限界
朝はたいてい4時半にはおきる。
わりと若い頃から早起きだったけど、
コロナ自粛しているうちにどんどん早くなった。
父親から遺伝した強靭な腸の使者が、
おそらく夢うつつの朝3時には最寄駅に着く。
そして4時にはドアをノックし始め、
4時半にはドアノブをがちゃがちゃ鳴らす。
そう、わたくし、尿意以外で目が醒め始めるのだ。
ヤバイヤバイヤバイ。
コワイコワイコワイ。
絶対にこのドアを開けちゃダメ。
目が醒めちゃう。
と、毎朝ウトウト格闘する。
毛布を肩まで引きずり上げて膝を抱え直すと
耳元でクチャクチャと音がし始める。
飼い猫ウーゴの起こし方。
鳴くわけでも突つくわけでも擦り寄るわけでもなく、
どうしてだか口をクチャクチャ鳴らす。
クチャクチャ モチャクチャ
口の音以外の気配は完全に消して
こちらが反応するまで続ける。
変な猫。
置き餌をつまんで、食べたと自慢しにきているのかもしれない。
気持ちがわかればいいのになぁ。
焦らすだけ焦らしてから「おはようウーゴくん」と声をかけると
噴火中のマグマくらいに野太く低い音で喉をブロブロ鳴らす。
喜びマックスになるとお尻をこちらに向け、
ミゾオチに手を掛け、慎重に足場を確認しながら
わたしの肋骨に腰掛ける。
さぁて、ではでは…
いっちょやっときますか、
とふみふみタイムが静かに始まる。
モミモミモミモミ
フミフミフミフミ
確実に腸を仕留めてくる。
限界!!!!!!!!
と言うのが朝の起き方。