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人工衛星と老化
人工衛星も老化します。機械が老化するはずないって?その通りです。正確には劣化ですね。(^O^)/
人工衛星の設計をやっていると、BOL と EOLという言葉が出てきます。
BOL : Beginning of Life
EOL : End of Life
という言葉なのですが、人工衛星の一生の初め(BOL)と終わり(EOL)という意味です。BOLは打上げた直後の衛星の使い始めの時期、EOLは衛星の寿命が尽きる時期です。ちなみに衛星の寿命は3~10年程度です。
さて、この言葉は衛星を設計する上ではちょっと大事なのです。衛星には時間がたつと劣化する部分があるのです。典型的なのは太陽電池です。放射線などの影響で徐々に劣化して発電することができる電気の量が減ってくるのです。
このため、人工衛星を設計するときには、太陽電池の発電量を表すのに、
BOLで3.5kW、EOLで2.8kW
のように、衛星の使い初めの時期の電力か、終わり頃の電力かを明記するのです。そうやって衛星が確実に長期間宇宙で働き続けるように設計するのです。また、劣化するのは太陽電池だけではありません。
熱制御材と言って衛星の外側を覆っている金色のフィルムがあるのですが、これも劣化します。専門的には熱光学特性が変化すると言い、光を反射したり吸収したりする特性が変化するのです。最初のBOLの頃は赤ちゃんの肌のようにすべすべで輝いていたお肌がEOLの頃にはつやと張りがなくなってくる。といったイメージでしょうか。
人間も老化してもEOLまで元気で生き生きと暮らせると良いのですけどね~。