競争こそが成長の鍵――サンダーヘッドコーチが語る今シーズンの戦いとキャバリアーズ戦
※インタビューはアイザイアジョーとデイグノートHCの二人の動画です。本記事はデイグノートHCのインタビューのみを翻訳しております。
1. クリーブランド戦に向けて
インタビュアー:
「キャブス戦に向けて、どのような課題がありますか?」
デイグノート:
「キャブスのホームクラウドは本当に素晴らしい。チームの成績に関係なく、最高のファンがいる。いつも言うように、82試合の1試合だけど、この試合は特別だ。今リーグで最高のチームと、お互いいい流れできている。彼らのホームでこういう試合ができるのは、素晴らしい機会だし、チームとして楽しみにしている。」
2. チェットの遠征参加について
インタビュアー:
「4試合のロードトリップが始まりますが、チェットは遠征に帯同できる状態まで回復していますか?」
デイグノート:
「正直に言うと、彼の遠征参加については把握していない。選手たちは状況に応じて遠征に帯同したり、リハビリを優先したりする。現時点では詳細は分からないけど、それほど大きな懸念材料ではないということだ。」
3. チーム発展のプロセスについて
インタビュアー: 「昨夜、ボストンは完成されたチームで、あなたたちは彼らがたどったようなプロセスの途中だとおっしゃいました。いつ経験が十分だと分かるのでしょうか?」
デイグノート: 「このリーグで、完成というものには決して到達しない。ボストンが『完成形に近い』と言ったのは、彼らの経験値、特にコアメンバーで積み重ねてきた経験の量についてだ。長い時間をかけて、多くの壁を乗り越えてきた。でも彼らだって、まだジャーニーの途中だ。新しいチャレンジに向き合っている。この競争に終わりはないんだ。我々も全ての経験を通して、より強固な、より成熟したチームになろうとしている。」
4. 現在の好調について
インタビュアー: 「現在の好調を楽しみながら、同時にこれが長期的なプロセスになるかもしれないという認識を持つことは可能ですか?」
デイグノート: 「我々は競争そのものを楽しんでいる。負けても戦う方が、戦わないよりずっといい。競争は自分たちをテストする最高の機会なんだ。真のコンペティターなら、その真っ只中にいて、負けるリスク、失敗のリスク、逆境に立ち向かうリスクを取ることを愛している。それがすべてだ。我々にはそういう選手たちがいる。だから昨日の試合も、この先のロードも楽しみなんだ。何かが保証されているからじゃない。純粋に競争することを愛しているからさ。」
5. キャブスのガードコンビについて
インタビュアー: 「過去、ガーランドとミッチェルのバックコートコンビは物理的な制限があると言われていました。ジャレット・アレンたちのサポートもありますが、今年はなぜこれほど上手くいっているのでしょうか?」
デイグノート: 「彼らが一緒に積み上げてきた経験値を過小評価はできない。2年以上一緒にプレーしてきているんだ。それは非常に重要な要素だ。グループとして経験を積み重ね、物事を理解し、困難を乗り越え、転んでも立ち上がり、それを継続する。そういったことすべてがブレイクスルーにつながる。彼らにもそれが起きているんだろう。選手たちも成長している。モビーのように、まだ成長過程にある若手もいる。このリーグで成功するための方程式は一つじゃない。彼らは現在のロスターで効果的な方法を見つけ出した。」
6. キャブスの新体制について
インタビュアー: 「キャブスのコアメンバーは長く一緒にいて、最大の変更点はアトキンソンHCの就任ですが、彼のロスター活用についてどう評価していますか?」
デイグノート: 「正直に言うと、詳しく分析できていない。我々はイースタンとの接点が少ないし、スカウティングの時も、イーストのチームはそれほど見ていない。今夜と明日、もう少し研究するつもりだが、率直に言って、今は我々のチームに集中している。ケニーには、ブルックリンでの仕事から大きなリスペクトを持っている。あの状況で素晴らしいプログラムを構築した。資産も少なく、多くを失っていた中で、地道な努力で強固な基盤を作り、将来の成功につながる土台を築いた。彼とスタッフの功績は大きい。今の仕事ぶりも結果が物語っている。チーム全体が称賛に値するが、具体的な分析はこれからだ。」
7. ゲームプラン構築について
インタビュアー: 「水曜日の試合に向けて、具体的に何を見ていくのですか?」
デイグノート: 「我々のスカウティングとゲームプランは、対戦相手だけを見たり、その試合だけを切り離して考えたりはしない。82試合のシーズンを通して積み上げていける強みを作ることを意識している。それぞれの試合を独立したものとして見ると、キャリーオーバーできるものがなくなってしまう。その試合で全てを出し切って、それで終わり。我々はそうは考えない。」
デイグノート: 「クリーブランドに対しても、どのチームに対しても同じアプローチを取る。その試合でやることが今後の試合にも活きてくる。我々が取り組んでいることをテストする機会にもなる。それは我々のアイデンティティかもしれないし、その試合特有の戦術かもしれない。
アシスタントコーチたちが素晴らしい仕事をしてくれている。彼らのレポートを見て、チームとコーチングスタッフのために用意したフィルムを確認し、この2日間の準備期間なら1試合分くらい見る。でも対戦相手を深く掘り下げるというより、我々のバスケットボールを深く掘り下げることに注力している。」
8. 試合の数字的な目標について
インタビュアー: 「例えば、ボストンを92点に抑えられれば勝てるだろうというような、試合ごとの具体的な数字の目標はありますか?」
デイグノート: 「ないね。試合ごとに展開が違うし、テンポも変わってくる。我々が重視しているのは、相手のショットクオリティ、我々のショットクオリティ、ターンオーバーとリバウンドの戦いで相手より多くのショットを打つこと、そして様々な方法で相手のポゼッション数を制限することだ。我々は一つ一つのステップを踏んでいく。大きな目標を掲げるチームじゃない。」
9. ディフェンスの進化について
インタビュアー: 「ジェイの守備の成長についてどう評価していますか?」
デイグノート: 「素晴らしいステップアップを見せている。特にボールプレッシャーの掛け方を学んだね。キャリア初期は素晴らしい長さを持っていたけど、プレッシャーを強くしすぎて軽いファウルを取られたり、逆に弱すぎたりした。今は良いバランスを見つけている。
彼のフットワーク、フィジカル、ハンドスキルは素晴らしい。ときにはボールを奪うことができるし、スティールに至らなくても、ハンドワークで相手を混乱させることができる。さらに、ポイントガードから大型ウィング、ビッグマンまで、異なるポジションに対応できる。それらを組み合わせると、非常にインパクトのあるディフェンダーになる。また、サイズやポジションの割には優れたリムプロテクターでもある。これはビッグマン不在時により顕著だったが、今でも試合で見せてくれている。」
10. チームの序盤の展開について
インタビュアー: 「チームは序盤スロースタートで、その後調子を上げていくように見えます。ハーフタイムで何か特別なスピーチをするとか、選手たち同士で話し合いがあるんですか?」
デイグノート: 「選手たちは試合を通して常にコミュニケーションを取っているんだ。タイムアウトも多いし、ベンチに戻ってきた時はアシスタントコーチと話をし、選手同士でも話している。スピーチというより、試合中、そしてシーズンを通じて続くコミュニケーションだね。
スロースタートについては、82試合のシーズンの中で、序盤苦しむ時期もあれば、良いスタートを切れる時期もある。ハーフタイム後に素晴らしい入り方をする時もあれば、そうでない時もある。そういったトレンドに過剰反応するようなことはしない。シーズンの多くの部分で、我々は第1クォーターも前半も良いチームだった。今それを問題視するのは建設的ではない。重要なのは一つ一つのポゼッション、第1Q、第2Q、第3Q、水曜も木曜も、シーズンを通してベストを尽くすことなんだ。」
11. チェットの回復状況について
インタビュアー: 「昨日の試合の映像を見ましたが、彼の回復プロセスについて説明していただけますか?」
デイグノート: 「手術は夏に行ったから、術後約6ヶ月くらいだね。これまで説明してきたように、手術後のリハビリからNBAの試合に出場するまでには、しっかりとしたプロセスがある。彼は今、そのプロセスの途中だ。1ヶ月前と比べても活動量は増えている。
メディカルスタッフではない立場から言えることは、彼のアプローチに本当にリスペクトを感じている。とても一貫した、プロフェッショナルな取り組み方をしている。感情的な浮き沈みもほとんどない。これは若手選手にとっては特に難しいことだ。目に見えない努力の積み重ねで、単調な作業の連続。トンネルの出口が見えにくい状況で、昨日と今日が非常に似たような状況が続く中、彼は素晴らしい仕事をしている。
アプローチも仕事への取り組みも、ルーキーとしては特に印象的だ。彼は自分の価値を示したいだけ。コートに立ちたいだけなんだ。2024年で、たぶん5試合くらいしか出場していないと思う。そういった状況を考えると、彼の取り組み方には本当に感心している。」
インタビュアー: 「何か追加することは?」
デイグノート: 「まだ情報を収集している段階だ。新しい情報が入り次第、皆さんにシェアさせていただく。」
インタビュアー: 「ありがとうございました。」