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【第4章】瞑想習慣で「客観力」を養う/怒りを鎮める「サハジャ瞑想」
2023年5月出版『目醒めの栞〜苦しみを終わらせる5つの智慧〜』の全文を各章・各チャプターごとに掲載しています。
今回は、第4章『瞑想習慣で「客観力」を養う』から、チャプター2「怒りを鎮める「サハジャ瞑想」」を掲載します。
瞑想法②/怒りを鎮める「サハジャ瞑想」
次に紹介する瞑想は、誰かの言葉や態度に怒りを覚え、カッとなった時に行う「サハジャ瞑想」です。
怒りだけでなく、悲しみや劣等感など、突発的に強いネガティブな感情が起こった時に行うと良いでしょう。
「サハジャ」とは、サンスクリット語で〈生来の、ありのままの〉という意味で、人の態度や出来事に対して反射的に「良い・悪い」のジャッジをし、感情的に反応しそうになった時、すべてをありのままに見て、自分の感情を鎮めるための瞑想です。
「鎮める」と言っても、抑圧して押し殺すということではありません。
むしろその感情を十分に起こらしめながら、その感情に呑み込まれずにじっと観察し、過ぎ去るのを待つということです。
それでは、サハジャ瞑想の手順をご紹介します。
① カッとなった自分の強い感情に気づいたら、まずは軽く目を閉じ(または半眼)、その感情を意識的に感じます。家にいる場合は、一番落ち着く場所に座ってください。(座り方は何でもかまいません)
② 口をすぼめ、赤黒い怒りのエネルギーを外に吐き出すイメージで「フーーーーッ!」と音を出しながら強くゆっくりと息を吐きます。吐き切ったら、今度は透明の澄んだ空気を体に取り入れるイメージで、鼻からゆっくりと息を吸います。
③ この呼吸を繰り返しながら、以下の2つのマントラを心の中で繰り返してください。1つは、「私は怒りを使いたくありません、私はこの怒りを手放します」というサハジャマントラです。もう一つは、「生きとし生けるものが幸せでありますように」という慈悲のマントラです。感情がより和らぐ方、または両方を交互に唱えながら②の呼吸を続けます。
④ 途中で余計な考え事やイメージ、感覚が湧いて来たら、「ソーハム瞑想」の④と同様に、都度心の中で実況しながら呼吸とマントラに意識を戻します。
いかがでしょうか?
マントラの中の「怒り」という部分は、「悲しみ」や「劣等感」などその時の感情に合わせて言葉を変えてください。
感情的になる度にこの瞑想法を実践し、繰り返していると、次第に湧き上がった感情に呑み込まれることがなくなり、常に感情を俯瞰しながら冷静に対処出来るようになります。
また、強い感情でなくても、日常生活の中でつい誰かにイラっとしたり、不快感を感じた時は、心の中で慈悲のマントラ「生きとし生けるものが幸せでありますように」と繰り返し唱えると、自分の中の慈悲の意識にフォーカスすることになり、攻撃的な気持ちや嫌悪の気持ちが和らいで行くでしょう。
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