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今月末から2カ月限定で「地球の月が2つになる!」

今月末から2カ月限定で、地球の月が2つになるようです。

「何言ってるの?」と思うかもしれませんが、これは地球軌道にとらわれる衛星が月の他にもう1つ加わることを意味しています。

スペインのマドリード・コンプルテンセ大学(UCM)はこのほど、地球に向かって飛来している小惑星を確認したと発表。

その小惑星は地球にぶつかることはないものの、地球の重力に捉えられ、9月末〜11月後半にかけて1周し、その後、別の場所に向かって離れていく予定です。

この期間だけは地球を公転する衛星が2つになります。

研究の詳細は2024年9月号の学術誌『Research Notes of the American Astronomical Society』に掲載されました。


参考文献

元論文
A Two-month Mini-moon: 2024 PT5 Captured by Earth from September to November
https://doi.org/10.3847/2515-5172/ad781f


ライター:大石 航樹(Koki Oishi)
愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。


9月末〜11月後半まで「地球の月が2つ」に

今回の発見をしたのは、UCMの天文学者であるカルロス・デ・ラ・フエンテ・マルコス(Carlos de la Fuente Marcos)氏とラウール・デ・ラ・フエンテ・マルコス(Raúl de la Fuente Marcos)氏の兄弟です。

両氏は「小惑星地球衝突最終警報システム (Asteroid Terrestrial-impact Last Alert System)」、通称”アトラス(ATLAS)”を使って、地球に接近する小惑星を探索していました。

アトラスは地球近傍天体(Near-Earth object:NEO)の中から、地球に接近あるいは衝突する可能性のあるものを数日〜数週間前に検出するための観測装置です。

そして今年8月7日、地球に向かって飛来している「2024 PT5」と名付けられた小惑星の存在が確認されました。

※ 画像はイメージです / Credit: canva

2024 PT5は直径11メートルほどの非常に小さな小惑星で、地球からおよそ344万キロの辺りを通ります。

事前の調査で、2024 PT5は地球にかなり近づくコースを進んでいたため、衝突の心配もされましたが、軌道計算の結果、地球に衝突することはないと断定されました。

しかしマルコス兄弟が2024 PT5の大きさ、速度、進路を考慮して計算したところ、非常に面白いコースを取ることが判明しています。

2024 PT5はただ地球の横を通り過ぎるだけではなく、地球の重力に捉えられて急速に楕円軌道を描き始め、地球の周りを1周することがわかったのです。

こちらが2024 PT5の進路を予想したアニメーションになります。

地球の重力に捉えられるの9月29日からで、その後11月25日頃にかけて地球を1周し、再び別の場所へと離れていく予定です。

つまり、この約2カ月の間は地球の周りに衛星が2つある状態になるのです。


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