RTAinJapan Summer 2023に参加して GS美神解説
1章:何かがきっかけになってくる
はじまりは去年年末のRTAinJapanが終わって間もなくの事だった。
カドゥケウスのRTAの解説を終え、新年を迎えた時にRTA in Japan 2022夏に「ビッグトーナメントゴルフ」の解説をしたペットサウンドさんの枠にいた時だった。
「カドゥケウスの解説お疲れ様!」のように話していた一方、これから解説依頼が来るかなあという話をしていた。
カドゥケウス振り返りnote
これはRiJ2022は夏も冬も1年間解説依頼が来なかったからである。
※カドゥケウスは自分から依頼した異例中の異例
これも時代の流れ。今やRiJは解説出来る人が増えており、年々そのレベルも上がっている。自分の解説需要もここまでかな、と呟いていたところ偶然さめげさんがその枠にいて「それじゃあ自分が美神でイベントに出る事があったら依頼してもいいですか?」とコメントがあり、そりゃもうぜひ!と。
そんなことがあればいいなあと思っていたらその後本当に依頼が来た!
まずはシカダさんが主催しているRTAイベント「Pixel Art Runners5」に美神が採用されたのでそちらで解説。台本のほとんどはこの時に決まる。
その後、RTAイベント「JAWSの鮫月雨(さめだれ)」にも採用され、そちらでも同様に解説依頼が来る。
その後、RiJと立て続けに美神が採用され、この短期間に3回採用されるというまるでバブルのような美神フィーバーに!
2章:原作の中へ
依頼が来て有頂天。これを機にこれからも解説依頼が来るかもしれない!と、よこしまな気持ちで引き受けたものの台本をどうするか。
従来、原作ありきで元ネタを知らないゲームの解説は引き受けない自分ルールがあった(※セーラームーンR解説後にこのルールは無くなる)ので、GS美神も読んだことが無い作品だったのでどうしようかという状態だった。
まずはいつも通りソフトの入手から。
美神のゲームはPCエンジン版もあるので念のため両方購入。
それが終わったら一通りプレイ。結構難しい…苦戦しながらもクリア。
次は原作の元ネタを知る必要がある
・とりあえず漫画喫茶に通って読む。
・ゲームで必要な7巻まで読む。
・7巻以降も読む。
・夜勤明けにも通って読む。
・休日は一日入り浸って読む。
・割引券とおやつ券貰ったのでもったいないから使うために読む。
・kindle版買って家でも読む。
気付いたら全39巻読んでいた。すっかりハマっている。
ここで疑問なのは最初からkindle版で良いのでは?と思うかもしれないが、実はkindle版だと当時の作者の挨拶(表紙めくったら端っこに書かれているやつ)が収録されていない。
ここに結構小ネタが隠されているのでkindle版だけだと拾いきれないネタが多いのである。(※美神や横島の名前の由来などはここに書かれている)
ネタが多いことに越したことはないのでPCエンジン版もプレイ。
こちらは何と当時のキャストでフルボイス。OP、EDも収録されており、内容も原作基準とオリジナルが上手くマッチしていておまけモードも充実と言うファンも納得のアイテムとなっていた。
3章:原作解説はネタがいっぱい
解説の台本を作り原稿を書くといつも通りさめげさんの自己べにアフレコで解説を入れてプロトタイプの動画を作る。
特に注文は無かったので台本は最初から最後まで自由に作れた。
今回は特に深夜帯という事もあり、視聴者数は減っていく一方なのでこれをどう抑えるかが目標だった。
これは道中を飽きさせない方法を中心に考え、台本を構成している。
基本的には随所にネタを散りばめさせることだが、その間隔が重要。
これは1ステージの前半、後半に1個はコメントしやすいネタを投入。
それで思わず突っ込んでいるうちにコメントが流れて次の展開へ。
そこで一息ついて次のネタとなり再びツッコミを入れる。
こういった構成で、緩急のテンポをとることで見ている方に負担なく継続して楽しんでもらう。
例えば新品未開封を開けるネタについては3回行っているが、1回目と2回目は間を置いて、3回目は「穏やかに」と前置きして「ヤメロ!」で一蹴!
これで1回目から一息置いて2回目に入り、心の準備が出来た時に一気に3回目で爆発する流れ(いわゆる三段オチ)となっており、「穏やかとは?」とツッコミが入れやすく、コメントしやすい状況を作る。
そこで引き込まれたら「次はどんなネタが?」と期待させ、そこで引き延ばして再び後半で謎文字のネタを拾って伏線が回収されてスッキリする流れとなっている。
掛け合いについては走者はゲームにものすごい集中しているので負担にならない場面で行っている。これは主に場面が切り替わる暗転時前に行う。
また、緊張や集中で反応できない事も当然なので、掛け合いに気付けるよう走者の名前を呼ぶのが掛け合いの合図となっている。
7面のナイトメア戦後はボス撃破後でかなり余裕があるので「難関でしたね」はできてもできなくてもどちらでもよかった。
他にもステージで一区切りと視聴者が離れないよう、クリア後に毎回小ネタを入れて、それに対するコメントが流れた時には次のステージに移行しているという流れを作り、視聴者数を維持できるよう心掛けた。
また、原作ありきのゲームなので原作ネタも随所に取り入れて原作ファンにも満足してもらえるようにする。
だが、これは生半可な知識だと諸刃の刃なので結構怖い。
例えばエヴァンゲリオンのゲームに対して「ロボットゲームです」と紹介したらどうなるかは火を見るより明らかだろう。言葉選びは慎重に行わなければならない。ここは一番気を遣った。
さらに漫画だけでなくアニメ勢もいるため声優さんの情報もチェック。
今の時代ならyoutubeチャンネルなどで情報を得る事ができるので助かった(ワイズは声優に詳しくない)。そこで共感できるネタを集めて原稿に足していく。
そんなこんなで原稿はもうパンク状態。
今度はどれを取り入れてどれを削るかの選別に入り仕上げていく。
4章:本番の魔物退治(ゴーストスイーパー)
いよいよ本番待機室へ。
この間に最終テストを行うが、最初のキャラ説明でいきなり噛んでしまう。
その後も何度も噛んでうまく話せないため、読みやすいようまさかの待機室で原稿を書き直す。
これにはさめげさんも「えー今からですか?」とビックリし、めっちゃ笑ってた。「なんか安心しました」と怪我の功名かさめげさんがリラックスできた模様。
そして本番、画面が切り替わり運営が「どうぞ」と言うのを合図に話し始める。
しかしここで問題が!
画面を見ながら解説をするもやけに画面がカクつき、ほとんど静止状態。次に画面が動くときはだいぶ進んでいる状態だった。
アーカイブを見ればわかるが、会場のPCでもあれだけカクついていた中、それをミラーでオンラインを通して見ているこちらのPCではカクつきはもっと顕著だった。
これは!自分のPCが落ちる!!そう確信して気が気じゃなかった。
今のゲーム内の状況もわからず過去一ヤバイ状態だった。
緊張が伝わってはいけないと自分の腕をギュッと握って震えながら解説していた。
幸いなのかこれは運営側の環境に問題があった様で自分のPCは落ちることなく継続。後に自分の腕が真っ赤になっていた。
※実際に次に走ったゲームでは途中で切れている。
美神の時間にこの事態が起きていてもおかしくなかったと思うとゾッとする話である。
ただ、音関係は問題がなく、画面は静止中でも効果音やBGMは途切れることなくリアルタイムで聞こえた。なのでこれを頼りに状況を判断して解説をしている。
例えば1面は1回目のアイテム取得音で氷柱を取ったと判断し、2回目が聞こえたら精霊石だろうと言った感じ。そのため精霊石の説明が少し遅くなっている。
解説の尺が合わないと考え、テキストを所々省略したり、間の間隔を短くしたり、少し速めに話す場面もあった。
しかしカクつきが顕著だった6面はタイミングの把握が難しくボス戦に突入しても解説を続けている。
これはおキヌちゃんガチャが大きく影響し、ガチャの際にアイテム取得音がせずに攻撃音が聞こえたので敵が出たと判断。それから話しているのでタイミングが遅れてしまった。
さらに6面後半ゾーンはランダム要素が大きく効果音だけでは状況が把握できなかったのも影響している。
そういう意味ではタイミングの影響がない強制スクロールステージ(3面と5面)が一番安心して解説できた。
いつどこで止まるか動くかわからない、まさかの解説の方が目隠しと言う、今までに無い恐ろしい魔物だった。
ちなみに、もしこちらの回線が落ちたら「霊障のせい」とあらかじめさめげさんには伝えている。復旧したら「急に本番の魔物が現れたので除霊してきました」とか言って世界観に合わせて復帰するという算段だった。
幸いこの事態にはならなかった(半分なっていたが)。
熱暴走を防ぐためエアコン温度を23℃にしたので部屋が寒い寒い。
最終章:解説大作戦!
ではこの状況でなぜ解説できたのか。
リアルタイムでは気が気じゃなかったので後付けになるが
①あらかじめ聞いていた事
②前日の走りで予習をしていた事
③さめげさんの操作がそれだけ正確だった事
①については前日にのりしげさんのサーバーで偶然ギボンの解説をした月代あさひさんと会って、今回は深夜帯に回線の障害が連日続いているので明日も何かしらあるだろうという話を聞いていた。
それもあり心構えは出来ていた。
②については前日に苦手ゾーンをさめげさんの走りをコピーすることにより自己ベを1分以上更新した。
このおかげで世界18位相当の記録を直前に叩き出すことが出来た。直前にさめげさんの動きをインプットできていたので感覚で解説する事が出来た。
③が一番大きく、19分前後で台本を組んでいるので何事もなければ画面が見えなくてもいつも通りに話せばほぼズレがでない。
実際にさめげさんは19分5秒でラスボスを撃破したためほとんど違和感なく終えることが出来た。本番一発で凄すぎる!
ここで運営のPCが落ちていたり、途中で私が流れを止めて再起動を要請していたらアーカイブ化は無かったかもしれない。
こういう事態があるので実際に自分でRTAを走ってみることは大事!
ちなみに「Pixel Art Runners5」の時はゲーム音がこちらに届かず無音の状態で解説している。この時は画面は問題なかったため脳内で効果音を再生してタイミング調整している。
オンラインだと音関係のトラブルは必ずあると思ってあらかじめ心構えをしておく必要がある。
終えると集中力の限界なのかいつも通り放心状態。
トレンドに「GS美神」を確認してぶっ倒れる。
なぜかまたワイズがトレンド入り!日本ワイズ化計画が思いがけないところで進んだ。
そして一夜明けてまだ「GS美神」がトレンド入りしてて笑った。急なトレンド入りでみんな混乱してつぶやいて増えたようだw
気になっていた視聴者数は減少を抑えるどころか逆に増えていたという驚きの結果!深夜帯で!?(リスナー情報によると2000~3000人増えたらしい)
トラブルは多かったが結果的にさめげさんはノーミスで走れたし、解説も上手くいった。トレンド入りもしたし視聴者数も抑えるどころか増やせた。
30周年の節目にふさわしい有終の美を飾れたのではないだろうか?
よこしまワイズ頑張りました!
おまけ
今回はとにかくファンアートが多くて始まる前からテンションが上がった。全部紹介しきれないのが残念なくらいで、また後日ピックアップしていきたい。
また、どの時間帯にどんなコメントが多かったかまとめたグラフもあったが、「仮面」がランクインしていて笑った。
名前が出るだけで盛り上がってしまうのりシード仮面様の人気が凄すぎる!
RTA in Japan「GS美神 除霊師はナイスバディ」
Twitch:https://www.twitch.tv/videos/1897887711
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=Rot2O01XB_k&t=1s
走者:さめげさん
Twitter:https://twitter.com/samege_rta
Twitch:https://www.twitch.tv/samege
解説:ワイズ
Twitter:https://twitter.com/YS51577346
Twitch:https://www.twitch.tv/nazoys
次回も依頼がありますように 2023年夏 ワイズ