人工衛星と浮気
人工衛星の寿命は3年程度から、長いもので10年くらいです。寿命10年の衛星は10年後もちゃんと動いていて当たり前・・・と思いますよね。
実はそうではないのです。人工衛星の設計を行うときに、寿命とセットで決めることがあります。それは、「寿命末期の生存確率」なのです。たとえば寿命5年の衛星で、5年後にも衛星が正常に動作している確率は何%以上とすること。といった話になります。この「何%」ですが、どれくらいだと思いますか? 衛星にもよりますが、だいたい、70%くらいが多いのです。
5年寿命のまったく同じ衛星を10機作って打上げても、5年後も動いているのは7機だけということになります。
衛星ってそんなものなの?
と思うかもしれません。 実はそんなものなのです。それでも衛星を設計するときには大変なのです。1つ1つの部品について故障率というものがあって、それを積み上げて計算して衛星全体の信頼度というものを計算します。実はこの計算は信頼性工学といって、衛星以外にも使われるのです。
そして、以前にも書いたように(アッシー君とメッシー君) 重要な部品や装置は、冗長系と言って2個以上同じものを載せて、1個が故障しても衛星全体がダメにならないようにしたりと言ったことをします。
生存確率はもっと高くすることもできます。ただし、そのためにはお金がたくさんかかります。そのため、あまり高くなりすぎず、かといって信頼度が低すぎずということを考えて設計を進めていくのです。
あなたの彼氏(彼女)が寿命末期まで浮気しない信頼度はどれくらいですか?
お金をかければ浮気をしないだろう。なんて言っている人は危ないですよ~。
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