ヤングNazca海外出張 ソウル編⑮
苦虫を噛み潰したよう
解説:ひどくにがにがしい顔をするようす。
不愉快そうな顔つき。
goo辞書より
バイヤーから頼まれた
追加分のアパレル類を全て購入し
残るは「売れそうな物」を掘り当てる
作業のみとなった。
しかし
僕にはウィメンズの流行のデザイン(型)
色等まったく分かっていなかった。
このビルには恐ろしいほど
ショップが出店しており
どれもこれも同じようにしか見えなかった。
それもそうだろう。
ここは「今」売れるモノを置いているのだから。
・流行している服を丸パクリしている物
・それに更に付加価値を付けた物
・不満/不足を改善した物
アパレルという業界で
どこも開発していない
完全にオリジナルな物を生み出し
利益を出し誇り高く商売をしている会社など
果たしてどの位存在しているのだろうか?
あれもこれも何処かの模倣品
そう考えると
最初にジップパーカーをデザインした人は
天才としか言いようがない。
僕はそう思い感じていた。
刹那
岩巻課長
「もう遅いから適当に俺が仕入れるよ」
岩巻課長が突然やる気を出した。
岩巻課長は足早に色々な店に入り
自身の感性で商品を吟味し始めた。
僕とイ課長は岩巻課長について行く感じとなった。
どうしたんだ・・・
いきなり覚醒しはじめて・・・
そして岩巻課長は
知っているハングルで店員と会話をしている。
岩巻課長
「アジョシ!(おじさん)」
「イゴッ オルマエヨ?(これ、いくらですか?)」
なるほど
韓国には何度も来たことがあると
言っていただけのことはある。
僕も韓流ドラマをよく観るので
知っている単語はあるのだが
実際には使えないでいた。
岩巻課長
「アジョシ!(おじさん)」
「イゴッ オルマ・・・」
岩巻課長は次々にお店に入り商品見定めていった。
岩巻課長
「アジョシ!(おじさん)」
「イゴッ ・・・」
その背中を見て
僕は
臆さずよく話しかけるなぁと感心していた。
だが
岩巻課長
先程から話し掛けている
その人達は
アジョシ(おじさん)ではなく
「アジュンマ」(おばさん)なんです。
⑯へつづく
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