久々の停電で計画停電を思い出した
2024.10.09の夜、3時間の停電があった。停電の原因は、電線への樹木の接触との東電の発表。先日からの暴風雨によるものと思われるが、東電管内の各地で同様な停電が発生したという報告があった。
最近は、瞬時電圧降下や瞬停(定義は1分以内らしい)はあっても、今回のような3時間近い停電は暫く経験がない。しかも、世間では夕食/団欒時。幸いにも私は夕食を済ませていたが、食事中の停電で困惑した家庭も多かっただろう。嵐の中、復旧に当たってくれた作業者/関係者の方には感謝しかない。
電力系統は、メッシュ構造で構築されていることが多く、一か所の不具合でその先が全部不具合になるということはない。しかし、すべての家屋や集落がメッシュ構造システムになっているわけではなく、支線としてぶら下がっているエリア(タイトル図のぶら下がっているエリア)は不具合の影響をそのまま受ける。
メッシュ構造内で発生した不具合は瞬時電圧降下や瞬停であることが多く、長い時間の停電は支線やその支線のメッシュグリッド内の不具合である。今回は後者に当たってしまったということだ。停電エリアと対象戸数を考慮すると、あの辺りの木が電線に接触したのかと思い当たる節もある。
実際、今回は最初に停電した後、5分間の間に3回ほど瞬間的に電気が復帰した。恐らく不具合個所を探るために、エリアを区切って再送電を行ったことによる状態だったのだろう。その都度安堵しては真っ暗闇…。結果、拙宅は不具合個所の支線にぶら下がっていたエリアだったようで、長時間停電になってしまった。
AV家電は内臓バッテリーやEEPROMのおかげで、停電しても各種設定(時刻/録画予約等)は消えることはない。しかし、給湯機はその辺全く対応しておらず、瞬時停電でさせ再設定する羽目になる。面倒なので数年来適当な時間になっている(設定が面倒だが、点滅も煩わしいので都度適当に設定)。何とかならんもんかね。それとも高級器は対処されてるのかな?
停電で真っ暗な中に一人でいると不安な気持ちになることもあるが、かつて、または最近でもこれ以上の停電を経験している人も多いだろう。近年の異常気象による災害もそうだが、私が思い出すのは東日本大震災時の計画停電である。
東日本大震災発生時も比較的長い停電だったが、基本的には昼間の発生。停電がわかっていれば、明るいうちに食事をして寝ればいい。実際、余震はありつつも早めの就寝で翌朝には電力は普及していたため、それほど困ってはいなかった。津波のNewsを知ったのは、翌日のTVのニュースだったが。
本当に困ったのは、その後の電力不足を補うために3月14日から28日にかけて実施された計画停電(輪番停電)の時である。結果として2週間ほどのものだったが、かなりインパクトのあった出来事だった。
というのも、当時群馬県で勤務地から4km程の賃貸住宅に居住していた。結果、悲しいことに勤務地と居住地が輪番停電の同一地区になってしまった。何が悲しいかといえば、勤務先は稼働しなければいけないことから、輪番停電の電力供給時間に就業時間がシフトされる。そして、帰宅後は停電時間帯になるのだ。
輪番停電時間帯は、数日おきに交代することとなり、以下のように設定された。
1グループ:15:20-19:00 / 2グループ:18:20-22:00
3グループ:06:00-10:00 / 4グループ:09:20-13:00
5グループ:12:20-16:00
会社は停電前に業務を終了するようにシフトを組んだ。居住地が勤務地と同じ輪番地域ということは、通電しているときは会社にいて、帰宅すると停電するということ。そう、2週間の間、殆ど帰宅すると停電という羽目になったのだ。本当に面倒だった。帰宅してちょとしたらすぐ停電…。なんという不条理。あと2km離れた場所に住んでいれば…。
例えば勤務地が2グループの時間帯だった場合、会社は17:00までのほぼ通常勤務となる。諸々と済ませて帰宅すると18:00。3月の18:00なんて真っ暗。そして20分後には停電。電力の復旧は22:00だが、それまで電気のない生活が続く。基本、会社は停電に合わせて就業時間を組むため、帰宅するとすぐ停電が生活のリズムになっていた。4時間程度の停電なので、冷蔵庫のものはそれほど問題はなかったが、冷凍庫は難儀したなぁ。
それでも、キャンプ道具のおかげで、文明的とはいえないまでも、落ち着いた時間を過ごせたりはした。
電池式やホワイトガソリンのランタン、キャンドルで灯はとれたし、ガスはLPだったので震災直後から問題なし。ただし、LPだから問題ないということに頭が回らず、数日は屋内でカセットコンロ使ってたけど…。食料もガソリンも確保大変だったなぁ。ガソリン不足はえらいことになってたので、毎日自転車で通勤してたっけ。大量に放射能吸ったのかも・・・
あれから早13年。ホワイトガソリンランタンはすっかり物置の奥に鎮座したまま、その座を充電式LEDライトに変わり、スマホとタブレット&充電式BTスピーカでBGMと情報源を確保。AV環境や世間の情報も通電時と殆どそん色はない。
もともとTVを消せば、浄化槽のポンプや冷蔵庫のコンプレッサー動作音がうるさいと思うような静寂の環境。停電時と大して変わらない静寂ではあるが、傍のLED街灯がすべて消えた家の周囲は別世界。全市内の停電であればより深い闇を感じられたかもしれないが、別地区は停電していないため、曇天の雲に反射した市街の光で明るい夜空になっている。
輪番停電時に、電気のついている地区と消えている地区が明確に分かれていたことも同時に思い出し、久しぶりに13年前に思いをはせた。企業活動のための広告、ネオンサインは、もう節電云々には無関係なんだろうなぁ。