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ご先祖様の言葉⑧「他者を認め、尊びなさい」
2024年10月出版『ご先祖様が教えてくれた 心の終活』の全文を各章ごとに掲載しています。
今回は、ご先祖様の言葉⑧「他者を認め、尊びなさい」を掲載します。
ご先祖様の言葉⑧「他者を認め、尊びなさい」
そして、これが数ヶ月にわたり続いたご先祖様からの最後のメッセージとなります。
『では最後に、3つめの指針を伝えよう。とてもシンプルなものだが、あなたがたにとっては最も難しいことかもしれないね。それは、他者を認め、尊びなさいということだ。』
「他者を認め、尊ぶ・・・。確かにとてもシンプルですが、一番やっかいな問題でもありますね。だって、人間の悩みのほとんどは人間関係ですから。」
『あなたがたも本来は自然の一部なのだと言ったね。そして、生命とはあらゆる他者が働き合い、支え合って成り立っているとも言った。他者とは、自然や動植物だけを指すのではない。当然のことながら、人間の他者も同じだ。つまり、あなたがた人間の社会も、互いの個性を発揮し合い、働き合うことで成り立っているのだ。』
「・・・うーん。もちろんそれはそうですが、世の中には本当に嫌なヤツとか、手に負えないほど狂った人間もいるじゃないですか。猟奇的な事件なんかを見る度にゾッとします。そういう人間と支え合っているとは到底思えないなあ・・・。」
『では、そういう人間を社会から排除し、あなたがたが思う善人だけを残したら、社会は平和になるのかな?今のあなたがたの社会はそうした勧善懲悪の価値観で成り立っているが、それによって世界は調和を保てているだろうか?』
「今、私たちの国には戦争はないですが、調和的で幸せな社会だとは言えませんね・・・。インターネットでもみんな苛立っていて、誰かの批判や足の引っ張り合いばかりで、なんだか殺伐としています。」
『戦争がないことが平和ではないと言ったね。ニュースになるような事件や、目に見えるあらゆる諍いも同じだ。実際にあなたがたの社会は、大きな戦争を終えてずいぶん経つというのに、人の心はますます混乱し、毎日誰かしらといがみ合い、競い合いながら苦しんでいる。常に自分の正義を振りかざして他人をジャッジし、お金や容姿や社会的ステータスを人と比べ、自分も負けてはいけないと思うあまり心をすり減らしながら生きている。これは内なる戦争状態だとは言えないかな?そしてあなたの言うように、皆が自分の正しさを主張するあまり、日々インターネットでは違う価値観の人間を攻撃し、社会のルールを外れた人間、一度でも失敗を犯してしまった人間を十字架に張り付けては、再起不能になるまで糾弾している。これは、まさしく民間人同士の戦争であり、銃や刃物が言葉に置き換わっただけだとは思わないかな?そして、インターネットに限らず、他者を批判し、排除して平和を獲得しようとする勧善懲悪的な感覚は、今やあらゆる人間関係や社会全体の営みに蔓延していると言えるだろう。つまり本当の平和とは、人々の心の中に他者を否定し、対立しようとする想念がないことを言うのだよ。あらゆる他者がそれぞれの個性を認め合い、尊び合う社会を調和の社会と言うのだ。』
「「内なる戦争状態」とは、今の社会を端的に表している言葉だと思います。今は核家族化が行き着くところまで行って、ご近所さんとの付き合いも希薄になり、となりに住んでいる人の顔も名前もわからなくなっているとよく言われます。インターネットも含め、みんながお互いを見ず知らずの他人のように思っているから、思いやりを持てず、論争やトラブルが起きやすくなっているように感じます。」
『では、どうすればいいと思う?多くの人々が互いを認め合い、個性を尊重し合い、真に調和的な社会を築いて行くためにはどうすればいいだろう?』
「・・・うーん。とにかく自分と価値観の違う人、意見の違う人もまずは無条件に認めなければいけない気がします。今、世界ではしきりに「多様性」が大事だ、「寛容性」が大事だと言われていますが、多様性や寛容性のない人々を集団で批判するという本末転倒のような出来事が日々巻き起こっていますから(笑)。本当の多様性とは、多様性を持てない人々の個性も認めてあげることでしょうし、本当の寛容性とは、寛容さのない人々にも寛容になって、その個性をも認めてあげることではないんですかね?つまり、まずは無条件に一人一人の個性を認め合う。それをしない限り、この世から対立の種はなくなりませんから。」
『素晴らしい答えだね。ではなぜ、猟奇的な犯罪者を認めることは出来ないのかな?一人一人の個性を無条件に認め合うことが大事だとわかっているのに?では、どこまでの悪人なら許せるのだろう?パートナーの不倫相手は許せないが、ビニール傘を盗んだ人間なら許せる?猟奇的な殺人犯は許せないが、大嫌いな政治家を暗殺した人間なら許せる?あなたがたの社会に苦しみを生み出している元凶は一体何なのか、よく考えてごらん。』
「うーん・・・、ああ、それもこれまでの話と繋がるんですね。想念だ!私たちの社会がいつまで経っても平和にならないのは、外側の出来事をああだこうだと議論するばかりで、私たち自身のとらえ方や、他者を許さないという想念に目を向けないからなんだ・・・!」
『現実は想念が映し出す鏡だと言ったね。先ほども話したように、あなたがたは鏡に映っている現実が自分自身の想念の反映であることを忘れているから、毎日懸命に鏡に映った自分の顔をこすって、悲しい顔や怒りに歪んだ顔を笑顔に変えようと躍起になっている。外側にいる他者、外側にある出来事を否定し、批判し、変えようとする行為はこれと同じなのだよ。』
「自分の中に勧善懲悪の心があり、許せない他者、許せない出来事がある限り、その想念は現実に投影され続けるんだ・・・。『怒りの想念は怒るべき対象を生み続け、恐れの想念は恐れるべき対象を生み続ける』とおっしゃっていたのはそういうことなのですね。」
『例えば、有名人の不倫のニュースを見ても、社会的に制裁されるべきだ!と安易に怒り出す人もいれば、不倫は外からはわからない家庭内の問題だととらえ、ネガティブな感情をまったく抱かない人もいるだろう。目を覆いたくなるような殺人事件であっても、あなたのように怒りと嫌悪感に打ちひしがれるだけの人もいれば、一人の人間が殺人犯になるまでの人生環境に目を向け、ある意味での被害者として犯人に寄り添おうとする人もいる。それらはすべて一人一人の想念の違いから生み出される現実であり、同じ出来事を目の当たりにしても、それを見た人間の数だけ異なるレイヤーの現実が生まれているのだよ。あなたがたの社会の「内なる戦争」を終わらせるには、あなたの言うようにまずはあらゆる他者が見ている現実のレイヤーを無条件に認め、否定や対立ではない想念で人と向き合い、行動することが大切なのだよ。』
「少し整理させてください。でも、現実が想念の反映だとか、それぞれの異なるレイヤーと言っても、嫌な事件を報じるニュースは何も私だけに見えているわけではないですよね?私の家族を含め、多くの人が同じニュースや出来事を体験しているはずです。例えば地域ごとの地震や集合住宅の火事など、多くの災害もそうですよね?」
『それが集合想念なのだよ。国や民族という集合想念もあれば、人類全体の集合想念もあると言ったね。住んでいる地域ごとにも集合想念があり、家族や会社、友人関係やあらゆるコミュニティにも集合想念がある。複数の人間が寄り集まれば、そこには必ず集合想念という共有された意識やイメージが生まれ、同じような体験を共有することになるのだよ。』
「なるほど。集合想念が反映された現実と、個人の想念が反映された現実とが混ざり合っているということですね。」
『そのとおり。あなたは多くの人が同じニュースや出来事を体験していると言ったが、先ほども説明したように、集合想念によって映された同じ現実を見ても、それをどうとらえ、どう感じるかは個人の想念の反映なのだから、厳密には一人一人が異なる体験をしているのだよ。』
「確かに。家で地震が起きた時も、家族一人一人のリアクションや恐がり方はそれぞれです。夫婦で同じニュース番組を見ても、感情的になるポイントはそれぞれ全然違いますし。」
『あなたがたはそうやって、いつ何時も自分自身、あるいは自分たち自身の想念(価値観・とらえ方・感情)によって現実を作り出している。本当の意味での平和な社会を生み出すには、まずはその原理を把握し、毎日の生活にあてがう必要があるのだよ。そのために、まずはあらゆる他者が見ている現実のレイヤーを、あなたが言うように無条件に認めなさい。そして、それぞれの個性を尊び、出来る限り調和的な心で接しなさい。あなたにとっての他者とは、誰もがこの世を共に生きている兄弟であり、家族なのだと思ってごらん。どんな悪人にも彼らを愛する家族や友人がいるように、彼らがもし自分の家族だったら、愛する兄弟や友人だったらどう思うだろうと考えてごらん。その心が調和への第一歩だ。』
「それこそ『イマジン』にもこういう一説があります。「想像してごらん。誰もが兄弟として、すべてを分け合っている世界を。」まさにそのことを歌っているんですね。そして、歌の最後にはこうあります。「僕を夢想家だと言うかもしれないけど、これは僕一人のことじゃない。いつかみんな仲間になって、世界は一つになるんだ」・・・これってまさに転換期である今の時代について歌っているのかもしれませんね!今は多くの人々が世界はこういうものだと諦め、特に日本では世の中を変えて行こうという気力さえ削がれてしまっています。でも、それすら私たち自身の想念として現実に反映されているということなのですね。
『そのとおり。彼は想念の原理についてとてもよく学んでいた。そして、それを人々に知らせようとしたのだ。でも、イマジン(想像)するだけでは弱い。想像と行動が伴う時、人間の力は最もパワフルに働くのだということを覚えておきなさい。生き方にしなさいと言って来たのはそういうことだ。では、あなたの合点が行ったところで最後にもう一度だけ言おう。他者を認め、尊びなさい。そして、調和のために言葉を使い、調和のために行動しなさい。戦争や犯罪をただ悪として否定するのではなく、すべては一人一人の魂の因果や、あらゆる集合想念から生まれた因果として認め、許しなさい。そうすれば、あなたの現実に悪は存在しなくなる。あなたがたの現実に、やがて戦争も犯罪も存在しなくなる。あなたがたの想念が悪と戦おうとすればするほど、戦うための相手、戦うための出来事が現実に生まれ続ける。あなたがたの想念が戦うことをやめれば、目の前から戦う相手は誰一人いなくなり、抗うべき出来事も消え去るだろう。想念が原因であり、現実は結果であるとはそういうことだ。戦争や犯罪だけの話ではないよ。あなたの家族、隣人、すべての人間関係において、重要なのは相手の言動ではなく、あなた自身の反応であり、内なる想念だ。あなたが誰かの行為に激昂し、許せない!と叫ぶ時、そこにあるのは許しがたい行為ではなく、それを許せないというあなたの想念の結果なのだ。あなた自身のとらえ方であり、使っている感情の問題なのだ。「因果応報」という言葉を聞いたことがあるだろう。それは宇宙の根本的な原理であり、システムのことだ。あなたに怒り、心なき行為をした者は、あなたが正義の裁きを下さずとも、やがてその負の想念の結果を自ら体験することになる。彼(彼女)の行為に対するあなた自身の想念も同じだ。だから、怒りに怒りを投げ、報復しようとするのはやめなさい。悲しみに悲しみを投げ、対立しようとするのはやめなさい。それは終わりなき争いの連鎖を生み続けるだけなのだよ。あなたをずっと苦しめて来たのは、他でもないあなた自身の内なる想念なのだ。これは単なるポジティブシンキングの話ではない。すべては自分自身が映し出し、作り出しているという生命の摂理の話だ。それでも納得が出来なければ、以前言ったように雨の日にそれをどうとらえるかから始めてごらん。そして、毎日起こる出来事、毎日出会う人々との会話を自分がどうとらえているか、どんな感情を選択し、使っているか、一つ一つよく確かめてごらん。ネガティブにとらえ、ネガティブな感情を使えば、その想念は現実に反映され続ける。これまでネガティブにとらえて来たものをポジティブな想念に変換出来たら、現実は少しずつ変わって行くだろう。何度でも言うが、想念が先にあり、現実はその結果に過ぎない。いつもこの原理を心の中で反復し、一つ一つの行動に反映させなさい。そして、あなたがたの人生を苦しめて来たすべての苦しみの元凶を断ち切りなさい。苦しみとは、自分と他者を分け隔て、対立し合う想念であったことを思い出しなさい。そしてすべての他者、すべての存在と一つになり、大いなる自然のシステム、自然のサイクルの中で生きる調和の人になりなさい。本来の人間の姿に戻りなさい。それがこの人生であなたが生まれた究極的な目的、魂の願いであることを知りなさい。』
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