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古いご縁
私が10代後半から20代前半は、外を出歩けないほどの対人恐怖が原因とする症状で悩まされた。
同年代の子たちは、これから人生を謳歌して将来の可能性に心を躍らせて羽ばたいていく時期に、私は自分の行く末とこれまでも、これからも何も成し遂げられないことへの絶望感で生きることが苦で、死ぬことしか目の前になかった。
毎日昇る朝日が寝ている目に差し込む度に太陽が恨めしかった。
当時は、まだインタネットが身近になり、脳科学も研究が始まったばかりで脳、精神、人格に関して情報量が現在より圧倒的に少くなかった。
そんな中、私は周りは私に寄り添うより、自分に都合のいいことばかり口から並べて、さもそうかのように思わされることが多かったように思う。
そんな私を救ったのは海外留学で知り合った香港出身の子だった。
事情を一通り聞いた後、私に「あなたは悪くない」と言ってくれた事がきっかけで自分の置かれた環境の不健全さを認識することができた。
それから20年がたった今、再びその子から連絡がきた。
私もだいぶ変わった。
よく私の事情も理解していない他人から貶められるような言動を取られたり、法的もしくは道徳的に守られるべきはずのところが守られず、味方もおらず、コミュニティーを蹴りだされたり、相手側の都合で搾取されるような事もあった中で、自分で自分のこれからの為に恐怖を乗り越えようと、自分にできる最大限の努力をして未来を切り開こうと、地を這うような思いをしながらも歩んできた。
その中で、家族を支えながら、自分を癒し再生させ成長させる為に、学び行動し哲学をし続けた。
結果、周りを助け、支え、時に希望を持たせて前進させる後押しができるようにまでなれた。
何より、優しい人たちのおかげで何度も自分を見失わずに済んだことには感謝しきれない。
誰も奪おうとしても奪えない。
欲しいからと言って即席では作り上げられない。
すべては私が自分の苦しい歩みの中の努力から生み出したもの。
人を傷つける人と傷つけられる人の大きな違いは、傷つける人は自分を省みることがなければクリエイティブに人生や人としての魅力を創造していくことは不可能だけれど、傷つけられた人は痛みから乗り越える時に唯一無二の自分を作り上げ豊かな人生を創造する確かな糧を得る。
しかも傷つけた人より逃げ場がないので苦しい分豊かになれる。
痛みが伴うので、そのような体験はうれしくないけど。
そんな私が昔の友人と対峙することになった。
多分、あちらもだいぶ変わっただろう。
ああ。。。なんて返事をしよう。
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