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スタレビ風アカペラのすすめ:ベストサウンドⅡ 1986年
「ベストサウンドⅡ」は、1986年にNHK教育テレビで放送された音楽趣味講座の番組です。井上鑑さんが講師で、和田加奈子さんがアシスタントでした。アーティストを通して様々な音楽ジャンルや演奏技術に焦点を当てた内容で、音楽の楽しさと知識を教えてくれた番組です。
スターダストレビューは、「スタレビ風アカペラのすすめ」と題して2回に渡ってアカペラとはどのようなものかについて教えてくれました。
動画サイトで以前見たことがあるのですが、1回目はアカペラで、2回目はバンドのコーラスとして紹介していました。(今探してみたけど、1回目しか見つけられなかったです。2回目はどこかにあるのかな?)
「NHKの趣味講座 ベストサウンドⅡ」は、放送された内容をもとに編集されているのですが、「スタレビ風アカペラのすすめ」は放送と主旨は同じですけど、当時キーボードを担当されていた三谷恭弘さんがメンバーの話を取り入れながらこれからアカペラにチャレンジする人にこうしたらいいよとわかりやすく書かれていて内容は別物になっています。
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スタレビ風アカペラのすすめ アカペラへの第一歩
第一歩ということで、とにかく声を出してみよう。レコードと一緒に歌ってみよう。とすすめてます。
スターダストレビューのアカペラの練習方法も書かれていて、ピアノを囲んで全員がリードボーカルのメロディーを覚えることから始まり、低い方のパートから徐々に声を重ねていく方法をとっているそうです。
アカペラで大切なのは、リードボーカルを食わないようにすること。そのために、パートを交換したり、声の質の裏表を変えたりもしているそう。
歌詞も言葉の表面だけなぞるのではなく、意味を充分に感じとってから歌うのが大切で、『THANK YOU』なら来てくれてありがとう、お会いできてうれしいって気持ちが、アカペラの温かいうねりやノリになってくると三谷さん。
ちなみに、要さんの声は「よく言えば目立つ、悪く言えば調和しないで浮く。リードを取るしか道がない」そうです。
アカペラのすすめ 声は身近な楽器です
もっともシンプルなのがユニゾン。これなら今すぐにでも始められるよとすすめています。
要さん曰く「『ブラックペッパーのたっぷりきいた私の作ったオニオンスライス』は表の声でのユニゾン。うちのバンドはとにかくみんなでサビを一緒に歌いたいっていうのが先にあった。それでとりあえず最初の基本のサビはユニゾンでも何でもいいからメンバー全員で思いっきり声を出してしまおうというものだった」
キーボーディストやギターリストは歌ってる人もたくさんいるけれど、リズム隊の方はなかなか大変そう。ということで、それぞれに歌うコツを聞いています。
寺田さん(ドラム)「自分のパートがないときも常にリードボーカルのメロディーを小声で歌うようにしてキーを確保しておき、自分のパートにどの音が来たら声を出すかを覚えておく。それと自分のパートで最初の音はどれぐらい喉が閉まっていればいいかと緊張具合を記憶しておく」
VOHさん(パーカッション)「リードボーカルを知るということが重要だね。つまり原型をよく知っているということ。それから上に何度とかコーラスの響きがわかるようになるのがベストだと思う」
柿沼さん(ベース)「常に足で8分音符刻みでリズムをとるようにしている。だけど実際にはベースとボーカルの両方やるには無理なものがけっこうある。ベースパターンに休符が多くてリズムの表裏が複雑なものはまず歌えない」
要さん「そういう場合は見切りも大切。でも何としてもやってもらわねばという時は、練習で多少時間を取られても他のメンバーの温かい目が必要」
三谷さん曰く「プレイヤーはいつでも現在のレベルのちょっと上を狙うのです」
スターダストレビューのアカペラは唯一無二
スターダストレビューのアカペラは、単なる上手な歌ではなくて、温かくてノリが良くて心地いい歌です。
私は当たり前のように聴いていますけど、それは長年にわたる経験と練習の賜物。メンバーのみなさんの音楽への深い理解と熱い思いが伝わり、聴く人に深い感動を与えます。
ぜひ、一度聴いてみてくださいね。