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静止衛星
静止衛星って聞いたことがありますか。地球を回る人工衛星には2種類あります。静止衛星と周回衛星てす。周回衛星は別の機会に譲るとして、静止衛星は地球から見て1点に止まっているように見える衛星です。
ただし、実際には静止衛星も地球の周りを回っています。では静止衛星はなぜ止まっているように見えるのでしょうか?
それは地球の自転と同じスピードで回っているからです。つまり地球を24時間で1周します。そのために赤道上空約3万6千kmの高さを回っています。なぜ3万6千kmなのかは別の機会に譲ります。静止衛星は色々と便利なのです。なぜ静止衛星は便利なでしょう。
地上のアンテナの向きを一定方向に固定できるからです。
衛星の目的の大半は通信や放送など電波を利用するものです。通信や放送のためのアンテナは常に衛星の方向にむけておく必要があります。地上から見て衛星が動かなければアンテナは1方向に向けたままでよいですね。BS放送のアンテナを考えてみてください。
ただし、日本では少し不便なこともあります。静止衛星は赤道上空にあるので、日本から見ると地平線から45度くらいの高さになります。ということは、南側に高い山や建物があると衛星が見通せず通信ができないのです。
また、3万6000kmのかなたにあるので電波といえども届くのに時間遅れがあります。TVで衛星を使った海外からの生中継などでアナウンサーの答えが返ってくるのに、少しタイムラグがあるように感じたことはありませんか。それは電波が届くのに時間がかかっているのです。
日本のアナウンサーが話した言葉は電波に乗って衛星に行き、折り返して海外の中継先に届きます。海外のアナウンサーが「はい」と返事をした電波はまた、衛星に行き、折り返して日本に戻ってきます。この間、電波に乗った言葉は、
3.6万×4=14.4万km
を旅し、それにかかる時間は電波といえども約0.5秒になるのです。海外中継でアナウンサーの返事が遅いのは、アナウンサーがトロいのではなく、言葉が届くのに時間がかかっているのです。