自動車保険の「弁護士費用特約」
自動車保険には色々な特約を付帯できます。
今回はそのうちの1つ「弁護士費用特約」について解説していきます。
弁護士費用特約とは
保険会社によってネーミングに違いはありますが
「自動車事故に起因した弁護士への相談・訴訟などの際、その費用を限度額まで負担してくれる特約」です。
自動車保険各社の全契約のうちおよそ6~7割が加入しています。
引用:おとなの自動車保険(セゾン)
どんなことに使えるのか?
付帯することで「過失割合について納得がいかない」などの際に弁護士に相談したり、示談交渉をする際の費用を一定額、保険会社が負担してくれます。
事故で精神的ダメージが大きい中、費用を気にすることなく専門家に依頼できることは大きなメリットです。
また、専門家が交渉することにより慰謝料・損害賠償額のアップも期待できます。
さらに利用しても翌年度以降の保険料が上がらないことも大きなポイント。
翌年度以降の保険料負担増についても特約の利用のみであれば気にする必要はありません。
自身の過失割合が0の場合に威力を発揮
自動車事故で過失割合が0の場合、示談交渉は自分の契約する保険会社が行うことができない、というのをご存じでしょうか?(相手への賠償責任がない場合の示談交渉は弁護士法に抵触するため)
自分の過失が0、というのは、例えば「追突された場合」や「相手側のセンターラインオーバ「相手の信号無視」などがこれにあたります。
この場合、交渉は自身でするか弁護士に依頼するかの2択となりますが、こういう時に「弁護士費用特約」をつけていることで安心して弁護士に依頼することができるのです。
保険金の限度額はいくらぐらい?
「弁護士費用特約」がついているからといって弁護士費用が無限に補償される訳ではありません。
支払われる保険金額は、各社大体訴訟等については大体300万円・相談費用は10万円までが一般的です。(相談費用については支払い対象とならない保険会社もあります)
また、最近は「日常事故」にも対応するタイプもあり、こちらについては日常生活や自転車での事故についても保険金支払いの対象となります。(ただしその分特約保険料は上乗せになることが多いです)
特約の重複に注意!
「弁護士費用特約」は主に運転する人(記名被保険者)からみて①配偶者、②同居の親族、③別居の未婚の子までが補償の対象です。
ご家族で車を複数台持っている場合など特約が重複している可能性がありますのでご自身やご家族の加入している自動車保険の補償内容をチェックしてみましょう。(被保険自動車(保険の対象となっている自動車)搭乗中以外(歩行中など)の補償などは保険会社により差異があるので必ず確認してください)
付帯していない方は検討すべき
このように「弁護士費用特約」には様々なメリットがあり、かつ補償範囲も広いながらも保険料は大体年間1000~4000円台。
付帯していないご家庭についてはぜひご検討をおすすめします。
なお「弁護士費用特約」の使用については事前の承認を条件としている保険会社がほとんどであること、無免許運転や飲酒など一部支払い対象外となることもご理解のうえ、まさかの事故に備えましょう。