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【第3章】苦しみを終わらせる5つの智慧/すべての存在の幸せを願う
2023年5月出版『目醒めの栞〜苦しみを終わらせる5つの智慧〜』の全文を各章・各チャプターごとに掲載しています。
今回は、第3章『苦しみを終わらせる5つの智慧』から、チャプター5「すべての存在の幸せを願う」を掲載します。
◎すべての存在の幸せを願う
5つめの智慧の視点は、「すべての存在の幸せを願う」ことです。
宇宙の本質は「愛と光」であり、たとえどんな闇の中にあっても、私たちの実存の根底には「幸せになりたい」という欲求があり、「幸せな体験」や「至福の状態」こそが生命の本質であることを本能的に知っています。
では、私たちが望む「幸せ」とは一体何なのでしょうか?
私たちは誰もが常に「幸せになりたい」と思いながら生きているはずですが、その多くは「もっとお金がほしい」とか、「仕事で成功したい」とか、そうでなくても家族やパートナー、職場での人間関係が平穏であってほしいと願う程度のものでしょう。
しかし、これまで何度も述べて来たように、宇宙のすべての存在は〈一つ〉であり、すべての存在がイコールあなた自身であるなら、本来「幸せを願う」とは宇宙に存在するすべての生命の平和、調和、歓びを願うということであり、それが「愛と光」である宇宙の根源意識(本当の自分)に立ち返るということなのです。
3次元世界で生きて来た私たちにはあまりにスケールの大きい話に思えるかもしれませんが、私たちは長い間そのような根源意識から分離された状態にあり、それゆえ常に「個の幸せ」「個の利益」ばかりを願って来ました。
しかし、そのせいで常に他者と比較してはお互いの差異ばかりが目につき、あの人は金持ちなのに私はこうだ、あの家庭は幸せそうなのに私はこうだ、と怒り、悲しみ、終わりのない苦しみに囚われ続けて来たのです。
繰り返しますが、私たちは〈一つ〉の存在なのです。
宇宙でただ一つの存在が、それぞれに散らばり、それぞれに異なる体験をしながら、自分自身の無限の可能性を楽しんでいるに過ぎないのです。
ゆえに個々の存在が対立し、傷つけ合うことこそがこの3次元世界の最も深い幻想であり、私たちが抜け出すべき「苦しみ」の元凶であることを知ってください。
そして忘れてはいけないのは、目の前の現実は自分自身の思考・感情エネルギーや捉え方によって創造したものであり、誰かに対して怒りや落胆を覚える時、それは相手ではなく自分自身のネガティブエネルギー(分離意識)の投影に過ぎないということです。
時には相手の態度にカッと来たり、心ない言葉に傷つくこともあるでしょう。明らかに相手が悪く、それを自覚させなければ気が収まらないと感じる時もあるでしょう。
そんな時も反撃をしたり、相手を正そうとしたりせず、相手の言葉や態度に反応している自分に気づき、じっと内側を見つめ、自分自身の感情を手放して行くことこそが、苦しみを終わらせる唯一の術なのです。
現実が自分の創造物であることに例外はありません。
どんなに酷いことを言われようと、どんな理不尽を目の当たりにしようと、あなたがそれにネガティブに反応することが「酷い体験」を創造(選択)することになり、あなたがそれにネガティブに反応することが「理不尽な体験」を創造(選択)することになるのです。
宇宙は〈自分が与えたものは自分が受け取る〉(自分が発したエネルギーに共振した現実を受け取る)という因果応報の法則で動いていると言いました。
なぜなら宇宙は〈一つ〉であり、私はあなたで、あなたは私だからです。
イエスはこれを「種蒔きと刈り取り」(人は自分が蒔いた種の実を自ら刈り取らねばならない)と表現しました。
あなたがもし誰かに許しがたい行為や言葉を受けた時、あなたが報復したり正そうとしなくても、必ず相手にはその種を自分自身で刈り取る、つまり愛に反した行為に気づき、自らエネルギーバランスを修正する時がやって来ます。
私たちにとって最も重要なのは、すべての対立、すべての争いから手を引き、ただただ自分自身の中で巻き起こる他人や物事へのジャッジ、ネガティブな反応、ネガティブな感情を手放して行くことに他なりません。
相手にこうあってほしいと願うなら、まずはあなたがそうなってください。相手にこうしてほしいと思うなら、まずはあなたが相手にそうしてあげてください。
他者の姿はどこまでもあなたの内側の投影であり、この世界がどのように見えるかもまた、すべてあなたの内側が決めているのです。
「与えることは得ること」であり、あなたが世界に対して与えた愛の分だけ、世界はそれに応えてくれるでしょう。(鏡の中のあなたを笑わせるためには、まずはあなたが笑ってみせてください)
隣人を赦し、家族を赦し、すべての理不尽、すべての不正を赦してください。
闇も悪も、大いなる宇宙の歓喜に抱かれた「役割」であることを認め、宇宙のすべての存在を尊び、すべての存在の幸せを願ってください。
〈すべては一つである〉ことを常に意識し、事あるごとに思い出す習慣をつけておくと、日常の小さな不満や対人トラブルにも気を取られることがなくなります。
以下に紹介するマントラは、上座部仏教において「慈悲の瞑想」と呼ばれるものです。
誰かに感情的になった時、何かの出来事に不満やストレスを感じた時、このマントラを繰り返し唱えることで、ネガティブな感情を和らげることが出来るでしょう。
◎すべての存在の幸せを願うマントラ
「生きとし生けるものが幸せでありますように」(深い呼吸と共に繰り返す)
以上が苦しみを終わらせるための5つの智慧の視点です。
これらに一つだけ補足する言葉があるとすれば、「自分自身を愛してください」ということです。
私たちには統合とアセンションに向けてやるべきことがありますが、そのためのトレーニングがうまく行かなかったり、ネガティブな感情がなかなか手放せないからと言って、自分を責めたり、自分を赦すことが出来なければ本末転倒です。
どうかここまで生きて来たあなた自身、ここまで頑張って来たあなた自身に100点満点の評価を与え、自分自身を認め、愛してください。自分自身を褒めて、時には甘やかしてください。
それが統合の旅における最も重要なキーポイントになるでしょう。
4章では、自分自身の内側を見つめ、思考パターンを変えて行くために欠かせないトレーニングツールとして、いくつかの瞑想法を紹介します。いずれも日常的に出来るシンプルなものですので、ぜひ試してみてください。
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