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【第3章】苦しみを終わらせる5つの智慧/今ここを味わい、楽しむ
2023年5月出版『目醒めの栞〜苦しみを終わらせる5つの智慧〜』の全文を各章・各チャプターごとに掲載しています。
今回は、第3章『苦しみを終わらせる5つの智慧』から、チャプター4「今ここを味わい、楽しむ」を掲載します。
◎今ここを味わい、楽しむ
4つめの智慧の視点は、「今ここを味わい、楽しむ」ことです。
「良い・悪い」というジャッジと並んで、私たちが常に気にかけ、日々翻弄されている概念があります。
それは「過去と未来」です。
私たちは3次元特有の概念によって、時間とは「過去→現在→未来」という一直線に繋がった不可逆的なものであり、起こった過去は変えることが出来ず、起こっていない未来は予測することが出来ないと思い込んでいます。
しかし、そのような制限された時間の捉え方は、宇宙ではむしろとても不自然なものなのです。
2章でも述べたように、本来私たちが留意すべきなのは、〈今この瞬間、ここに在る〉という自意識です。
一瞬一瞬の〈今ここ〉に集中し、そこに立ち起こる出来事や風景、感情の動きを味わい、楽しむことこそが人生を生きるということなのです。
〈今ここ〉は宇宙の中心、つまりニュートラルな創造主の視点そのものであり、あなたの心に永遠の静けさと安らぎを与える台風の目です。
ですから、過去の辛い出来事を何度も反すうして苦しんだり、何が起こるかわからない未来を想像して不安がるということ自体がナンセンスであり、そうした外側にある台風(マインドの声)に翻弄され続ける思考回路、思考パターンこそが人生にあらゆる苦しみを生み出す元凶になっているのです。
昨今では「パラレルワールド」(並行世界)「パラレルリアリティ」(並行現実)、あるいは「マルチバース」(多次元宇宙)という言葉をよく聞くようになりましたが、本来私たちはあらゆる次元、時間、領域を跨いで存在する意識存在であり、肉体次元におけるこの現実においても、一瞬一瞬、常に無数の選択肢、無数の可能性の〈今ここ〉の中から目の前の現実を選択し、体験しています。
ですから、それぞれの人生には選び得る限りのバージョンの過去が存在し、選び得る限りのバージョンの未来が存在するのであり、そのバリエーションは無限なのです。
つまり、私たちが見ている「過去」や「未来」とは、無数に存在する可能性の「断片」(一つのバージョン)に過ぎず、決して私たちが思い込んでいるような狭苦しい一本道ではないのです。
3次元の感覚ではとてもわかりづらいのですが、宇宙では「過去・現在・未来」は同時に存在しており、厳密には「場所」という概念もありません。
言い換えれば、本来宇宙には〈今〉と〈ここ〉しか存在しないのであり、すべては〈今ここ〉の選択によっていつでも変更や修正が可能なのです。
つまり、過去に起こったネガティブな(とあなたが思っている)出来事も、未来に起こるかもしれないネガティブな(とあなたが思っている)出来事も、あなたの〈今ここ〉の意識の持ちようによって見え方も意味合いも変わり、囚われたまま苦しみ続けるということがなくなるのです。
本来、宇宙との通信機である私たちのハートはこれを知っていますが、ハートとの回路を切断され、一本道の時間の概念を刷り込まれているマインドには理解出来ません。
マインドはコンピューターのようにデータ処理や危機管理を行う器官であるため、私たちは事あるごとに「過去」のデータに照らし合わせて「現在」の判断を割り出し、あらゆる現実的なデータや情報に基づいて「未来」への不安に対処しようとします。
過去にこういうことがあったから未来はこうなるんじゃないか、過去になかったことが未来に起こったらどうしよう、などなど、私たちのマインドは常に過去と未来を行ったり来たりしながら、ガミガミと私たちの不安を煽り、危機管理を促しますが、その囁きのほとんどは3次元世界の価値観やデータだけででっち上げられた的はずれなアドバイスばかりなのです。
過去や未来はいつでも変更可能です。
私たちは思考・感情エネルギーを使って今でも常にそれを行っている(一瞬一瞬異なるパラレルを選択し続けている)のですが、「人生は一本道」であり、「過去は変えられない」「未来には何が起こるかわからない」と深く思い込んで生きているため、そのような現実を選択し、投影し続けているだけなのです。
過去にも未来にもフォーカスせず、〈今ここ〉を生き始めてください。
あなたが〈今ここ〉だけを見つめ、〈今ここ〉にある現実を100%肯定し、100%満たされていれば、あなたの心を傷つけ、縛っていた過去の思い出は霧のように消えて行くでしょう。(それが過去を変えるということです)
あなたが常に〈今ここ〉を味わい、〈今ここ〉だけを楽しんでいれば、あなたを不安がらせていた未来など幻想だったことに気づき、次の〈今ここ〉も、その次の〈今ここ〉も、同じように味わい、楽しもうと思えるでしょう。(それが未来を変えるということです)
〈今ここを生きる〉とは、一瞬一瞬に立ち起こる出来事と、それに対する自分自身の反応に気づき、味わうということです。
私たちはハートが閉じられていることで、自分自身の感覚にしっかりと気づき、味わうセンサーが衰え、日々マインドの司令に従うまま目先のタスクやルーティンに追われるだけの生活を送っています。
一番大切なはずの自分自身の感覚、自分自身の感動に無頓着であればあるほど、外側の問題や過去や未来への不安に終始するマインドの声に囚われ、あれやこれやと無駄な考えを巡らせてはいらぬ苦しみに振り回されてしまうのです。
「楽しい」「嬉しい」「気持ち良い」「幸せ」と感じたなら、その感動や感覚にしっかりと気づき、丁寧に味わってください。
何かに取り組む時は、結果や成果ではなくそのプロセスの一つ一つを味わい、楽しんでください。
ネガティブな感情が湧いたなら、それを悪いもの、低レベルなものだとジャッジせず、ただ気づき、感じ、味わいながら俯瞰してください。
自分自身の内なる動向を、それに囚われることなくじっと見つめ、ただ観察を続けていれば、どんな思考も感情もやがてひとりでに消えて行きます。
「諸行無常」と言うように、すべての事象はただやって来ては去って行くだけあり、その一時一時を味わい、楽しむことこそが本来の宇宙の生き方なのです。
こうしている今も、あなたのマインドは過去の出来事を反すうし、未来を不安がり、あちこちに思考を先回りさせては危機管理をしようとするでしょう。
しかし、あなたがひとたびそれを自覚し、〈今ここ〉を生き始めれば、過去の悲しみも未来への不安も、〈今ここ〉のあなたの意識によって癒やし、いかようにも変えて行けることに気づくでしょう。
そしてあなたの人生にはただ〈今この瞬間、ここに在る歓び〉だけが残るのです。
◎今ここを生きるマントラ
「私は過去や未来に囚われず、今ここを生き、今ここを味わいます。」(深い呼吸と共に繰り返す)
◎パラレルを選び直すマントラ
「私は不安(または恐怖、寂しさ、悲しみなど)のない幸せなパラレルを選択します。」(深い呼吸と共に繰り返す)
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