祈祷
飼い猫マーナには不思議な仕草がある。
ワンちゃんで言うところの
チョーダイ!
を時々やるのだ。
我が家ではそれを「マーナちゃんのお祈り」と呼んでいる。
ワンちゃんの場合、
チョーダイ!をする = おやつが貰える
と言った具合に行動とリンクしていることが多いと思うが、マーナの場合は何故か不意に自からその仕草を始める。
さぁ、やるぞ。
と言う決意の顔つきになり姿勢を正してツンと上を向く。
飼い主も
あ!これはお祈りがはじまるな。
と気配を感じ取れる程、何か厳かな空気を纏うのだ。
コロナを契機に我が家ではルールがどんどん増えていった。
帰宅後の手洗い
ペーパータオル
消毒アルコール
玄関先でのマスク廃棄
宅配物の消毒
どんどん増えてキリがない。
特に重要視しているのがこちら。
風呂に入らざる者布団に入るべからず。
だ!
ワンルームに住んでいた若かりし頃は
真夏にヘベレケで帰宅しそのままベッドで気絶してもなーんにも感じなかったこのわたしが、コロナのせいでここまで変わってしまったのだ。
ルールとは一度できてしまうと
廃止されることのない恐ろしいシステムだ。
とは言え、可愛い猫ちゃんたちのためにも
清潔を保つことへ家人も納得しているようで向こうも手を緩めない。
今朝、目覚めると隣のベッドが空だった。
寝ているはずの家人が不在なのである。
モサモサとメガネをかけてリビングに出てみると
毛布に巻かれた家人がソファーの上にのっかっていた。
我らは昨晩お酒を沢山飲んだのだが
なんでも、お風呂に入ろうとしたら水が溜まっていたそうだ。
冷たくて入れなかったから、リビングでねている。
とのことだった。
(シャワーで済ませるわけにはいかなかったのだろうか)
その毛布、洗うまでは下界行きだな。
と思ったが
今言うと怒りそうだなこりゃ。
と、言わなかった。
寒い。。。
ベッドの毛布をもう1枚盗んで眠る家人。
下界毛布を増やしやがって…(黙怒)
その時、例の厳かな空気を感じて視線をあげると
飼い猫マーナが一心不乱にお祈りをしていた。
きっと我が家の平穏を祈ってくれているんだろう。
もう一眠りする事にした。