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この時代に集まり時間を共にする価値とはなにか──FGOfes.2022一日目及びFGO THE DIALOGUE~アヴァロン・ル・フェ~感想

第7波と7周年

どうも、よるとりです。ツイッターで私のことをフォローしてる人は知ってると思うのですが、7月30日はFGOの7周年をお祝いするリアルイベントに参加してきました。
まだこれを書いている31日もイベントはあるのですが、周年の情報で感情があっという間に流れてしまうので備忘録程度に書いておきます。

FGO7周年。5周年の東京ドームは中止、6周年は完全オンライン開催ということで、およそ3年ぶりのリアルイベント開催となった。

奇しくも同じ7が重なった、コロナウイルス感染拡大第7波渦中の開催となったため、かなり会場である幕張メッセに入れる人数を絞っていた。もちろん借りている会場の広さの差もあるが、半分程度に思う。
とはいえ、待機列を眺めた時の「ここにいる人たちは全員FGOが好きな人たちなんだなぁ」というえも言われぬ感情は、かつてのコミケやマチアソビなどのオタクイベントとは違う趣がある。

今回は万が一の中止に備えてか展示や催しが比較的少ないように感じた。特に角川やプラスワンなどの企業の出展は一切無い。今年の2月、及び7月と先に行われたフィギュアの祭典であるワンフェスもグッドスマイルカンパニーが出展を見合わせているように、致し方ないこととは言え物寂しいものがありました。

また、人数が制限されていたとはいえ、それなりに人が入っているので一日一回しか出来ない英霊召喚フォトスポットは昼前には100分待ちの激混み、展示スペースも60分待ち(表示は60分だったが自分が行った時は30分くらいだった時もあった)だったので、ほとんどの人がどちらか1日しか参加権を得られていないだろうに、回り切るのが少々大変なイベントになっていた。

後日参加者向けにアンケートをやると思うのでその時にも書くつもりだが、やはり広々としたスペースでまったり見られる展示の頃に戻って欲しいな~という気持ちが強い。

しかしながら、やはり一番は無事開催されたことなので、悠木碧さんや高橋李依さんなどコロナウイルス感染者による欠員がありつつもなんとか無事に開催出来たことは本当に嬉しく思います。このまま特にクラスターとかが起きずに、参加された方も無事日常に帰っていけるまでがFGOフェス、という気持ちです。


二人の妖精から紐解くアヴァロン・ル・フェの再話


さて30日の目玉とはいえば、およそ3時間かけて行われた「FGO THE DIALOGUE~アヴァロン・ル・フェ~」である。筆者は運良くS席に当選したので席番を楽しみにしていたが、4列目という良席を引き当てたので大変感謝している。この感謝はまたグッズを買ったり人に作品を布教したり長く長く返していこうな……。

今回のFGOフェスは、約1年前に配信されたLB6を多大にフィーチャーしたイベントだ。会場の中央に鎮座したLB6のボスの一人であるケルヌンノスの大きなオブジェもそうだが、1年経ったから良いだろう、ということでかなりのネタバレを解禁している。

FGOTHE DIALOGUE~アヴァロン・ル・フェ~ 朗読劇(以下、朗読劇)も例に漏れず、膨大なゲームシナリオを再構成しながら、ほぼ全編を朗読劇に仕立てている。妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェは膨大なストーリー量であり、どう読み解いていくか、誰の目線で読み解いていくかによって万華鏡のように見方が異なっていく。

もうひとりの主人公、モルガンのストーリー

この朗読劇のロゴには2本の杖、トネリコの杖とアルトリアの選定の杖がクロスしてあしらわれていることからアルトリア・キャスター、及びモルガン/トネリコの2名を中心としてエピソードの取捨選択が行われている。そのため、かなり削ぎ落とされた部分は多いが、全体監修として原作ゲームでシナリオを担当したライターである奈須きのこ氏の名前があるため、大胆かつ繊細な業前の出来であった。


私のLB6記事であまり書けていないが、LB6はアルトリア・キャスターの話であると同時に、モルガンの物語であることは明白である。
汎人類史ではブリテンを滅ぼしたファム・ファタールであるが、その彼女の野望とも言える夢のために費やした1万数千年の絵本。それが妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェの一つの姿なわけだ。

まだまっとうな楽園の妖精であった頃のトネリコ時代と、魔女となったモルガン二人の石川由依氏の演じ分けがリアルタイムで紡がれるのは朗読劇ならではの楽しみだった。

ゲームとは違い、最後にトネリコの「私の國はどうでしたか?」という問い掛けを入れたことにより、よりモルガンという主人公を戴いたストーリーが強調されていて、思わず最後は涙ぐんでしまった。

アルトリア・キャスターと川澄綾子氏の名演

このストーリーのメインキャストである川澄綾子氏は、アルトリア・ペンドラゴンを演じて15年以上になる。そのためアルトリア・キャスターの設定を貰った時に非常に驚いたとよく口にされるが、長年連れ添った公式サイドの方がそれだけ言うくらい、アルトリア・キャスターは既存のアルトリアとは異なる。

人によってはゲーム外の長尺シナリオを聞くのはこれが初めてという人もいるだろうが、とにかく声を高く、16歳という年齢に合わせた声色を作られているように思う。
終盤、玉座に向かうシーンの地の文は「空想の私」として落ち着いた声、つまりは聖剣の王であるアルトリア・ペンドラゴンの声と、アルトリア・キャスターである声をまるで電気のスイッチをオンオフするかのようにパチパチと入れ替えている。月次な話だが、声優ってすごい。

アルトリア・キャスターは多少卑屈な面があったり、動機が不明瞭だったりそれらがはっきりした他キャラに比べると受け入れがたいキャラクター性があるが、声に彩られた奥行きによって「魂で理解」することも出来るだろう。今からでも、昨日からアルトリア・キャスターのファンになったという人が増えたのなら、私は嬉しい。アルトリアのオタクなので……。

朗読劇と言うと、どうしてもこう絵本を広げて子どもへの読み聞かせをする姿をイメージするが、妖精國という一つの絵本であることを考えるとこのイメージで合ってるような気がする。

今回の朗読劇に携わってくれたスタッフの皆様、キャストの皆様、本当にありがとうございました。オベロンの話も書きたかったけど、タイムアップなのでまたの機会に。


オベロンのママに引用貰ったの嬉しすぎるだろ!(記念にさらに引用で置いとく)

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