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ご先祖様の言葉⑥「喜びを忘れずに生きなさい」

2024年10月出版『ご先祖様が教えてくれた 心の終活』の全文を各章ごとに掲載しています。


今回は、ご先祖様の言葉⑥「喜びを忘れずに生きなさい」を掲載します。




ご先祖様の言葉⑥「喜びを忘れずに生きなさい」


4回目のメッセージは、3回目からさらに数週間経った夢の中で告げられました。
そして、これが最後のメッセージになるということも。
例によって、ご先祖様はさっきまで話していた会話を続けるように唐突に話し始めました。


『あなたがたがより良い人生を送るために、そしていつしか死を迎えた時、より良い死後を迎えられるように、最後に3つの指針を伝えよう。どの言葉も、すでにあなたがたの多くが人生のコンパスにして来たことだ。誰もが心のどこかに抱きながらも、人生の喧騒けんそうに呑まれて忘れてしまったり、見失ってしまっていることだ。』


私は「最後」という言葉を聞いて、急に心細くなりました。
しかし、私たちの幸せを心から案じ、こうして手を差し伸べてくれるご先祖様たちの思いを、地に足を付けて受け止め、伝えて行かなければと思い、溢れる感情を必死に抑えました。


『1つめは、どんな時も喜びを忘れずに生きなさいということだ。人生には多くの艱難辛苦かんなんしんくがある。そして、この殺伐とした現代社会の姿は、人々が目に見えるものばかりを重んじ、心や魂をないがしろにして来た生き方の末路だ。多くの宗教で末法まっぽうの世、終末の世と呼ばれて来た歴史の転換点の時でもある。終末と言っても、世界が終わるわけではないよ。人々の心が大きく変わる時なのだ。だからこそ、病気の体がうみを吐き出すように、社会が混沌とし、多くの人々が強い不安やストレスを感じている。』


「末法の世とは良く言ったものだと思います。政治も社会も、すべてがめちゃくちゃで、善意も法律も、まるで何も機能していないかのようです。政治家も大企業も、私腹や保身を優先するばかりで、私たち大衆の幸せなんてちっとも考えていないように感じます。」


『だからこそ、あなたがた一人一人の中にある喜びの種を見失ってはいけないのだよ。世界の病理を誰かのせいにしてはいけないよ。政治家であれ、経営者であれ、この混沌の時代の荒波の中で四苦八苦しているのは誰もが同じだ。もちろん、本来であれば彼らは人々の幸せや豊かさを第一に考えなければいけないが、それすら出来ぬほど社会全体が腐敗し、病んでいるのだよ。これまであなたがたは、自分が幸せになれないのは他者のせいだと考えて生きて来た。政治や制度が悪いから自分は幸せになれない、社会や時代が悪いから自分は幸せになれない、あるいは会社がこうだから、上司がこうだから、お金が無いから、生育環境や家族、パートナーがこうだから自分は幸せになれないと、自分の幸せの原因を外側に押し付けるばかりの生き方をして来た。しかし私たちが住む世界では、そのような視点を持っている者はいない。なぜなら、これまでも伝えて来たように、人生のすべては自分自身の想念によって現実化しているということを誰もが知っているからだ。他人がどうであれ、社会や時代がどうであれ、幸せや喜びはいつだって自分自身の「価値観」「とらえ方」「感情」によって作り出せることを知っているからだ。』


「・・・うーん、でもそう言ってしまったら、現代のように政治や社会に善意がなくてもしょうがない、世の中がどんなに酷くても諦めろという話になってしまいませんか?それでは世の中は一向に良くなって行きませんよね?」


『いいかい?もう一度言うが、現実とは外側で勝手に立ち現れているのでなく、あなたがたの想念の反映なのだよ。あなたがたの潜在的な意識、顕在けんざい的な意識の両方が混ざり合い、鏡のように投影されたものなのだ。自分一人の想念もあれば、それぞれの国や民族、あるいは人類全体の集合想念も存在すると言ったね。つまり、善意のない政治も、この混沌の極みのような社会も、あなたがたが見ているのは、あなたがた自身の集合想念を映し出したものなのだよ。そう言われたら驚くかな?』


「・・・ええ、驚きました。少なくとも、身に覚えはないなあ・・・。」


『あなたにとっては身に覚えはないかもしれないが、集合想念というのは、言わば全体の総意だ。最もシビアな多数決のデータだと言ってもいい。確固たる善意を持って世の中を良くしたいという想念を持っている人は、残念ながらそう多くはないのだよ。』


「はあ、なるほど・・・。私の周りには善意を持った人たちしかいないように思うけど、全体で見ればそうでもないということなのかなあ・・・。」


『私は「確固たる善意」と言った。あなたがたの言う性格が良い人間とか、感情や空気を乱さないという意味での善人と、世の中を良くするために深く思考し、学び、行動しようとする人間は違うとは思わないかな?本当の善意とは、今のような破綻した社会を改善するために試行錯誤する心のことを言うのだよ。そのような人が増え始めれば、人類の集合想念も変わり、より良い社会が現実に投影されるだろう。しかし、世の中の腐敗を腐敗とも思わず、悪意を悪意とも思わず、ただ親切な人、波風を立てたくないだけの善人として生きることは、悪しき社会を放置することにしかならない。それではあなたがたの現実は一向に変わらないだろう。』


「厳しい言葉ですね・・・。いずれにしても、今の社会のありさまは私たち人間の集合想念が反映したものだというご指摘は受け入れた方が良さそうですね・・・。実際に私たちの国では、政治や社会制度に関心を持たない人がとても多いですし、政治の体たらくは国民の無関心の表れだとも良く言われています。」


『私が言っているのはそういうことだよ。特にあなたがたの国では、社会への無関心、他者への無関心こそが悪しき集合想念にたきぎをくべている。ほとんどの人々が、自分さえ幸せであればいい、自分の家族の生活さえ守られればいいと思いながら生きている。社会の腐敗に目を向けている心ある人々でも、怒りや悲しみの感情に振り回されたり、なかなか変わらない、どうせ自分たちには変えられないという諦めや無力感の想念で溢れている。どれほど性格が良く、周りから善い人だと言われていおうと、これほどの悪政や、次世代の子供たちの幸せについて真剣に考えようとしない人々を本当の善人とは呼べないだろう。社会に対する無関心とは、世の中の病を野放しにし、無関心であることそのものが悪ともなり得るのだよ。』


「では、この破綻した世の中を少しでも良くするには、私たちは具体的に何をすればいいのでしょうか・・・?政治や社会活動にコミットしようとも、生活に追われて時間が取れなかったり、そういった思考自体が不得手な人も日本には多くいるように思います。」


『私は社会活動家としてあなたの前に現れたわけではないよ。政治に関心を持ち、投票所には必ず足を運びなさいなどと言っているわけではない。これまでも伝えて来たように、それらを鏡として映し出しているあなたがた自身の想念に目を向けてごらんと言っているのだよ。外側に見えている出来事ではなく、あなたがた自身の「価値観」「とらえ方」「感情」をよく観察し、あらゆるネガティブな想念をポジティブな想念に書き換えなさいと言っているのだ。自分の望まないリーダーに文句を言い、彼らを指示する人々を非難するのではなく、彼らを選んでいるのは他でもないあなたがた自身の集合想念であることに意識を向け、対立ではなく、調和的な想念を使って改善しようと考えてごらん。常に現実は結果であり、想念が原因なのだよ。ほとんどの人々が原因である自分の想念を省みず、現実という結果ばかりを無理に変えようとしている。それではまるで鏡に映る自分の顔を鏡面をこすって変えようとしているのと同じだ。それでは変わるものも変わらない。物事の順序が逆なのだからね。』


「世の中を変えて行くには、まずは私たち一人一人が自分自身の想念を見つめ直し、ポジティブなものに変えて行くということですね?」


『まずはあなた自身の内側に、より良い社会、より良い人生のイメージを作ってごらん。そして、そのイメージに沿った言葉や行動を日々心がけるのだ。もし自分が調和に満たされた世界の住人だったらどう言うだろう、何をするだろうとね。有名な歌手が歌っていただろう。「すべての人が平和に生きていると想像してごらん」と。』


「ジョン・レノンだ!『イマジン』ですね。」


『彼はあなたがたの持つ想念の力について歌ったのだよ。つまり、現実世界を映し出している原因であるあなたがた自身が、ネガティブな想念を育むことをやめ、まずは心の内側に天国を作りなさいと言っているのだ。平和な世界、つまり調和的な社会のありようをイマジン(想像)し、そのイマジンを実現するために毎日を生きなさいと歌っているのだよ。それが現実を変えて行く最初の一歩であり、最後の一歩でもある。それは、あなたがたが人生の幸せや喜びは自分自身にしか生み出すことは出来ないという生命の原理を思い出すプロセスになる。これほど社会が乱れ、誰も頼ることが出来ないような状態におちいっているのは、あなたがたがその原理を思い出し、意識を転換するためのチャンスを与えられているのだととらえてみるといい。そして、どんなに社会が腐敗しようと、政治から見放されようと、あなたがそれらの現実と自分の幸せ/不幸せを結びつけることなく、常に内なる鏡に喜びを映し出すことを忘れなければ、あなたの人生はより良いものへと変わって行くだろう。そして、そのような意識で生きる人々が増えれば、集合想念にも影響を与え、国や世界の様相も少しずつ変わり始めるだろう。』


「でも、集合想念は最もシビアな多数決だとおっしゃいましたよね。今の日本を見ていると、そのような意識を持つ人々が増えて行くとは到底思えないのですが・・・。」


『では、私たちがなぜ今このようなメッセージを伝えに来たと思う?あなただけではない。今は多くの人々があらゆる存在たちから同様のメッセージを受け取っている。今は人々の心が大きく変わる歴史の転換点だと言ったね。混沌の極みのような今の世の中は、病気の体が膿を吐き出しているような状態だとも言った。テレビや主要メディアから一方的に与えられるニュースだけではなく、今世界でどんなことが起こっているか、インターネットを使って調べてみるといい。この国だけでなく、世界中の政治はますます横暴になり、人々の生活はますます苦しくなっているが、一方で世界各地でかつてない規模の反政府デモが起こり、多くの人々が社会の腐敗や欺瞞ぎまんに声を上げ始めている。それ自体、あなたがたの意識変革のための大きなうねりの現れだ。』


「確かに海外の政治とか社会運動の動向は、日本のテレビやメディアではほとんど報道されません。以前、YouTubeで海外の大規模デモの映像を観たことがありますが、確かにものすごい人数でした。このような動きが世界中で起こっていることを考えれば、私たち大衆が無力感を抱く必要はもうないのかもしれませんね。おっしゃるように、私たちの想念の力によって、世の中が今度こそ変わろうとしているのかもしれない・・・。」


『そう、今度こそだ。あなたがたが過去の歴史で見て来たような局所的な変化や、六〇年代のフラワームーブメントの狂騒とも明らかに異なる、歴史上最も大きな特異点をあなたがたは迎えつつある。そしてまさに今、それは世界中で同時多発的に起こっているのだよ。繰り返すが、社会運動に参加しなさいと言っているのではないよ。怒りの想念は怒るべき対象を生み続け、恐れの想念は恐れるべき対象を生み続ける。これが鏡としての想念の働きだ。よく覚えておきなさい。今起こっている人々の怒りや恐れは、あなたがたが社会やこの世界の実体に気づいて行くためのプロセスに過ぎない。私が言っているのは、外側への怒りや恐れを超えて、自分自身の内なる想念を書き換え、変革しなさいということだ。世界を動かしているのは政治でも経済システムでもなく、あなたがた自身の内なる想念の力だということを思い出しなさいと言っているのだ。あなたがたの持つ想念の力とは、それほどパワフルに日々現実世界を形作り、あらゆるものを変え、また固着させているのだということを自覚しなさいと言っているのだよ。』


「歴史上最も大きな特異点・・・。なんだか嬉しいような恐いような・・・ですね。情報化社会の到来!なんて言って、インターネットが広がり始めた頃もそのようなことが盛んに謳われていましたが、それよりもすごいことなのですか?」


『インターネットの普及も、この転換の波の一部だ。転換のための下地とも言うべき最も重要な社会変革の一つだった。ほんの三〇年前まで、テレビや新聞といったメディアは、一部の限られた人間にしか発信することが許されなかった。しかし、インターネットの普及によって大衆の一人一人が放送局を持ち、新聞を持ち、あらゆる情報を自由に発信することが出来るようになった。皆が同じテレビを観て、嘘か本当かもわからない情報を一方的に信じ込まされていた時代が終わったのだよ。宗教と同じように、テレビや新聞も時代時代の権力が大いに利用して来た媒体でもあったのだからね。あなたがたは、共産主義国でもない限り情報の統制などあり得ないと思っているが、どれほど進んだ民主主義国家であれ、メディアとはいつの時代も権力者の都合の良いようにコントロールされて来たということを知るべきだ。』


「うーん・・・、そういうことを言うと、陰謀論だと騒ぎ出す人々がたくさんいますよ。」


『好きなだけ言わせておきなさい。あなたがたは敗戦を経験しているのに、戦争における植民地支配という視点をすっかり忘れてしまっている。陰謀論と騒ぐ人々も同じだ。その思考自体が植民地支配の賜物たまものだと言えるだろう。あなたがたは形としての戦争がなければ平和な社会だと思い込んでいる。しかし、あなたなら戦争は国同士のビジネスだという話を聞いたことがあるだろう。さらに言えば、世の中のあらゆる商売において、国家間の戦争は日常的に行われている。ビジネスとは、当然ながら民間の中小企業だけの世界ではない。会社の利益だけを優先する会社がブラック企業になり、社員たちに苦役くえきを強いるように、軍事兵器のみならず、衣食住様々なビジネスが国家同士の規模で行われれば、一般市民の生活は置き去りにされ、権力者たちの利益を最優先にしたブラックな社会になる。それが今あなたがたが生きている世界の実体だ。ロシアとウクライナ、あるいはイスラエルとパレスチナの問題だけが戦争ではない。世界中の政府がやっていることは、常に目に見えない戦争なのだよ。世の中の流行やテクノロジー、あるいはあらゆる病気や感染症、薬やワクチン開発に至るまで、そこには必ず巨大なビジネスがうごめき、日々形の違う戦争が行われている。八〇年前、日本の敗戦によって世界大戦が終わり、表面的には平和な社会が続いているように見えようとも、この国も世界の国々も、相変わらず侵略する側と支配される側という構造で成り立ち、あなたがたが生きる今の世の中に至っているのだよ。遠い昔、私たちが築いて来た調和的な社会の形が崩れ始めてから、あなたがたが続けて来た社会はずっとそのようなシステムで成り立って来たのだ。』


「・・・あまり難しい話はわかりませんが、確かに政治や経済の専門家たちが言うように、戦後八〇年経っても、未だに日本はアメリカの属国であり、言いなりだということは誰が見ても明らかだと思います。それが陰謀論かと言われれば、決してそんなことはないですものね。」


『まずは今、あなたがたの国が置かれている状況をしっかりと認識することだ。あなたが意識を向ければ、多くの人々の魂の叫びが聞こえて来るだろう。そして何より重要なのは、あなたがたはあなたがた自身の個性を生き、誰の言いなりにもなってはいけないということだ。私は戦争の話や、誰が悪者だという話をしたいわけではないよ。あなたはアメリカの属国と言ったが、誰かの言いなりになっているのは、国だけではないのだよ。あなたがたは自分たちの土地の伝統や生活様式、価値観や考え方のすべてをどこかへ置き去りにしてしまった。現代に生きるあなたがたの人生観、生命観は、かつて私たちこの地の祖先が持っていた価値観とはかけ離れてしまっている。それは、決して社会に苦しみを生み出さない価値観だった。何をも破壊することなく、誰からも搾取することなく、あらゆるものと調和しながら歩む生き方だった。だから、私たちの子孫であるあなたがたに、今こそそれを思い出してほしいのだよ。私たちがあなたがたを思うように、あなたがたの子供たちの未来のために、本来の生き方に立ち返ってほしいのだ。本当の平和とは何か、調和的な社会とは何かを、私たちと一緒に考えてほしいのだ。』


「誰の言いなりにもなってはいけないか・・・。だからこそ自分の内側を見つめ直し、自分自身の想念のあり方を確かめるということなのですね。周りに流されたり、人と比べたり、結果である外側の出来事に一喜一憂するのではなく、まずはすべての原因である自分自身の想念を書き換え、心の中に天国を作るということなんだ。」


『そのとおり。だからこんな世の中にあっても、決して嘆き悲しむのではなく、怒り、腐り、諦めるのではなく、まずは毎日の生活の機微きびの中に喜びを見出してごらんと言っているのだよ。少しずつでも、あなた自身の内側に理想の世界を作り始めてごらんとね。どんなに小さなことでもいい。日々起こるすべての出来事をポジティブにとらえ、喜びや楽しみを見つけ、悪い出来事も成長のための学びとしてとらえなさい。自分の中にあるネガティブな視点を洗い流し、すべては魂の進化のために起こっている必然だととらえられるよう努めなさい。事あるごとに、すべては自分自身の想念(価値観・とらえ方・感情)が映している鏡なのだと心の中で呟きなさい。現実は結果であり、想念こそが原因なのだと繰り返し言い聞かせなさい。そして、あなたが思う平和の想念、調和の想念、愛の想念に沿った言葉を発し、そのような行動を心掛けなさい。そうやってあなたの中に作られた天国が、やがて少しずつ現実に反映されて行くのに気づき始めるだろう。一人の想念の力は弱いが、今まさに多くの人々がこの転換点に気づき始めている。これまでの価値観を疑い、古い生き方に疲れ、何か大きな変革が必要だと感じている。世界のあちこちで、人々の変革の想念が波のようにうねり始めているのだよ。だから、どうか諦めないでほしい。すべてが悪くなっているように見えるかもしれないが、これはすべてが良くなるためのプロセスなのだ。「夜明け前が一番暗い」という先人たちの至言しげんを、今こそ胸に刻みなさい。オセロゲームのように、あなたがた自身の力で、この社会を、この世界を、そしてあなた自身の人生を、喜びに溢れる天国へと反転させるべき時が来ている。』



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