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【第4章】瞑想習慣で「客観力」を養う/今ここに集中する「クシャナ瞑想」

2023年5月出版『目醒めの栞〜苦しみを終わらせる5つの智慧〜』の全文を各章・各チャプターごとに掲載しています。


今回は、第4章『瞑想習慣で「客観力」を養う』から、チャプター3「今ここに集中する「クシャナ瞑想」」を掲載します。




瞑想法③/今ここに集中する「クシャナ瞑想」


次に紹介する瞑想は、対人関係やお金の問題、あるいは特定の出来事やシチュエーションに不安や恐怖を感じた時に行う「クシャナ瞑想」です。


これまでも述べて来たように、私たちが覚える不安や恐怖の多くは過去か未来に対するものであり、私たちのマインドは常に過去と未来を行き来しながらデータ分析し、それに基づいて人生の危機管理を図ろうとしています。


しかし、私たちのマインドは宇宙との通信器であるハートとの連携が切断され、機能不全のまま独り歩きしている(魂と肉体が分離している)状態のため、その判断やアドバイスは常に誤解と暴走に満ちているのです。


ハート(直感・感覚)の能力を発揮せず、マインド(思考・論理)を主体として生きている限り、私たちは常に「過去→現在→未来」という窮屈な一本道の時間の概念に囚われ続け、過去と未来への不安、恐怖に怯えながら生活しなければなりません。


「クシャナ」とはサンスクリット語で〈今ここ〉を表します。
私たちが3次元的な一本道の時間を生きることをやめ、過去にも未来にもフォーカスせず、マインドの視点からハートの視点、つまり生命の本来あるべき自意識である〈今ここ〉に立ち返るためのトレーニングとして、この瞑想法を活用することをお勧めします。


3章でも述べたように、〈今ここ〉は宇宙の中心であり、あなたの心に永遠の静けさと安らぎを与える台風の目です。


私たちの心を掻き回すマインドの台風から逃れ、いつでも永遠の静けさ(最もニュートラルな創造主の視点)に立ち戻ることが出来れば、私たちの人生に「苦しみ」が居座ることはないのです。


それでは、クシャナ瞑想の手順をご紹介します。



① 自分の中に湧き上がっている不安(または恐怖)に気づいたら、まずは軽く目を閉じ(または半眼)、その感情を意識的に感じます。家にいる場合は、一番落ち着く場所に座ってください。(座り方は何でもかまいません)


② 口をすぼめ、黒ずんだ紫色をした不安(または恐怖)のエネルギーを外に吐き出すイメージで「フーーーーッ!」と音を出しながら強くゆっくりと息を吐きます。吐き切ったら、今度は透明の澄んだ空気を体に取り入れるイメージで、鼻からゆっくりと息を吸います。


③ この呼吸を繰り返しながら、以下の2つのマントラを心の中で繰り返してください。1つは、「私は過去にも未来にも囚われず、今ここだけを味わいます」というクシャナマントラです。もう1つは、「今ここ、今ここ、今ここ」という単語の連呼です。感情がより和らぐ方、または両方を交互に唱えながら②の呼吸を続けます。


④ 途中で余計な考え事やイメージ、感覚が湧いて来たら、これまでの瞑想の④と同様に、都度心の中で実況しながら呼吸とマントラに意識を戻します。




いかがでしょうか?
自分の中に立ち起こる不安や恐怖をよくよく見つめてみると、それらのほとんどは過去か未来に対するものであり、実は今この瞬間には何も起こっていないということに気づくでしょう。


つまり、私たちは「過去に起こったが今は起こっていない出来事」、あるいは「未来に起こるかもしれないが今は起こっていない出来事」という実際には起こっていない妄想・・・・・・・・・・・・・に翻弄されながら生きているのです。


あなたの現実は、あなた自身の思考・感情エネルギーや物事の捉え方によって創られます。
常に不安や恐怖のエネルギーを振動させていれば、現実はそのエネルギーに共振したものとなり、反対にあなたが常に〈今ここ〉に集中し、(何も起こっていない)今この瞬間にある平安にフォーカスし、そのエネルギーを振動し続けていれば、次の瞬間もその次の瞬間も平安に満ちた現実が創り出されることになるのです。


マインドが過去や未来に飛んでいるなと感じたら、このクシャナ瞑想によって意識を〈今ここ〉に戻してください。
それを日常的に繰り返すうちに、次第に過去も未来も気にならなくなり、何が起こっても不安や恐怖を感じなくなるでしょう。



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