可愛すぎる「猫用」脳波測定装置が誕生!「痛い」と言えない猫の気持ちが分かる!?
飼い猫たちも私たちと同じように痛みを感じます。
飼い主が気づかないうちに、病気で痛みを抱えているケースもあるでしょう。
では、どうすればネコの痛みを理解し、適切な対応を取ってあげられるでしょうか。
もしかしたら、可愛らしい「ネコ用ニット帽」が役立つかもしれません。
最近、カナダのモントリオール大学(University of Montreal)に所属するオード・カステル氏ら研究チームは、ニット製のネコ用脳波測定装置を開発し、ネコが感じる痛み・匂い・光に関連した脳活動を測定することに成功しました。
将来的には、この可愛すぎる「ネコ用脳波測定装置」で飼い猫が抱えている痛みのレベルが簡単に分かるかもしれません。
研究の詳細は、2024年8月24日付の学術誌『Journal of Neuroscience Methods』に掲載されました。
元論文
Non-invasive electroencephalography in awake cats: Feasibility and application to sensory processing in chronic pain
https://doi.org/10.1016/j.jneumeth.2024.110254
ライター:大倉 康弘(Yasuhiro Okura)
得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。。
ネコは「痛い」と言えない
飼い主であれば、飼い猫の気持ちを理解してあげたいと思うものです。
その点、ネコの好き嫌いは分かりやすく、関心の移ろいもはっきりと見て取れます。
一方で、ネコの痛みに関しては、部分的にしか理解してあげられません。
確かに、突発的な痛みや刺激でネコが声を上げて跳び上がることは、よくあるものです。
また体のどこかが悪くて、歩き方がおかしくなったり、元気が無くなったりすることもあります。
それでも、ネコが実際に感じている痛みがどれほどのレベルなのか、飼い主たちは知りません。
ネコは「痛い」と言えないのです。
しかし、成猫の4分の1は変形性関節症(肘・膝などの関節軟骨やその周辺組織が変性し、痛くなる病気)を患っており、その発生率は加齢とともに増加します。
飼い猫たちの多くが、このような慢性的な痛みを抱えていながら、人間のように言葉で伝えられず、適切な処置を受けられないままでいます。
またカステル氏らによると、「仮に変形性関節症の治療を行うとしても、治療の選択肢は限られており、その大部分では重大な副作用が伴う」ようです。
そこでカステル氏らは、アロマセラピーなど、ネコの痛みを和らげる代替手段を模索してきました。
ただし、これを確立する上で必要不可欠なのが、ネコが感じる痛みの評価です。
実際にどれほど痛みが和らいでいるか知ることができなければ、適切な緩和処置を生み出すことはできないのです。
では、どのようにしてネコが感じる痛みのレベルを知ることができるのでしょうか。
カステル氏らは、この痛みの評価に役立つのが、脳波検査だと考えています。
これは頭皮に電極を当てて脳の電気活動を記録する検査のことであり、ネコの頭を傷つけたり、身体に影響を与えたりしません。
ただし、ネコたちは脳波検査を受ける人間のようにおとなしくしていられません。
猫たちは頻繁に頭を振ったり動いたりするため、電極がズレたり落ちたりするのです。
そこでカステル氏らは今回、可愛らしいネコ用脳波測定装置を開発することにしました。
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