ヤングNazca海外出張 ソウル編⑭
努力した者が全て報われるとは限らん
しかし!
成功した者は皆すべからく
努力してしておる!!
「はじめの一歩」 鴨川源二 名言集から抜粋
海沿いの食堂で夕食を終えた僕と岩巻課長は
今日最後の仕事をこなす為
夜の東大門市場に来ている。
イ課長以外の現地スタッフは帰宅し
僕たち3人は「ドラクエ2」のように
イ課長を先頭に市場内を闊歩していた。
何処かで体感した感じである。
そして
今回の市場での目的は下記の通りになっている。
①ウィメンズ直営店舗で売れた物の追加仕入れ
②売れそうな物があれば各1枚購入する
以上
②の内容がセンスを問われる為
非常に厄介であるが
こうして海外で仕入れをするということは
なかなか経験できないことである。
バイヤーの仕事を覗くいい機会だと思うようにした。
夜の東大門市場は
ものすごく活気があり
信じられないような大荷物を
「二宮金次郎スタイル」で運んでいるおじさんや
屋台で「トッポギ」や「おでん」を
売っている屋台のおばさん
「それこんな所で売って大丈夫?」と思ってしまう
コピー商品を置いている露天商など
色々な人間がそれぞれの手段で
お金を稼ごうとシノギを削っている。
僕はその人々の熱量 労働風景を目の当りにして
少々気を飲まれてしまっていた。
すごいところに来てしまった・・・
そんな僕の心を知ってか知らずか
イ課長は事務的にドンドン進行しようとしている。
彼女からしてみたら
明日も仕事なのだから
早く家に帰りたいのだろう。
僕と岩巻課長は迷子にならないように
イ課長の後を追い
1つの大きなファッションビルの中に入った。
中に入ると
様々な種類の洋服店が営業しており
場末のキャバクラでかかっているような
パリピ音楽が大音量で流れていた。
これはすごい・・・
お水系のド派手な服を着た店員が懸命に働いてる。
その隣の店は本当に商売する気あるの?
と思うぐらい愛想が悪い。
客が来ているのにも関わらず
店員が弁当を喰いながら
接客している店もある。
しかも既に売れて
発送待ちの商品を椅子代わりにして。
驚きなのは
それがアジュンマ(おばさん)ではなく
若い女性なのが驚きだった。
なんだろう・・・
なんだがすごく
全てがダイレクト
なんだか洋服を仕入れに来たことを
忘れてしまいそうだった。
僕たちは色々なジャンルが並ぶフロアを歩き
以前バイヤーが
購入したレシートに書かれている
お店に到着した。
3人
「アンニョンハセヨ」
僕達3人は挨拶し店の中に入り
店員を探した。
すると
奥の商品の陰に若そうな女性店員の姿があった。
すする音
「ズルッズルッズル~ッ!」
その若い女性店員は
美味しそうに辛ラーメンをすすっていた。
⑮へつづく