"フィラデルフィアのファンのことをもっとちゃんと感謝すべきだった" - ベン・シモンズ、76ers時代への本音と現在地
1. トレード・自由契約に関する選手の心情
トミー・オルター (パーソナリティ):
「これは興味深い話だと思うんだ。君たちも公の場で話しているし、僕たちもよくこの話題について話しているけどさ、例えば、キャム(キャム・ジョンソン)とメル(ミカル・ブリッジズ)がフェニックスからブルックリンに移籍したときのこと。フェニックスではあれは家族みたいなチームだったよね。間違いなく家族のような関係だった。それがある日突然、ケビン・デュラントが絡んできて、チームは当然やるべきことをやる。しょうがないことだし、そういうものだよね。」
「でも、一方でこうも思うんだ。ある日君たちは家族のような環境にいて、次の日には突然その環境から引き離される。それって本当に複雑な気持ちになるよね。それに加えて、君たち二人がよく話している『ビジネスとしてのNBA』っていう側面についても触れたい。こうやって話をすることや、こういう場があることで、NBAが選手にとっても、チームにとってもビジネスであることを理解するきっかけになると思うんだ。時には、自分が朝起きて『ああ、移籍しないといけない』『次の場所へ行かなきゃ』と覚悟を決める必要がある日もあるわけだしね。」
「だから、こういうビジネスの一面を理解するとき、どちらか一方だけがルールを守って、もう一方は守らなくていい、なんてことはありえないと思うんだよね。」
キャム・ジョンソン:
「ファンが見落としがちなことだよね。トレードシーズンが来ると、みんなただのエンタメとして見てるよね。『トレードシーズン』なんて呼ばれてさ、NBAのトレードがどんどん進んでいく中で、みんなポップコーン片手に観戦してる感じでさ。『あの選手はどこに行くんだろう?』とか、『こんなトレードはどうだ?』とか、もう月に行って帰ってくるくらいまで徹底的に妄想して楽しんでるんだよね。」
ベン・シモンズ:
「その間、俺たちは電話を握りしめて座ってるんだよな(笑)」
2. トレードがもたらす選手人生への影響
キャム・ジョンソン:
「ファンは完全には理解してないと思う。俺たちの人生を左右してるんだ。国の一端からもう一方へ移動させられるんだよ。僕たちには自分たちの家族がいて、生活があって、慣れ親しんだ環境や支えてくれる人たちがいる。」
「もちろんNBAは僕たちに、こういう問題に対処できるだけの報酬を与えてくれているけど、それでもストレスや問題がなくなるわけじゃない。僕たちだって人間なんだ。そういう感情を感じるのは当たり前なんだよね。」
「ロッカールームでよく話すんだけど、トレードにまつわることを本当に理解してる人は少ないよね。トレードされると、全く新しいチームに移ることになる。そして、2、3日後には新しいジャージを着て、すべてを即座に把握して順応しろって期待されるんだ。これがどんなものか、ほとんどの人は分かってないと思うよ。」
ベン・シモンズ:
「俺は経験したことないな。だって1時間半の距離を車で移動しただけだから(笑)。でも、そうだな...俺たちは色々と対処しないといけない。確かに良い給料はもらってる。でも人間として見たら、かなりの負担だよ。本当に大変なことなんだ」
注:ベン・シモンズは、フィラデルフィア・76ersからブルックリン・ネッツへの移籍を経験しており、地理的に比較的近い移動であったことに触れている。
3. ベン・シモンズのフィラデルフィア時代の振り返り
トミー・オルター (パーソナリティ):
「君の視点についてちょっと聞きたいんだけど、君はすごく内省的な人間になったよね。まあ、元々そういう一面はあったけど、今はさらに深く物事を考えるようになったと思う。きっと、君の周りの誰もがそう感じていると思うよ。高校や大学時代のことを振り返っても、今はおそらく当時とは違った見方ができるようになっているんじゃないかな。それは時間の経過や年齢を重ねたことも影響していると思う。」
「フィラデルフィア時代を振り返ると、君はジョエル(エンビード)と仲が良くて、今でもいい関係を保っているけど、あの時期全体の経験を改めて考えたときに、どう感じる?キャリアの中でこうしていろんな段階に進む中で、もしその経験を一つのカプセルに詰めて表現するとしたら、どんなことを考える?」
ベン・シモンズ:
「具体的には何のことについて?」
トミー・オルター (パーソナリティ):
「その経験からのポジティブな点、そこから学んだこと、そして今振り返って違うようにやれたと思うことについて」
ベン・シモンズ:
「僕にとって、フィラデルフィアのような街に行くっていうのは、メルボルン(オーストラリア)からルイジアナに行ったようなもので、本当に全く違う場所だったんだ。それで、フィラデルフィアのファンのことをもっとちゃんと感謝すべきだったなって思う。フィラデルフィアのファンは本当に素晴らしいんだよ。チームのファンベースがしっかりしているところでプレーしたいと思うのは当然だし、たとえブーイングされることがあっても、ファンが情熱を持ってくれていることが大事なんだ。満員のアリーナって、やっぱり特別だよね。」
「フィラデルフィアでの経験は本当に素晴らしかった。そこにプレーできたことには心から感謝してるよ。フィリーという街を知り、そこでプレーすることがどんなものかを経験できたのは大きい。そして、フィリーで勝利を経験するっていうのは、また特別なんだ。フィラデルフィアで勝つのは他のどことも違う。そんな場所は他にないよ。」
トミー・オルター:
「僕もあの試合に行ったよ。本当にすごい場所だった。あそこは、チャンピオンシップを狙えるレベルのチームにふさわしい場所だよね。」
4. ブルックリンでの新たなチャレンジ
ベン・シモンズ:
「僕たちには優勝できるチャンスがあったんだ。だからこそ、そういう経験ができたことに感謝してるし、フィラデルフィアのような街で、あの組織の一員としてプレーできたことを誇りに思ってる。そして、その経験を活かして、今自分がいるブルックリンにそれをどう応用していけるかを考えてるんだ。」
「もちろん、ここ(ブルックリン)はフィラデルフィアじゃない。でも、僕たちはここにいる理由があるし、全力を尽くしてインパクトを与え、試合に勝って、ブルックリンをさらに成長させるために努力してるんだ。」
キャム・ジョンソン:
「そうそう、それは本当にその通りだよ。それに僕の視点から言えば、ブルックリンとフェニックスは全く違う市場だから、その違いを受け入れる必要がある。ブルックリンのような街でプレーすることのポジティブな面を見つけて、それを受け入れることを学んでいくんだ。そして、僕自身、それに向けて確実に前進してきていると感じてるよ。」