見出し画像

深川D スタレビ愛を大いに語る

「ブギウギ ワンダー☆レビュー」 野外編 with んなアホなホーンズ』のDVDを見ていて、アンコールでスタレビを見出してくださった方が亡くなられたというお話をされていましたね。

このライブ、2023年9月なのですが、2023年7月にHP上で要さんが感謝と哀悼のコメントを出されていました。

スタレビ新聞とでもいうのでしょうか「VOICE VOL.3」(1987年発行)の記事で、そのスターダストレビューを見出だしてくださった深川昌弘さんのインタビューが載っていました。

保存状況が悪く、くすんでしまっていたので書き出して見ました。

今見返しても、とても愛ある言葉で満ちあふれています。
ぜひ、一読していただきたいです。

スターダストレビューは”史上最強”のバンドだ

ーディレクター 深川昌弘 大いに語るー

まずスタレビとの出会いについて

80年の初頭だったと思うんですが、別のアーティストでのミーティングで徹夜になった時があったんです。朝になって急にいい音楽が聴きたくなっちゃって、そのまま渋谷にレコードを買いに行った。その時、ヤマハの入り口のオープニングステージで、その時は「アレレのレ」というバンドだったんだけど、スタレビが演奏をやってたんです。最後の10分しか聞けなかったんですけど、やたらインパクトがあった。とてもおもしろいステージをやっていると思ったんですね。全部見たいと思って彼らを探したけど、いくらライブハウスのスケジュールを見てもずっとライブをやる気配がない。半年ぐらいたって、夏になってやっと「屋根裏」というライブハウスに出演するのをタウン誌上で見つけた。慌てて見に行きましたね。約一時間のステージだったんだけど、おもしろいだけじゃなくて十二分な力量を持ってた。そこでますます気に入っちゃって、デモテープを作らないかと持ちかけたんです。その時は彼らも半信半疑だったみたいなんだけど、なんとか説得してね。そして9月8日に-これはきっぱり覚えてるな、そう、その日に4曲とった。「シュガー」「銀パラ」なんかです。とっても良かった。その後、電話で連絡を取り合って、バンドのカラーなどについて話した。そして年末の31日と次の年の1月5日に再び「屋根裏」でライブをやった時には、仕事全部ほっぽり投げて行ったんですけど、ビデオカメラを担いで行った。今思うと、よくもあんな重いカメラを一人で持てたなぁと思うんですけど、それだけ気合が入ってたんでしょうね。そして、その年の2月からファーストアルバムのレコーディングに入ったんです。

スタレビの魅力を一言で言うと

彼らは、音楽の根本的な意味をわかってるし、何よりセンスがいい。音楽を通じて、彼らのポリシー、キャラクターを見事に表現し得ている。内面からぐっとくるものを持ってるね。

ディレクターは、今まで作品作りの中で何を大事にされてきましたか

まず、暖かさかな。要の声がとてもいいから、それを十分に生かせる。それにうまい、へたじゃなくて、1+1=2のものをイコール 100になるまでパワーアップさせること、また作品ごとに彼らのいろいろな面を見せていきたい。初期のいわゆるハードブギの時代、トワイライト・アヴェニュー以降、夢伝説や最近作までのリリカルな時代等々は彼らの懐の深さを表現してきた。今後もこれは変わらない。

スターダストレビューの目指すものはどんなものですか

一言で言って、ザッツ エンターテイメント。これがスタレビの原点ですね。彼らは誰一人欠けても、スタレビにはならない。また皆さんの人生にとって、スタレビの音楽が重要な位置をしめ得るものになってほしい。僕なんか、やっぱりビートルズを聴いて育ったし、一番彼らに影響を受けている。スタレビの音を聴いて育って、あとになって、あの時スタレビのあの曲が流れてたよな、なんて思い出せたら最高ですね。スタレビはいい音楽をやってるという自信がある。影響を十分与え得るね。まさに史上最強のバンドになりつつある。

最後にスタレビの、そしてすべての音楽を愛するリスナーへ一言

とにかく、ヒットチャート見ればわかるけど、日本人は学生から社会人になると急にレコード聞かなくなっちゃうチャートに載ってるのは、ヤングタレントやCM曲ばかり。本当にいいレコードが上がってこない。これは日本だけなんですね。僕はね、自分の作ってる物に自負があります。いいものを作っているってね。そして、若い人だけじゃなくて、年を重ねた人にも感動できる音作りを心がけています。だから年配の人にも、もっと聞いてほしい。社会人になったから、忙しいからってやめないでほしい。特にスタレビの音なんかは、みんな楽しめると思う。彼らの音楽は、大変質が高いですからね。スタレビの音が好きだっていう人は、とてもセンスがいいと思う。とにかく、いいものを年を取っても、ずっと聴き続けてほしいと思います。そして永遠に音楽ファンであってほしい。スタレビがその中でとても大きな位置を占めることがあれば、嬉しく思います。

「オルフェウスの愛」を捧ぐ

改めて要さんのコメントを読み返すと、深川さんとスタレビのみなさんとの結びつきの深さを再確認しました。

⇒ コメントはコチラ

深川さん、スタレビを見出だしてくださって、本当にありがとうございます。

私が「とてもセンスがいい」ことを確認できましたし(笑)、「いいものを年を取っても、ずっと聴き続け」ることができるという幸運にも恵まれました。スタレビは、本当に本当に「史上最強のバンド」です。