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【第2章】苦しみの種類/悲しみ

2023年5月出版『目醒めの栞〜苦しみを終わらせる5つの智慧〜』の全文を各章・各チャプターごとに掲載しています。


今回は、第2章『苦しみの種類』から、チャプター3「悲しみ」を掲載します。




③悲しみ


3つめの苦しみは「悲しみ」です。


悲しみは、物事を「良い・悪い」でジャッジし、自分が思う・・・・・「悪い」出来事が起こった時に落胆する感情です。


悲しみはとても重い周波数を持ち、失望、喪失感、被害者意識といった受け身の思考で心を閉ざし、自分自身のエネルギーを抑圧して行きます。


本来、私たち宇宙の存在は誰もが全能であり、すべてを思いのままに創造出来る(また実際に創造している)意識体です。
現実に何が起ころうと、それは自分自身が選択し、創造したものであることを自覚しているため、すべての出来事や体験は歓びでしかないはずなのです。
また、たとえその真実を理解出来なくても、本来すべての出来事それ自体に「良い・悪い」などないはずです。


私たちはこの世に生まれついたその時から、大人たちの言動や教育機関、友人関係や社会生活、日々のニュースや娯楽メディアなど、あらゆる外部からの影響を通して「良い・悪い」の概念を作り上げ、あたかもそれを絶対的な尺度のように思い込んで生きて来ました。


しかし、この宇宙で起こるすべての出来事は、今までもこれからも永久にただ起こっているだけ・・・・・・・・・・なのです。
私たちは、この社会においていかに多くの概念を外側から押し付けられて来たか、そして何かが起こる度にそれらのもの差しを基準にして怒りや悲しみに暮れて来たかということを、改めて見つめ直すべき時を迎えているのです。


また、闇の存在たちが人類を苦しみの中に留めておくために与えたもう一つの概念があります。
それは〈所有〉です。


本来、調和のとれた社会を目指すならば、お金も土地も食べ物も、あらゆる恵みは平等に分け合い、共有すべきもののはずです。
パートナーや家族は、それぞれの個性を自由に発揮し、お互いの価値観や生き方を尊重し合える関係であるべきです。


しかし、私たちは〈所有〉という概念を深く植え付けられたことで、あらゆる思考が自分の所有物を失う恐怖に基づいたものになり、人に分け与えるよりも自身の取り分に執着し、他人の資産や所有物を羨んでは競争といさかいを重ねて来ました。


気がつけばパートナーや家族も自分の所有物になり、自分の思い通りに行かない相手には「常識」や「一般論」という通念を持ち出してコントロールし、非難し合うようになりました。


このような〈所有〉の概念に基づいた人間関係が他者への怒りを生み、悲しみを生み、家族やパートナーへの失望を生んで来たのです。


私たちはまず、この社会に押し付けられて来た価値観や通念を見直し、他者や出来事に対して反射的に「良い・悪い」のジャッジを下す習慣を変えて行く必要があります。


人は誰しも自分の見たいように世界を捉え、自分だけの自由な価値観で人生を生きる権利があるはずです。
すべてはただ起こっているだけ・・・・・・・・・・であり、一見悲しいと感じる出来事も、それはあなたの中の「これは悲しい」というジャッジによって生まれている苦しみです。
自分自身のネガティブな反応や感情に呑まれることなく、その出来事をどう前向きに捉え、それによって何に気づき、何を学ぶかこそが大切なのです。


あなたがもし大切な人との別れを迎えたのなら、その出来事や「悲しい」「寂しい」という感情に心を留めることなく、今現在の相手の人生、今現在のあなたの人生を全面的に肯定し、祝福してください。


死別を迎えたのなら、あなたの死後必ず再会出来るよう意図し、それを信じてください。それまでの少しの別れだと思い、再会した時に話したいこと、やりたいことに胸を膨らませてください。


大きなお金や大事なものを失ったのなら、それが今の自分には必要なことだったのだと捉え、次に受け取る人に喜んで捧げてください。
私たちはお金に対する意識(執着)が強すぎるせいでお金に振り回されるのです。
お金もまたエネルギーであり、不安の思考で過度に溜め込むより、気持ちよく使い、循環させることを心がけましょう。(お金に対する意識を軽くし、感謝と循環にフォーカスしていれば、生活に必要なお金は必ず回り始めるでしょう)


パートナーや家族が思い通りに行かないと悩んでいるなら、そこには〈所有〉の概念が働いています。
相手をあなたの価値観に沿うようにコントロールしようとするから悩みになるのです。


〈所有〉の反対は〈自由意思の尊重〉であり、すべてを分け合う〈共有〉の心です。
私たちが〈所有〉の思考パターンを手放し、〈自由意思の尊重〉と〈共有〉という調和に基づいた思考パターンに立ち返らない限り、「自分の思い通りにしたい」「少しでも自分の取り分を増やしたい」という衝動から抜け出せず、他者との対立が終わることはありません。


お金も、土地も、人も、資源も、本来私たちが所有出来るものなど何もないのです。
土地や資源は地球からの借り物であり、人間が勝手に売り買い出来るものではありません。
お金や物資は共に分け合い、与え合うものであり、奪い合うことで大きな過不足が生まれたり、一部の人々が専有すべきものではありません。(この小学生にもわかる倫理がまるで成り立っていないのが私たちの文明の実体なのです)


そして、人にはそれぞれ自由な生き方と個性が与えられるべきであり、たとえパートナーや家族であっても違う人間です。お互いの意志や考え方を尊重し、自由を侵害しない関係性を心がけることが大切です。


◎悲しみを感じた時の宣言
「私はこの悲しみを手放します。ありがとう。」(目を閉じて繰り返す)




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