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嗚咽

大人になって嗚咽するほど泣いたことがどれだけあるだろうか。

私が明確に記憶しているのは、いつかの彼氏と同棲解消したあとに、一度荷物を取りに行ったらドロボウに入られたみたいに荒れた部屋を見たとき、娘が産まれてすぐに救急車に乗って連れて行かれたとき、病院で管にたくさん繋がれた娘を見たとき、娘を保育園に預けたとき。

娘が産まれてからは随分嗚咽するほど泣いているらしい。

この前娘を保育園に最初に預けた日、何のことだか分からずキョトンとしたまま先生に抱っこされ、保育園の教室の床でうつ伏せになって前を見ている娘を見て、いてもたってもいられなくなってしまって、娘を預けた帰り道は、辛くて、寂しくて、申し訳なくて、嗚咽するほど泣いてしまった。

その瞬間はなんかこんなことしてまで働かなきゃいけないのかなって思った。あんなに可愛い娘を預けてまで働く理由ってなんだろう。

働かないと食べていけないこと、働くのも好きだし、自分の仕事は代えがきかないから自分が頑張らないと、とか頭では色々分かっているのに、なんだこの感情は、と思った。

母になった自分にずっと追いつけていない。
だから頭と心とかがいつもグチャグチャになってしまう。

心の中ではずっと泣いている。
私は生きている間、何かがずっと悲しい。

たまに制御がきかなくなって、嗚咽するほど泣いてしまう。

娘は、迎えに行ったら先生の背中でぐっすり寝ていた。私なんかの心配を他所に、娘は本当に立派だなあ。生き物って、思っているよりずっと強いみたい。

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