140字小説【キョウサイ】
「この機会にぜひ、共済入ってみませんか?」
「間に合ってます」
そう、間に合っている。なぜなら俺は――
「ハァ? お小遣い?」
「あのぉ、せめてもう少しだけ上げてもらえると……そもそも俺が稼いだ金だし……」
「何言ってんの、婿養子のくせに」
――俺は恐妻に入ったことを、少し後悔している。
「この機会にぜひ、共済入ってみませんか?」
「間に合ってます」
そう、間に合っている。なぜなら俺は――
「ハァ? お小遣い?」
「あのぉ、せめてもう少しだけ上げてもらえると……そもそも俺が稼いだ金だし……」
「何言ってんの、婿養子のくせに」
――俺は恐妻に入ったことを、少し後悔している。