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知名度の割に生態に謎の多い「世界最大の花ラフレシア」に新事実!
世界最大の花「ラフレシア」は有名です。
とはいえ、有名なのは名前やビジュアルばかりという印象は拭えません。
昔はテレビでよく特集されていましたが、最近ではポケモンでラフレシアの名前を知った人も多いかもしれません。
実際、研究者にとってもラフレシアは謎の多い植物で、その知名度とはうらはらに、現実世界における生態がほとんど知られていないのです。
こうした背景にあって、国立環境研究所・生物多様性領域に所属する竹内 やよい(たけうち やよい)氏ら研究チームは、マレーシアのサラワク州ナハ・ジャレー地域を調査。
これにより、ラフレシアのあまり知られていなかった成長過程や分布地・死亡率について新たに把握できたと2022年に報告しています。
研究の詳細は、2022年3月1日付の学術誌『TROPICS』に掲載されています。
参考文献
元論文
New locality and bud growth of the world biggest flower, Rafflesia tuan-mudae, in Naha Jaley, Sarawak, Malaysia
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tropics/30/4/30_MS21-14/_article
ライター:大倉 康弘(Yasuhiro Okura)
得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。
ラフレシアが「幻の花」と呼ばれる理由
強烈な匂いを放つ「ラフレシア」は、マレーシアなどに分布する植物であり、現在十数種の存在が確認されています。
この植物の大きな特徴は、直径90cmにも達する赤い花であり、それゆえ「世界最大の花」としてよく知られています。
ラフレシアの花の画像を見たことがある人は多いでしょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1726852485-QjNYlJyeFZgarKoPhf8CMHLp.jpg?width=1200)
ところが同時に、ラフレシアは「幻の花」とも呼ばれています。
その理由はラフレシアの特殊な生態にあります。
まずラフレシアは葉や茎、根をもたず、光合成もできません。
そのため他の植物に寄生することで、必要な養分を得ています。
自分で光合成しながら他の植物にも寄生する「半寄生植物」はそれほど珍しくありませんが、ラフレシアのように完全に他の植物に頼っている「全(完全)寄生植物」は稀有な存在なのです。
またほとんどの人は、ラフレシアの開花を実際に見たことがありません。
なぜなら開花は数日しか続かず、すぐに枯れてしまうからです。
さらにもともと生息域が限られているだけでなく、その個体数も減少しています。
まさにラフレシアは、知名度だけは高い「幻の花」なのです。
ちなみにラフレシアの花言葉は「夢現(ゆめうつつ)」であり、この言葉も「幻の花」を表すにはピッタリだと言えますね。
![](https://assets.st-note.com/img/1726852512-y3TZikYIfVd1x8U5HhF2lJBP.png?width=1200)
こうした背景にあって、研究チームは、マレーシア・サラワク州ナハ・ジャレー地域を調査しました。
そして、その地域に生息するラフレシアの新たな個体群から、成長過程を明らかにしたのです。
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