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ウィギンスとの絆、そしてジミーとの未来 ~カリーが語る現在の葛藤と希望~
1.ステフィン・カリー、トレード後の心境を語る
カリー:
「リーグで長くプレーしていると、いろんなことを目にするけど、今回の状況はさすがに新しかったね。この1週間、いろんな噂が飛び交っていたし、フロントオフィスが実際に動くまでは何が起きるか信じられなかった。でも、トレードが実際に起こった。」
「特に今回のトレードに関わった選手たちのことを考えると、あのロッカールームでチーム全員と話す時間が持てて良かったと思ってる。特にウィギンスにとっては特別な時間だった。彼がここに来てくれたおかげで、2022年にまた優勝という山頂に登ることができた。彼はチームにとって多くのことを良い方向に変えてくれたよ。彼にとってもここでの経験が何かを変えるものになったことを願ってる。まだまだ彼にはたくさんのバスケットボール人生が残っていると思う。」
「そして、カイル、デニス、リンディといった新加入の選手たちもミッションにしっかり向き合ってくれた。彼らはプロフェッショナルそのもので、毎日仕事を全うしていたよ。ただ、トレード期限が迫る中でチームがどうなっていくのかを考えるのは、みんなにとっても居心地の悪い状況だったと思う。」
「彼らがチームのためにやってくれたことには本当に感謝している。もちろん、その後の試合に集中するのは難しかったけど、俺たちもプロとして試合に挑まないといけない。けど、結果はうまくいかなかったね。」
カリー:
「ジミー(バトラー)がどんな選手かはみんな知ってるよ。彼はファイナルに2回も出場した勝者だ。あのチームではいろいろドラマがあったみたいだけど、実際に何があったのかは誰にも分からない。ただ、俺たちは、やる気に満ちていてチームに良い影響を与えるジミーを迎え入れるつもりだ。」
「まずはチームとして調整していく必要があるけど、俺は新しいエネルギーを楽しみにしているよ。彼は最高の舞台を経験してきた選手で、また新たな状況で証明することがたくさんある。そのためにお互いが助け合っていくつもりだ。」
2.トレード後のチーム調整と期待を語る
記者:
「ジミー(バトラー)とは連絡を取りましたか?」
カリー:
「うん、ハーフタイムにテキストを送ったよ。普通に『これから一緒にやっていくのが楽しみだ』って感じのメッセージをね。すぐに行動を始めないといけないから、まずは会話をスタートさせたんだ。いつ実際に会えるかは分からないけど、楽しみにしてるよ。」
記者:
「彼から返信はありましたか?」
カリー:
「うん、すごくいい感じの返信だったよ。“準備はできてる”っていう内容でね。」
記者:
「彼が全盛期のパフォーマンスを発揮したら、チームにどんな影響を与えると思いますか?」
カリー:
「俺たちが慣れているスタイルとは少し違う感じになるだろうね。でも、彼はモーションオフェンスにもある程度対応できると思うよ。それに、彼はショットクリエイターであり、フィニッシャーでもある。コートのどこにいても相手に脅威を与える選手だ。
彼は自分のペースでプレーするし、ファウルをもらってフリースローに持ち込むことも得意だ。マッチアップをうまく利用するタイプだから、俺たちは高いバスケットボールIQを持って、試合中にうまく調整していかなきゃならない。でも、彼は最高レベルの競争心を持つ選手だから、お互いに連携するのが楽しみだよ。
これから彼のために、マイアミ時代の試合映像をたくさん見て、どんなセットプレーを使っていたのかを理解しようと思ってる。そして、それをうちのプレイブックにどう組み込めるかを考えるんだ。もちろん、彼には何が得意でどんなプレーが好きなのか教えてもらうつもりだ。それに合わせて調整していくけど、俺たち自身も自分のスタイルを忘れないことが大事だね。」
記者:
「即興的なプレーも含めて、あなたたち主力選手が積み重ねてきた成果を合わせた時、チームはどんな姿になりそうですか?」
カリー:
「試合中もここ3時間くらい、そのことをずっと考えてたよ。でも、一番大事なのは“期待が生まれる”ってことだと思う。俺はそういう環境が好きなんだ。結果を出せるかどうかは別として、こういうバスケットボールこそが、俺たちが愛し、そこで成長してきたものだと思うからね。俺たち全員がその挑戦を受け入れる準備はできてると思うよ。」
3.ジミー・バトラー加入後のチームビジョンを語る
記者:
「未来と現在のバランスについての話ですが、ジミーを獲得するためにスタメン選手を手放しました。しかし、若手の核となる選手たちはまだ残っています。このトレードによって、現在と将来の両方を満たせたと感じていますか?」
カリー:
「そうだね。もちろん、これまで関係を築いてきた選手たちを失うのは辛いよ。でも、君の言う通り、ジミーのような選手を獲得するために何を差し出したのかを考えると、やっぱりワクワクするよね。若手の才能と経験豊富な選手が融合する機会を得たんだから、これは良いことだと思う。彼は俺たちが慣れているスタイルとは違うタイプのプレーをするから、それがどう化学反応を起こすのか、どんなラインナップが組めるのかを考えるのが楽しみだよ。
トレーニングキャンプの時点では13人の選手がローテーションに入っていて、“ストレングス・イン・ナンバーズ”(多様な選手層の力)というコンセプトだったけど、今は8~9人の主力選手が固まりつつある。これからその中でベストな形を見つけて結果を出さないといけないんだ。」
記者:
「ジミーがここに来た経緯については、あなたも詳しい話は知らないと思いますが、彼が新しいスタートを切ることについてどう思いますか?」
カリー:
「そうだね、彼がここに来た舞台裏のことは詳しくは知らないよ。それは向こうの組織が話すことだと思う。ただ、彼の立場を少し想像することはできるよ。しばらく試合から離れていたり、いろんな理由でフラストレーションを抱えていたんじゃないかな。でも、新しい環境に入ることで新たな期待が生まれるんだ。俺たちはそういう期待を受けることに慣れているし、そこから生まれるエネルギーで成長してきたと思う。
もちろん簡単なことではない。困難もあるだろう。でも、彼が延長契約にサインしたことは大きな意味を持っているよ。彼はこれからの挑戦に本気で取り組むつもりなんだ。だから俺たちも、彼と一緒に最善の形を見つけていかないといけないね。」
4.今シーズンの目標と現状を語る
記者:
「再び頂点を目指す計画と捉えていいですか? 今のチーム状況を考えるとどうでしょう?」
カリー:
「もちろんだよ。計画としては、今よりももっと良いポジションを取り、西のトップ争いにしっかり食い込むことだったんだ。まだやるべきことはたくさんあるけど、シーズン終盤に向けて少しでも差を縮めていけたらと思ってる。そしてプレーオフに進んで、そこからどうなるかを見てみたいね。
ただ、来シーズンを見据えても、誰がロッカールームにいて、どんなことをやろうとしているのかが少しずつ明確になってきている。それが分かっているのはポジティブなことだよ。」
カリー:
「今日は辛かったね。チームとして全力を尽くしたけど、オフェンス面で簡単なシュートを何本か外してしまった。特に自分のことを言ってるんだけどね。それでも終盤には十分なプレーをしてリードを取ることができた。だけど、最後の3分くらいで全くディフェンスが効かなかったんだ。
両チームとも40点以上取るようなクォーターになるのは、俺たちのバスケのスタイルじゃない。そんな形で負けるのは今まで慣れていなかったけど、最近はそういう新しい負け方をしてしまっている。それが本当にフラストレーションを感じるところだよ。でも、今こそ新たな章を始める時だと思ってる。」