ファーストデートは約束の場所で。
知り合うキッカケになったのは、ネット。
今はやっていないけど、当時私の書いていた日記ブログにアップされていたある山の写真をみた男性が自分の家からみる山と似てる!と親近感が湧いてコメントを交わしたのが始まり。
それ以降、記事を載せるたび気の合うコメントをするようになり互いに気になりはじめた。そのうち男性から個別のメッセージが届いて実際に出会ってお話してみませんか?ということになった。
そんなこんなでオタクを隠しつつ、社会人をやり過ごすなか。
2次元における様々な形の恋愛鑑賞を嗜むものの、リアルの生活での恋愛経験は乏しい隠れオタクにもとうとう春が来たらしく、カレシという新人種と交友関係が出来た。
それが、今の夫であった。
ネット界の隅っこで数年間ひっそりと暮らしていたので、ネットをキッカケに知り合って実際仲良くなったり、付き合ったり、トラブルになったりする諸々の噂を耳に挟んでいた。
気になる人からのメッセージだったので、最初はついはしゃいでしまったが、少し落ち着くと冷静になり戦々恐々としてしまった。
万が一に何が起こるか分からないので、母親にネットで出会った人と会うことを伝えた。
「え!?ネットで知り合った人と出会う(゚д゚)ハァ!?」
と一瞬、般若のツラみたいな顔をしたが夫の本名を伝えるとなんと、母親の知り合いでそのお父さんが高校の先生で美術を教えてもらってたらしい。
それからは特に何も言われなかった。
お互いの印象の差
待ち合わせの日、早めに待っていた私は緊張で胸の動悸が著しかった。
しばらくして、一台の車が来てドアが開いた。ドキマギした様子な夫のお出ましである。
お互いにあいさつしたあと、車に乗った。
その日出会ったときに、お互いの印象はそれぞれ異なった。
夫は一目見たときに、めちゃくちゃどストライクでAKBかとだったらしいΣ( '-' )どんな一目惚れかよっ
一方、私はというと優しそうな人だなぁ、そしてやっぱしツルツル頭なんだなぁと思ってしまった^^;
それでいて、こんな人と結婚するんだろうなぁと思ってしまった。
私の亡き父も頭髪がツルツルな人だった。それでいてメガネをしたぽっちゃりおデブ、仕事上ヒゲは剃っていたけど休みの日にヒゲを生やしたら濃いめのひとだった。
親は見合いで結婚したけど、まさか父親と似ているひと(おデブと性格?以外)と付き合うことになるとは…と驚愕してしまった。
マンガに出てくるような黒髪イケメンじゃないんだぁも思わず思ってしまった(酷い…)
ただ、中身や性格はめちゃくちゃ優しさの塊でビビってしまった。外ヅラは多少良いフリをしているが、中身はしっちゃかめっちゃでかなりの臆病者でかつ頑固なはみ出し者だった私を受け入れてくれた。
父親がおハゲでおデブだったのもあり、見た目がモデル級ではなくとも(失礼だなオイ)人間性が輝いている方が好みなのですんなりとお付き合いをすることになった。
おハゲな外見は想定外だったけど、亡くなったおハゲ仲間の亡き父がご縁つなぎを手伝ってくれた印なのかななどと勝手に思ってます(*´罒`*)
車内では初めて会ったような自己紹介の会話だった。
その間、私は脳内でとあるシュミレーションをしていた。テレビや周りからよく、男はオオカミなんだから気をつけなさいよと言われていたので、そっかーそりゃ気をつけないとなー(´-ω-`)ナルホドなどと思っていた。
それがいまや、成人した男性と密閉された車内で2人きり。まして初めて面と向かって会った夫とはネット上やメールでしか会話のやり取りしかしていない。
マスメディアなどで色んな事件を見聞きしていたので、夫の人柄はネット上ややり取りのなかで承知していたが正直少し覚悟して出会った気持ちもあった。
それゆえ脳内で、もしも変なところへ連れて行かれそうになったらバックに潜ませているボールペンで急所を刺して死ぬほど暴れまわって靴底で窓ガラスを割って山の中だろうが、高速道路だろうがゴロゴロゴロゴロ転がって逃げよう、ちゃんと容赦なく正当防衛できるかな、ブーツで本当にガラス叩き割れるかななどと思いを巡らしていた。
そんなシュミレーションをしていると同時に、こんなこと考えてるけどこの人とはそんなことにはならないだろうなぁとも思っていた。
そして、その日もその後もそんなシュミレーションの本番も起こらず平穏なお付き合いが続いていった。
ファーストデートで大暴露
夫とお付き合いをすることとなったファーストデートは、出雲の縁結びで有名な島根県松江市にある八重垣神社だった。
前々から行きたかったところ、夫からそこがいいんじゃないかと話が合い決まった。
その道中の車での移動中に、自分のなかで人になかなか言いづらかった精神疾患やオタクであることなどを告白した。
これらを話して、ハイサヨナラー(^_^)/~~となる人とは付き合いたくないなと思ったのでかなりドキドキしたけど先に言ってしまった。
精神疾患については、夫自身がうつ状態になった経験もあり理解してくれた。
しかし、オタクのことについては…。
夫「えっ??チコさんがオタク?どこが?(๑• . •๑)キョットルピンッ(←表情の効果音が聞こえたような気がした)」
私「私オタクなので、オタクキモいとかって思わないですか?」
夫「全然オタクじゃないけどな。オタクって俺のなかでは宅八郎みたいなイメージしかないからフツーの女の子でしょ」
私「…宅八郎(*´-ω・)ハテ??(←知らない)」
夫「リュック背負ってリカちゃん人形もってハァハァ言ってるの」
私「あ〜電車男みたいなのねー┐(´ー`)┌中身はあんな感じだわwww」(←見た目フツー女子に擬態化隠れオタクしてた)
夫「てゆうか、腐女子ってナニ( ∗•ω•∗)ハテ??(無垢で素朴な疑問)」
私「……。」
大人になるにつれて、色んなことを知っていき新たな扉も多々開けてきました。
同人活動や腐女子を嗜んだこともそのひとつ…。
一般的なことではないので、シークレットにしてきたのだ。
だが夫と私は年齢13、4歳も違うけど私より先に生まれてるのに腐女子のこと知らないんだ…汚れっちまった哀しみに今日も小雪が振り荒むぜオイ。・゚・(*ノД`*)・゚・。by 太宰オサム・ド・チコ
と自分の心の汚れ具合が身にジクジクと染みながらも、パンピー(非オタクの一般人の意)の夫にオタク知識について説明しました。
ただし、夫の場合は量子力学、哲学、宗教、スピリチュアル、相対性理論、そのほか大人の業界裏情報などに精通はしていたので、偏見もなく理解が早くて助かったε(‘∞’*)フゥー
私「でもオタク、キモイ!って理由でオタクの人はいじめられたりしてるんだよー」
夫「何でキモイの?」
私「」
夫「好きなことに打ち込んでいることはいいことじゃないの?何かしらでも。そんなに悪いものなの?好きなものに没頭するのが」
私「確かに…でも…モゴモゴ」
夫「それいったら、俺の人生も全部オタクだよ!(←好きなことに打ち込んでいる意)フィギュアスケートの浅田真央とかプロのスポーツ選手とかだってスポーツオタクみたいなもんじゃんか。全然おかしくないよ!むしろどこがおかしいの??」
という話もあがり、なるほどと思ったりもした。
確かに好きなことがただ単にアニメ、マンガ、ゲームだっただけで、スポーツ観戦やファッション好き、料理好きともよくよく考えてみたら何ら変わらない。
たしかに、分野が違うだけの話だ。
夫の心の広さに救われて心中ホッとした。
ただし、のど元でオタク系の萌え話は口から出ると、キモチワルイほどヒートアップして止まらないのでチャックしておいたのは言うまでもなかった。
急に結婚式場見学!?
そんなこんな話をしつつ八重垣神社に着いた。
せっかく神社に来たので、ご祈祷をしてもらうことにした。
夫が事前に予約してくれていたらしい。寒い季節で雪が積もっていたが、その分空気は澄んでいた。
和太鼓とご祈祷最中の巫女さんの舞が美しく、麗しい。
ご祈祷の終わりにお神酒をいただくのだが、けっこう辛かったが呑みきった思い出が。
その後、なかなか入れない境内の御神木に入らせてもらいタッチさせてもらった。
その後ろ姿は気合いを入れすぎて、まるで首なし女のごとくうなだれていたのであった。
境内の神社を一通り参拝した後、近くのお土産屋さんでウィンドウショッピングをしていると、なんと神社に隣接している某結婚式場に見学をすることとなった。
式場のスタッフさんに案内してもらい、立派な館内を見学。
とても立派な作りでテンションもあがったが内心、急なことに頭にハテナマークが浮かび、あばばばば状態となって心拍数が上がってたと思う。
その後、夫の言うことには前日にはその式場に下見と見学の話しも通してあり、その日私がお土産屋さんで楽しんでいるときに密かに電話して今から行くことを連絡していたとのこと。
結婚を意識したかったらしいのだが、サプライズに慣れてないこちらの身としてはけっこう冷や汗ものだった……。
その後、近くの神社へと足を運んでお守りつきおみくじをひいたり、出雲蕎麦に舌づつみをうち、和カフェに行ってゆっくりするなどデートをした。
帰り道の車内では、夫の深い身の上話を聞いて、お互いに秘密を打ち解けあった。
そうして、お付き合いを重ねるきっかけとなるファーストデートとなった。
その約2年後……
再び、松江市の八重垣神社を訪ねるときは夫と婚約してからだった。
結婚式を八重垣神社で挙げることになったからだ。
二人とも、ファーストデートの八重垣神社に強い思い入れがあり、式はここでしたいと決めていた。
式当日は、神社で和装姿となって挙げることとなった。
ファーストデートは、結婚の契りを結ぶ場所と同じとこだったというおハナシ。
おしまい。