実はまだ誰も見たことなかった!世界初「野生下で生まれたてのホオジロザメ」を発見
ホオジロザメは世界最大の捕食ザメであり、人間も襲う危険な生物として有名です。
その獰猛な姿からは、小さな赤ちゃんだった頃の面影など想像できません。
実際、生まれたてのホオジロザメは今日まで誰も見たことがありませんでした。
しかしこのほど、米カリフォルニア州の海岸付近でついに世界初となるホオジロザメの赤ちゃんが目撃されたようです。
カリフォルニア大学リバーサイド校(UC Riverside)の報告によると、妊娠したメスのサメが水中に潜って姿を消した後、しばらくして小さなサメが水面に現れたという。
体長1.5メートルほどで、過去に見つかったホオジロザメとしても世界最小の一つとなりました。
研究の詳細は2024年1月29日付で科学雑誌『Environmental Biology of Fishes』に掲載されています。
参考文献
サメの不思議(国立沖縄記念公園:PDF)
https://oki-park.jp/userfiles/files/worksheet/20140318-same-n.pdf
元論文
ライター:大石 航樹(Koki Oishi)
愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
サメの繁殖方法は種類がいっぱい!
魚類は一般に卵から赤ちゃんがふ化する「卵生」ですが、サメは種類によって繁殖方法が違います。
ネコザメやトラザメは他の魚と同じ卵生で、とぐろを巻いていたり、縁に紐飾りがついたような面白い形の卵を産み落とします。
一方で、サメの中には哺乳類と同じようにお母さんのお腹から赤ちゃんが生まれるタイプもいます。
例えばジンベイザメは「卵黄依存型」で、これは卵生とよく似ていますが、卵が母ザメの体の中でふ化して出産します。
また人間と同じ「胎盤型」もいて、胎内の子ザメにへその緒がつながっていて、そこから栄養を送って胎児を育てるタイプもいます。これはカマストガリザメなどが代表的です。
もう一つが「卵食・共食い型」といい、母ザメがエサ用に生み出した未受精卵を子ザメがパクパク食べることで、胎内で大きく成長するものです。
子ザメは未受精卵を大量に食べるので、お腹の中が黄身でパンパンに膨れ上がるという。
問題のホオジロザメはこの卵食・共食い型にあたり、母の胎内で育った後に外の世界へと産み落とされます。
しかしここまでは分かっているものの、野生下で生まれたばかりのホオジロザメの赤ちゃんを見た人は誰もいませんでした。
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