<2> 気がつけば相棒だった
いつも一緒だった。
雨の日も、風の日も、暑い日も、寒い日も。
いつも黙ってついてきてくれた。
そばにいてくれることが当たり前になっていた。
しかし、それは急に訪れた。
予兆はあった。
昨日から様子がおかしかったのだ。
時折、消えてしまいそうな雰囲気があった。
そのたびに、そっと触れると、
まるで息を吹き返したかのように
「大丈夫だよ」
そう言ってくれていると思っていた。
過信だった。
今朝、目覚めた時
いつも通りの光景は、そこにはなかった。
すぐに連れて行きたかったが、時間がなかった。
それも今はただの言い訳だったと感じる。
「大丈夫、大したことではない。すぐに良くなる。」
仕事を終え、急いで診断してもらい、答えを待っていた。
代わりがいないわけではない。
だが、一方は、派手すぎるし
一方は、暗すぎて正直言って使いづらい。
しかし、その答えはあまりにも予想外で、残酷なようにも思えた。
「G-SHOCKの電池交換はうちではやってないので、メーカー対応で3週間かかりますけど、どうしますか?」
一瞬、頭が真っ白になった。
「そんなにかかるのか」
しかし、すぐに「Yes」と答えた。
なぜなら、他を探すのも面倒だったから。
「防水検査をつけると、電池交換代プラス料金で3,828円ですけど、どうしますか?」
それは「No」だ。
なぜなら、5、6千円で買ったものだし、なんなら新品買えんじゃね?と思ったから。
あー、早く戻ってこないかなあ。