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教育的なクソゲーを作ってみようかと

先日、Philipp Dettmerというドイツ人作家の書いたImmuneという大きい本を読んでいた時、ふと思いついた。

免疫のゲームを作ろう。

ということで、人(というか脊椎動物全般)を守るどこまでも繊細で精緻に設計された「免疫」というシステムについて僕のとどまる事を知らない感動を共有する試みについて話してみる。


ことの経緯

Immuneを読んでいた時にふと、「もし僕がウイルスになったら」という将来の夢の作文のようなことを思いついた。もしも意識を保ったままウイルスや細菌などの病原性の微生物()になったとしたら僕はどうするだろうか。

細菌であれば、適度に温度の高いジメジメした環境に住み着いて分裂を繰り返し、クローンという名の仲間を増やしてみるだろう。せっかく細菌になったのだからたくさん分裂して自分を増やして細菌としての人生をまっとうしたい。

細菌になった時の予想図


ウイルスであれば自己増殖できないので、まず宿主を探すところから始めよう。

狙う相手は学校の理事長(なんの恨みもないがトップを狙うのは気持ちがいい)。理事長への感染が済んだら、次は増殖だ。できるだけたくさん増えて理事長を床に臥せよう。

この微生物()になって人間を攻略するというアイデア、面白いんじゃないか、と思った。でも今のところ人は微生物()にはなれないので別の手段で行うしかない。それがゲームである。


ゲームについて

免疫の仕組みを学ぶゲームで免疫細胞を主役にしたものはいくつかあるようだ。ゲームに限らず、「はたらく細胞」に代表される免疫細胞を主役にした物語は多い。

しかし守る側ではなく侵略する側。敵サイドから見た我々の日常というものをテーマにするのはとても面白いアイデアではないだろうか。いかにして病原体から身を守るかではなく、いかにしてヒトを攻略するか、それを目的にする。

プレーヤーには「私ならこうやってヒトを攻略するね」というオリジナルの生存戦略を考えて病原体ライフを満喫してほしい。その戦略に似た生態を持つ先輩病原体を紹介できたりしたらさらに教育的だ。先輩のやり方を真似て遊んでもらうというのも一つの手だろう。あ、コロナ先輩、チィーッス。


クソゲーを作りたい

せっかく作るならクソゲーがいい。

というのもヒトは、起きた時も、通勤している時も、仕事をしている時も、勤務時間中に寝ている時も、上司に怒られている時も、帰って泣いている時も、寝ている時も、常に強固な免疫系に守られている。

万全の状態の免疫を攻略するのは非常に難易度が高いことなのだ。

だから免疫学の知識があるプレーヤーだけが病原体を操りヒトの体を攻略できる設計にして、知識がないうちは絶対クリアできないような攻略難易度の高いクソゲーを作りたい。クソゲーを作ることで、遊んだ人が免疫系という防衛システムがいかに優れた難攻不落の要塞であるかを体感できるようにしたい。そして自分がそのシステムに守られているという事実への感動を共有したい。


まとめ

というわけで教育的なクソゲーを制作してみようという話でした。
感動の共有ということが主な目的だけど、病原体から見た免疫という新しい視点で免疫学を勉強する人がより理解を深められるようなものが作れたら嬉しい。自分もめちゃくちゃ勉強ができる。

まだなんの準備もしていない構想の段階だけどいつか完成したらみんなに遊んでもらいたいな。どんなジャンルのゲームになるのかも検討中のふわふわしたアイデアなのでいつの間にか忘れて自然消滅する可能性が怖いけどせっかく思いついたので少しでも完成に近づけるように頑張ってみる。


おまけ

Immuneってこんな本


ちなみにPhilpp Dettmerという人物の創作物で有名なのは上掲の本ではなくKurzgesagt(クルツゲザークトと読む。わかりにくいね)というYouTubeチャンネル。基本英語で科学的教養に関する動画を出している。見たことがなければぜひみてほしい。日本語版のチャンネルもあるけどわからないようなわからないような言い回しに定評があるので英語版を字幕つけてみるのをオススメします。

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