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【第4章】瞑想習慣で「客観力」を養う/序文
2023年5月出版『目醒めの栞〜苦しみを終わらせる5つの智慧〜』の全文を各章・各チャプターごとに掲載しています。
今回は、第4章『瞑想習慣で「客観力」を養う』の序文を掲載します。
◎瞑想習慣で「客観力」を養う
2章で紹介したネガティブな感情への対処や、3章で紹介した5つの智慧の視点を身につける上で最も重要なツールになるのが「瞑想」です。
瞑想と言うと、座禅などのイメージから何か小難しいもののように考えてしまいがちですが、私たちの「苦しみ」を本質的に癒し、和らげることが出来るとてもシンプルな心のエクササイズなのです。
瞑想とは、一言で言えば「客観力」を養うということであり、精神をリラックスさせ、頭の中をひっきりなしに駆け巡っているマインドのおしゃべりを客観的に観察する、やることはたったこれだけです。
前章でも述べましたが、私たちはハートが閉じられていることで、自らの感覚や感動をしっかりと感じ取り、味わうセンサーが衰え、曇っています。
一日のほとんどの時間を目先のタスクとルーティンに追われ、何かを気にしたと思えば外側で起こる出来事や人間関係への対応、あるいは過去や未来への妄想ばかりで、肝心な自分自身の感覚が置き去りになってしまっているのです。
この自分自身の感覚、自分自身の感動にしっかりと気づき、日常の「無意識」を「意識」に変えて行くためのトレーニングこそが、瞑想や禅の最も重要な目的だと言えるでしょう。
「禅」の語源はサンスクリット語で「ディヤーナ」(禅那)と言い、〈心が動揺することのなくなった状態〉を意味します。
私たちのあらゆる苦しみの元であるネガティブな感情は、ハートと切断されたマインドによる誤った自己認識、つまり「自我」によって引き起こされます。
私たちの頭の中で一日中休むことなく行われているこの自我による危機管理や物事への判断をひたすら俯瞰し、かわして行く(反応せず受け流して行く)ことで、「良い・悪い」のジャッジやネガティブな感情に振り回されなくなり、心が動揺することがなくなって行きます。
瞑想を習慣付け、「客観力」を養うことによって、2章でも述べた映画のスクリーンに頭を突っ込んでいる状態から、客席の後ろ側に下がって世界を見渡すことが出来るようになるのです。
瞑想を数回試みるだけでも、私たちのマインドがいかに四六時中ああでもないこうでもないといらぬ考えや妄想を巡らせているか、そしていかに無意識にそれらの声に気を取られ、翻弄されているかがよくわかるでしょう。
毎日ほんの数分でも瞑想をする習慣をつけると、乱れたエネルギーを自分で調律することが出来るようになり、やがて何が起こっても、何を言われても動じない(出来事や感情に呑まれない)心が備わって行きます。
反射的に感情を揺さぶられることはあっても、すぐにその状態を俯瞰し、内面のコントロールによって感情を和らげ、かわして行くことが出来るようになるのです。
このように、瞑想とは脳科学に基づいた実践的な対症療法であり、同時に宇宙の根源意識(創造主意識であり本当の自分)と繋がるための根本治療も兼ね備えた素晴らしいツールなのです。
あまり難しく考えず、散らかった心のクリーニング作業として気軽に取り組んでみてください。
大切なのは継続的に行い、習慣にすることです。
毎日数分でも、数日おきになってしまってもかまいません。とにかく瞑想を習慣付け、事あるごとに瞑想したり、心の状態を客観視する癖を付けることが大切です。
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