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【自宅で痩せる!】「自重エクササイズ」で一番消費カロリーが多いのは?
ジムへ行かずとも、自分の体一つで筋肉を鍛えることができるのが自重エクササイズの魅力です。
ギリシャのテッサリア大学(University of Thessaly)のファトゥーロス教授らの研究グループは、プランク、プッシュアップ(腕立て伏せ)、スクワット、片脚スクワット、ランジ(フォワードランジ)、バーピー、ジャンピングジャックという7種類の自重エクササイズを実施した際に、どれくらいカロリーを消費するのかを詳しく調べました。
その結果を見ると、全身を動かし、有酸素運動の効果も併せ持つバーピーのカロリー消費が最も多い一方で、動きのないプランクのカロリー消費が少ないことが分かりました。
本記事では、この研究結果とともに、カロリー消費が少ないプランクの痩せる効果を調べた研究結果を合わせて説明することで、自重エクササイズとの向き合い方を考えます。
今回の研究結果は、全米ストレングス&コンディショニング協会の公式学術雑誌『Journal of Strength and Conditioning Research』に2024年8月14日付けでオンライン公開されています。
参考文献
No One Likes Burpees, so Here’s Exactly How Many You Have To Do per Week To See Results
https://parade.com/health/how-many-burpee-to-see-results
元論文
The Energy Expenditure Associated With Body-Weight Resistance Exercises of Various Movement Patterns Performed at Different Durations
https://doi.org/10.1519/JSC.0000000000004919
Plank exercise improves respiratory capacity through positive changes in body composition, abdominis function, and autonomic nerves’ activities
https://doi.org/10.1002/ejsc.12086
ライター:髙山 史徳(Fuminori Takayama)
大学では健康行動科学、大学院では体育学・体育科学を専攻。持久系スポーツの研究者として約10年間活動。 ナゾロジーでは、スポーツや健康に関係する記事を執筆していきます。 価値観の多様性を重視し、多くの人が前向きになれる文章を目指しています。
カロリーを大量に消費する自重エクササイズはバーピー
体脂肪を減らしたい人はもちろん、美味しいものを気兼ねなく食べたい人にとって、運動によってエネルギー(カロリー)を消費することが大切です。
カロリーを消費する手段としては、ジョギングやサイクリングに代表される有酸素運動が一般的ですが、最近ではカロリー消費を狙って筋トレに取り組む人も増えています。
特にダンベルやバーベルなどの特別な器具を使わない自重エクササイズは、自宅で手軽にできるため、取り組むハードルが低いのが魅力です。
今回、研究グループは、18〜35歳の健康的な男女(平均体重:73.6kg)が7種類の自重エクササイズを実施した際の消費カロリーを、運動前から運動後にかけて呼気ガスマスクを装着し、指先から微量の血液を採取して血中乳酸濃度を測定することで詳しく調べました。
このアプローチは、筋トレが無酸素性のエネルギーを使ったり、運動後にもエネルギーを消費したりすることを考慮したもので、そういったカロリー消費も反映できるようにしています。
早速結果を見ると、体重移動を伴いながら全身を使うバーピーのカロリー消費が最も激しく、30秒実施するだけで平均16.1kcalも消費することが分かりました。
なお、バーピーのやり方はいくつかのバリエーションがありますが、その1つは次の方法です。
立った状態から始めます。
しゃがんで手を地面に付けます。
足で地面を蹴り、腕立て伏せの姿勢になります。
足を元に戻してしゃがんだ体勢に戻ります。
立ち上がります。
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これは、ジャンピングジャック(11.5kcal)、腕立て伏せ(11kcal)、スクワット(10kcal)、片脚スクワット(9.9kcal)、ランジ(9.3kcal)、プランク(5.7kcal)に比べても、大きなもので、短時間でカロリーを消費するにはバーピーが優秀であることを示しています。
このように、全身を使いながら体をダイナミックに動かすバーピーは短時間で高いカロリー消費が期待でき、その差は動きのないプランクに比べて3倍近くにもなります。
一方、このようなダイナミックな種目は、場合によっては騒音や振動が発生するため、集合住宅に住んでいる人などには実施しにくいという懸念もあります。
では、プランクのようなあまりカロリーを消費しない種目であっても、継続すれば痩せる効果が期待できるのでしょうか? 次のページではこの点を見ていきます。
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