身の危険を感じると「強酸性のゲロ鉄砲」を撃つハゲタカがいる
「ハゲタカ」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
荒野の空を旋回し、死体を見つけては食べ漁る不気味な姿を思い浮かべるのではないでしょうか。
彼らは動物の死体なら何でも好み、腐肉に突っ込んだ顔にバイ菌が付着しないよう、頭をつるっぱげにする程の徹底ぶり。
これだけでも十分に強烈な特徴ですが、中にはもっと恐ろしい行動を取るハゲタカがいます。
それが「ヒメコンドル(Turkey vulture)」です。
なんとヒメコンドルは食事をジャマされたり、身の危険を感じると、相手にゲロ鉄砲を吐きつけるのです。
どうしてクチバシで突いたり、翼でバサバサするのではなく、ゲロを選んだのでしょう?
ここではヒメコンドルの詳しい生態に迫ります。
参考文献
元論文
Turkey Vulture
http://naturemappingfoundation.org/natmap/facts/turkey_vulture_712.html
ライター:大石 航樹(Koki Oishi)
愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
鋭い嗅覚で10キロ先の腐肉も感知できる
ヒメコンドルは、タカ目コンドル科に分類される猛禽類です。
(ちなみにハゲタカとは、タカ目のコンドル類とハゲワシ類を合わせた俗称を指します)
全身の黒い羽毛につるっぱげた真っ赤な頭部が最大の特徴で、南北アメリカ大陸に分布し、夏場は北アメリカで過ごして、冬になるとコロンビアやエクアドルまで南下します。
他のハゲタカと同じように動物の腐肉を主食とし、鋭い嗅覚を頼りに上空から死体を探します。
専門家によると、10キロ以上先の腐肉の匂いまでキャッチすることができるので、他種のハゲタカはおこぼれを頂くため、ヒメコンドルの後についていくことがよくあるといいます。
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