怠ってきたことだ。シューティング能力のある選手を探して6年経ち、ようやく1人(ダルトン・コネクト)見つけたのだ。これを喜ぶべきか?祝うべきか?この数年でロスターをほとんど変えなかったフロントオフィスをどれほど称賛すべきなのか分からない。

レディックはまだ良いコーチでも悪いコーチでもないと思う。彼の中には好ましい点も疑問を持つ点もあるが、コーチのどの決断よりもロスターの問題の方がより深刻だ。

オースティン・リーヴスと八村塁は手堅いロールプレイヤーだが、ロスターの中で3番手と4番手の選手なのか?そして、キャム・レディッシュやマックス・クリスティー、ゲイブ・ヴィンセントのような選手がポジティブな影響を与えることを期待している。こうしたことは、レブロンがレブロンであり続ける時には隠すことができる。だが、彼はついに「老い」という敵に少し押されているようだ。数年前から彼のディフェンスは良くなかったが、常にオフェンスでそこをカバーしてきた。レブロンが40歳の誕生日を3週間後に控えた今、彼らはおそらく初めて彼に完全に依存することができなくなった。それが、このロスターの弱点にスポットライトを当てる結果になっている。


そして、マイアミ・ヘラルドのAnthony Chiangのヒートの記事を紹介します。(*オリジナル記事全文に興味がある方はタイトルのリンクをクリックしてください)

ヒートは全てが正しい方向に向かっていると感じている

シーズンの大半でヒートのディフェンスは安定していて、NBAのトップ10に入るくらいの水準を保っている。ヒートは月曜日時点でシーズンのディフェンシブ・レーティングでNBA11位(100ポゼッションあたり111.5)だったが、直近の3連勝の間は少し改善され、100ポゼッションあたり110.1になっている。

しかし、最近のヒートにとって大きな違いを生んでいるのはオフェンスだ。この3試合でNBAトップの100ポゼッションあたり130点を記録している。さらに、ヒートはこの3試合でそれぞれ少なくとも121点を挙げていて、これはチーム史上最長タイ記録だ。

この3連勝前、ヒートはシーズン通算でNBA20位のオフェンシブ・レーティング(100ポゼッションあたり111.7)だった。しかし、この3連勝の間に順位を上げ、月曜日時点でNBA9位(100ポゼッションあたり114.1)になっている。ここ2シーズン連続でレギュラーシーズンのオフェンシブ・レーティングがNBA下位10チームに入っていたことを考えると、これは大きな進歩だ。

この最近の躍進の大きな要因は、ヒートの3ポイントの成功率とリムでのフィニッシュ率の向上だ。この3連勝の間、ヒートはスリーでリーグトップの45.7%を記録し、リムまわりでは70.9%を決めている。シーズン序盤の9勝10敗のスタート時には、スリーが37.1%、リムまわりが57.9%だったことを考えると、劇的な改善だ。

さらに、ヒートは今シーズン新しいスターティング・ラインアップ(タイラー・ヒーロー、ダンカン・ロビンソン、ジミー・バトラー、ヘイウッド・ハイスミス、バム・アデバヨ)で試合を始めた時、7勝2敗という成績を収めている。このユニットはスターティング。ラインアップとして起用されてから3週間で116分間プレーしていて、その間に相手を100ポゼッションあたり20.7ポイント上回っている。

ヒートの中心となるアデバヨ、バトラー、ヒーローの3人も、この3試合の間に素晴らしいプレーを見せている。3人合わせて平均65.3点を記録し、FG%は59.7%だ。この3試合で彼らが一緒にプレーした60分間の間、ヒートは相手を100ポゼッションあたり47.4ポイントも上回っている。この数字はとても印象的だ。この3連勝前は、アデバヨ、バトラー、ヒーローの平均得点は58.2点、FG%は46.2%だった。この間、彼らが一緒にプレーした282分間では、ヒートは100ポゼッションあたり3.1ポイント相手にリードされていた。

他の選手たちからの質の高い貢献もこの3試合の良い流れを助けている。ロビンソンは3ポイントを17本中10本(成功率58.8%)決め、ハイスミスはプラス/マイナス+63を記録。ロジアはスリーを10本中4本(成功率40%)成功させ、12リバウンド、7アシストでターンオーバーはわずか2回。さらに、ドリュー・スミスはこの3連勝の間に合計21得点、11リバウンド、6アシスト、3スティール、1ブロックを記録している。

ヒートは今シーズン序盤で、複数の二桁リードを失う経験をしている。シーズン開幕からわずか2週間で、すでに3度も二桁リードを無駄にしていた。しかし、ヒートは現在、攻守で高いレベルでプレーをした時にどんなチームになれるかを学びつつある。今週を迎えた時点で、ヒートはイースタン・カンファレンス5位で、4位のニックスや3位のマジックと1ゲーム差だ。今後の課題はこれを維持する事だ。

「チームには、意図したプレーをして、私たちのアイデンティティに沿ったことをする事で見えてくる可能性を感じてほしい」とスポールストラは言った。「それが常に完璧に見えるというわけではないが、それが自分たちを勝つためのベストポジションに置く方法なんだ。そして、そこから成長していきたい。ロッカールームの中ではこのチームの可能性が見えていると思う。これを続けていく必要がある」


クリス・ポール

クリス・ポールがキャリア12,099アシストを記録し、ジェイソン・キッドを抜いて最多アシスト数記録で2位になりました。

ポールは記録を達成した後にロッカールームで祝福された時、ポールはみんなに「感謝以外に何も言えない。本当に、私はむずかしい人間だと分かってる。誓うけど、とても感謝している。ファミリーと離れているので、みんなが私のファミリーになった。コートの上で私と(プレーするのは)とてもむずかしいとわかっている。でも、私はただフープすることを愛しているんだ。そして、みんなが私と同じくらい長くプレーするチャンスを得られることを願ってる。みんな、本当にありがとう」と目に涙を浮かべながら伝えました。

現在マーヴェリックスのヘッドコーチをしているキッドもポールを、「当然の結果だ。未来の殿堂入り選手にふさわしい功績だ。彼はオープンのチームメイトをお膳立てするゲームをたくさんしてきたし、素晴らしいチームメイトもいた。アシストにはパートナーが必要だからね。彼のこれまでの成績と達成に祝福を送りたい。でも彼はまだ終わっていない。ジョン・ストックトンに追いつけるかどうかは分からない。いや、誰もストックトンには追いつけないと思う。ストックトンの記録はとても圧倒的だからね。でも、クリスが2位につけるのは、ものすごいことだ」と祝福しました。

「アシストにはパートナーが必要だからね」と言うのはごもっともです。彼はこれまでに173人の選手にアシストを出してきましたが、気になるのは誰にいちばん多くアシストしたかです。

そこで、ポールがもっとも多くアシストした選手たちをあげてみます。

  1. ブレイク・グリフィン(LAC):1,157

  2. デヴィット・ウェスト(NO):1,120

  3. JJ・レディック(LAC):633

  4. デアンドレ・ジョーダン(LAC):575

  5. ペジャ・ストヤコヴィッチ(NO):429

  6. デアンドレ・エイトン(PHO):414

  7. デヴィン・ブッカー(PHO):358

  8. ラスール・バトラー(NO):320

  9. タイソン・チャンドラー(NO):299

  10. ミケル・ブリッジス(PHO):292

  11. ジャマル・クロフォード(LAC):259

  12. マット・バーンズ(LAC):226

  13. カーロン・バトラー(LAC):217

  14. エリック・ゴードン(HOU):183

*ちなみにポールはホーネッツで6年、クリッパーズで6年、ロケッツで2年、サンダーで1年、サンズで3年、ウォリアーズで1年過ごしています。もしこのリスト入りしている選手のポールとの試合を探れば、1試合あたりのアシスト数がわかり、どの選手がポールの恩恵を受けていたのかわかりそうです。


NBAとFIBAが新しいヨーロッパリーグについて「真剣な話し合い」、FIBA事務総長が発言

FIBAで事務総長を務めているアンドレアス・ザグクリスが、月曜日の年末恒例の記者会見で、新しいリーグ設立についてNBAと真剣な協議を続けていると話しました。

ザグクリスは「NBAははっきりとした関心があり、FIBAとの話し合いが進行中だ。私たちはこれまで話し合いを続けていて、これからもユーロリーグを運営する会社とも話し合いを継続していくつもりだ…すべてをひとつにまとめようとしたが、それは不可能だった。だから私たちの仕事は、NBAのパートナーとの真剣な話し合いを続けることだ」と言い、「ヨーロッパのバスケットボールは、その商業的な潜在力に比べて大幅に低い水準で戦っている」とNBAが持つマーケティング力や競争力に期待していることを示唆しました。

growjoによると、FIBAの年間収益はたったの$406.3Mしかなく、NBAの$13Bと比べるとかなり見劣ります(Wikiによると、ユーロリーグは2021–22でおよそ$700M)。FIBAとしてもNBAのマネーメイキングのノウハウを欲しいところだと思います。

また、The Athleticのマイク・ヴォークノヴによると、ヨーロッパのクラブチームも「赤字か、少なくても大きな利益を生んでいない」そうで、NBAが運営するリーグができれば、経済的恩恵が改善されるかもしれないと期待する声もあるようです。ユーロリーグにはサラリーキャップがないそうで、優勝するために金を使いまくって赤字になっているクラブもあるとの事。NBAコミッショナーのアダム・シルヴァーも多くの投資家たちがお金を失っていると発言していました。反対に、アメリカのNBAはスポーツであるよりも、ビジネスでエンタテイメントだと言う反対意見もあるようです。

シルヴァーもFIBAとの新リーグに関する協議についてはパリ五輪で認めていて、「私たちのチームオーナーたちには、グローバルのバスケットボールへのさらなる投資を求める意欲があると思っている…ここヨーロッパでのバスケットボールのクオリティーを考えると、ここでも何かをするのは理にかなっているように見える」と話していました。

シルヴァーは来月のパリで行われるスパーズ対ペイサーズ戦に行くはずで、その時に更なるFIBAと話し合いが持たれるかもしれません。もしかすれば、パリでこれに関して言及するかもしれません。近い将来にNetflixなどのストリーミングサービスと新たなヨーロッパリーグ設立に向けて動きがあるかもしれないですね。


最後に、おもしろい記録があがってきたので共有します。

ジャズがブレイザーズに42点差で勝利した次の試合でキングスに44点差で負けてしまいました。

このような大きな40点差の勝利と40点差の敗戦が続いた試合はこの30年では一度もなく、NBAの歴史の中でもたった3回しかなかったようです。

  • 2024年:ジャズがブレイザーズに42点差で勝利、キングスに44点差で負け

  • 1994年:ヒートがクリッパーズに43点差で勝利し、ブルズに45点差で負け

  • 1970年:バルティモア・ブレッツがブレイザーズに52点差で勝利し、セルティクスに46点差で負け

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