
エピローグ「機は熟している」
2024年10月出版『ご先祖様が教えてくれた 心の終活』の全文を各章ごとに掲載しています。
最終回となる今回は、エピローグ「機は熟している」を掲載します。
◎エピローグ「機は熟している」
計4回にわたったご先祖様からのメッセージはこれで終わりです。
こうしてまとめて書き出すと、分量としては決して多くはありませんが、これらの簡潔なメッセージの中に、現代を生きる私たちにとって最も重要なことを出来る限りわかりやすく、そして的確に伝えようとするご先祖様の意図が感じられるのではないかと思います。
ここには書き切れなかったメッセージの中に、『死は怖いものではなく、苦しいものでもない』という言葉がありました。(死ぬ間際は恍惚(こうこつ)に包まれ、とても気持ち良いそうです)
また、もし愛する人が亡くなったなら、悲しみに暮れるのではなく、「お役目ご苦労さま!」と晴れやかな心で労い、お互いに未練や執着を持たないように送ってあげなさいと言われました。
私たちはこれまで目に見える世界ばかりを重んじ、死後の世界や見えない世界を軽んじて来たせいで、死ぬということに恐怖感やネガティブなイメージを持ち続けて来ました。
それは、多くの人々が死後の世界の存在を心のどこかでは信じていながら、その真実を追求し、共有しようとする人々が少なかったからです。
そして、それを学ぼうとする人たちを「宗教」とか「スピリチュアル」という言葉を使って偏見の目で眺め、まるで現実から逃げている人々のように揶揄して来ました。
しかし、ご先祖様のメッセージを受け取った今の私にはよくわかります。
現実から逃げていたのは、生命やこの世の本質である見えない世界について学ぼうとしなかった私たちの方なのです。
お金のこと、仕事や恋愛のこと、あるいは家庭や子供のことなど、生きることに対しては毎日必死になりながら、その延長である死について哲学することをせず、この世になぜ生まれ、なぜ生きているのかという自分自身のそもそもの存在意義について考えようとしないことは、イコール生きていることへの軽視そのものだということを思い知らされました。
ご先祖様のメッセージをまとめて書籍化しようと考えていた時、タイトルは『心の終活』にしようと思い立ちました。
本当は『魂の終活』にしたかったのですが、魂と言うとどこか宗教臭くなり、抵抗を感じる人もいるのではないかと思い、より優しい表現にしました。
昨今、巷には「終活」という言葉が溢れています。
しかし、それらはどれも年配者向けのビジネスでもあり、その内容の多くは財産分与の指南であるとか、遺言書の書き方、あるいはお葬式やお墓にまつわるコンサルタントのようなものが大半でしょう。
しかし、故人がどれほどキレイに身辺整理をし、遺族にトラブルの種を残さず亡くなったところで、肝心の本人が成仏出来ず、「魂の家」に帰ることが出来なければ、それは本当の終活とは言えないでしょう。
物理的な終活ももちろん大事ですが、肉体を脱いだ後も生き続ける私たちの魂にとって何より大切なのは、生きているうちにこの世に生まれた意味を知り、死後の世界について学び、そして喜びを持って生き切るという「心の終活」なのではないでしょうか。
私たちがこの世に生まれた意味とは、大枠で言えばご先祖様の言うように「霊性の進化」なのでしょう。
しかしチャプター1に書いたように、私たち一人一人にもそれぞれ生きる目的があり、それは『個々の魂がより成長するための学びのプログラム』なのだとご先祖様は言っています。
現代を生きる私たちは、大自然のシステムやサイクルから外れた生き方をし続けて来たせいで、自分自身が何者なのか、自分は何のために生まれたのかすら思い出せなくなっています。
占いやスピリチュアルブームに乗じる人々の多くは、まるで砂漠の中で一滴の水を求めるように、生きる意味や生まれて来た使命を知りたいと渇望しているように見えます。
しかし、個々の魂の目的について、ご先祖様はこうも言っていました。
『自分自身の魂の目的や使命を知ろうと躍起になるのはやめなさい。ここまでの人生であなたが歩んで来た道は、すべてあなたの魂の目的通りに進んでいる。重要なのは、今現在のあなたがこうして見えない世界の真実を知り、生と死に深く向き合おうとしていることだ。』
この言葉を聞いて胸を撫で下ろすのは私だけではないでしょう。
今、本書を通じてこのようなメッセージを受け取り、生と死の真実について思いを馳せている時点で、私たちは立派に魂の目的を果たしているのだと言うのです。
しかしそれは、ご先祖様が何度も口にして来たように、ただ知識として頭で理解しただけで終わるのではなく、心と言葉と行動を伴って日々の生活に落とし込み、生き方にしてこそ成就されるものなのだと私は思います。
最後に、これも本編では書き切れなかった対話の一部を掲載して、本書を締めくくりたいと思います。
『これまでも伝えて来たとおり、死後まもない人々が置かれる世界は彼らの想念によって様々だ。死後の世界を信じ、ネガティブな想念を持たない人々には、先祖や家族が祝いながら迎えてくれることもあれば、船や列車を待つ列に並ぶ人もいるだろう。』
「驚いたな・・・。列車で帰るなんて、まるで宮沢賢治の銀河鉄道じゃないですか。あの物語は真実だったんですね・・・!」
『真実の一部だ。皆が列車で帰るわけではないよ。いずれにしろ、あなたがたから見ればあの世とは童話やおとぎ話のようなファンタジーの世界なのだよ。大切なのは、その真実を信じられるかどうかだ。そのような「童心」をあなたがた大人が取り戻すことが出来るかどうか、それはこの世のあらゆる童話のモチーフにもなっている。以前も言ったように、あなたがたが知るこの世とあの世とは、まるで真逆の世界なのだ。あなたの言うディズニーやハリー・ポッターの世界こそが、こちらでは普遍的であり、確固たる現実なのだよ。『スター・ウォーズ』のようなSF映画も、『指輪物語』のような冒険小説も、あなたがたにとっては現実離れしたファンタジーだろうが、どれも地球外や異なる次元、異なる時代の世界で起こっているリアリティを描いた真実開示だ。反対にこの世の常識や、目に見えるものばかりを重んじ、不思議なことや理屈に合わないことを否定するあなたがたの世界こそ、私たちから見ればファンタジーの世界そのものなのだよ。あなたがたの理屈に合わない不思議なことは、こちらの世界ではすべて科学で解き明かされている。あなたがたの科学でも、見えない世界の真実はかなり解明されて来ているよ。幽霊も死後の世界も、まもなく宗教や迷信の世界ではなくなるだろう。』
今、この殺伐とした時代の中で、多くの人々が心をすり減らしながら生きていることでしょう。
目に見える世界ばかりを重んじ、追求して来た唯物主義の社会は極みを迎え、政治は腐敗し、精神病が蔓延り、世界は核戦争の脅威にさらされています。
私たちの魂が生きる真実の世界とは、ファンタジーの世界そのもの。この言葉がどれほど私たちの心を癒やし、救ってくれるでしょうか。
この大転換期と言われる時代に、私はご先祖様との対話を通じて、眠っていた自分の魂が目覚め、奮い立つような感覚を覚えました。
そして、この混沌と化した世界をより良きものに変えて行くのは、政治家でも宗教の救世主でもなく、私たち自身の想念の力なのだということを深く胸に刻みました。
「機は熟している」ご先祖様はそう言いました。
私たち一人一人のポジティブな想念が伝播し合い、うねりとなり、大波となってこの世界をひっくり返す時が来ているそうです。
私たちは、誰もが想念という魔法を使って現実を動かすことの出来る魔法使いだったのです。
あなたがそれを思い出し、毎日の人生を喜びに変え、やがて最高の死後を迎えられることを願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
―宮沢賢治、ジョン・レノン、そして自らを力無き人間だと思い込んでいたすべてのハリー・ポッターたちに捧ぐ
『ご先祖様が教えてくれた 心の終活』は以下ページにて販売中です。
https://nayutabooks.base.shop/items/89753725
いいなと思ったら応援しよう!
