高校レベルの知識維持&アップデートも地味に大変というおはなし
新入生・新社会人の皆様、あらたなステージへの船出が少なからず不安であろう時期かと存じますが、なにとぞ健康にだけはお気をつけください。
こんにちは御機嫌如何でしょうか、はじめましての方ははじめまして、ふだんは音ゲーやってたりツイッターで病み散らかす勢をやっています、
なやむ きつね と申します。「な」にアクセントが付きます。わかりにくいわ。
さて、高校はこの新入生から新課程です、教科書出版社も現場の教職員の皆様も苦労されているかと思われます。あと教科書ガイドがお下がりで使えないとか地味に面倒なことはありますね。 きょうは歳食ってくると高校レベルの知識を維持しようと思うのも意外と大変ダナァというおはなしです。
● 何を唐突に言い出すのか
昨今の社会の流れをみると、やはり理数・情報方面のリテラシーが重要だなぁと感じることが多々ありまして。突き詰めていくとどの分野も複雑に絡み合ってくるので特定の1分野だけ勉強したところで煮詰まるし、広くやるのがいいよなーという、とってもざっくりしたアレ(語彙力)。ちなみに物理だけは中学レベルからマジで意味わからんのでいい加減どうにかしたい。
● そもそも中の人のカリキュラムはどうだったの
なやむさんは2次元の存在という体でやっているので教育というものを受けたことは無いのですよ…。 いや、そういう体裁の話はどうでもいい。
いわゆる中の人のお話をしますと、わかりやすくいえば「まだ教科書がフルカラー印刷になる前の時代」の人です。数学は1/2/3/A/B/C、理科は1A/1B/2(1Bを履修すると2に進める)。はい世代がバレる。さすがに当時の理科の教科書はほぼ処分しました。情報が古すぎる。数学は残してありますが権利的に色々アレなので特徴的な部分としては、
・統計分野はほとんどの学生が履修しない
現在の数Aの確率の内容が数1にあるだけ。確率分布と統計は数B/Cにあるがこの単元は基本的に履修されない。演習書にも収録されない。あと、現在の数1で学習する四分位数とかボックスプロットは最近になって扱われるようになった内容なのである程度の年代以上はこいつらの存在自体を知らない。
・数学A/B/CにBASIC言語を扱う項目がある
A/Bは独立した単元として。Cは他単元の各所に組み込まれる形で扱われているがスルーしても進行に問題はない。もちろんほとんどの学校で履修することはない。しかしセンター試験数学(1)(2)の選択問題には扱いがあったのでBASIC書ける人はボーナスチャンス!!
▼ 「昔と今で要求されている知識レベルや方向性は全く違うんだ」
っつーことですね。数学は見てわかる通りデータサイエンスが重視されていますが、一昔前の世代は大学の確率統計で初めて触れるというのが一般的でした。そして情報科の内容からみるに、「ある程度プログラムの読み書きができる人がそれなりにいる」ということもわかります。大学初年度で1セメスターかけてMS Officeの使い方から習う時代から比べると異次元としか言いようがない。
理科や社会科も最新の知見が反映されているのでアップデートしないと話が合わないというのは言うまでもなく。聖徳太子?ああ、東方神霊廟の豊聡耳神子のことですか?
つまり、最新の高校レベルの知識はアップデート&維持するようにしないと逆にこっちが詰む場面が多々発生するであろうことが想像できますね。世の中の流れってコワイ。
● 最近の教科書で興味深いやつ ~個人的興味と偏見を全開で~
東京書籍「新数学」/ 数研出版「新 高校の数学」
紙面構成が中学校向け数学に近い雰囲気で、まず算数の基本的計算の復習からはじまる。「新数学」がNHK高校講座のベースになってるだけあって、定時制・通信制の学生や特に習熟が十分でない学生をターゲットにしているのがわかる。やさしい難易度の教科書に批判的な声はありますが、なら算数・中学数学で挫折した人が数研無印数学とか4STEPで理解できるかって言われてもそっちの方が無理あるわ。全日制普通科以上に多様なバックグラウンドを持つであろう学生に配慮した内容のテキストが用意されるのは、過去に挫折した人を一人でも拾い上げていこうという姿勢を感じます。 普通科でも「使ってる教科書ムズすぎ」「授業全然わからん」って人は買ってみたらいいんじゃない?って思う。
ところでこのレベル帯、新課程では3・C出すんですかね? 共通テストの絡みもあるので気になるところではあります。(早いところは今月下旬ごろから上位科目の発行情報をリリースする模様)新課程 情報1 各種
現行課程でも「情報科向けの専門科目」の教科書にはC言語やVisualBasicを扱うものがあったが、小中でもプログラミング教育が導入されていることで、普通科向け科目でもプログラムを扱うようになった。PythonやExcel VBAを教材にしているものが見受けられるのは時代の流れか。地味にこの辺、基本情報技術者試験の午後選択の下地づくりにも良さそう。
基本情報技術者試験や応用情報技術者試験を受けてみたいけどテクノロジ分野がさっぱり…って人はまず情報1や現行の情報科専門科目あたりから触ってみるのも一法かもしれませぬ。教本で難しいときの補助教材的に。
現役学生の方もプログラムやインフォマティクス分野に興味を持ったら、ぜひ挑戦してみてほしいです。受験料高いけど。(高校によってはこの手の資格合格で追加単位がもらえる制度を設けている場合もあるので、修学案内などで調べてみるとよいでしょう。)各教科書のQRコンテンツ
本文中の問い・演習問題の詳解が見られるようになっていたり、解説や資料の動画が見られたり、めっちゃ充実している。「長期間、対面授業・スクーリングができない社会情勢」を経験した以上は重要だと思います。全教科書でやれ。でもコンテンツの提供具合は会社によってピンキリだし、解答例なんかガイドとモロに競合するから、「この教科書はガイド発行してるから自習で答え合わせしたい人はそっち買ってね」ってビジネスモデルになるんだろうと勝手に思ってる。商売が上手いなぁ…買うけど。
● 実際やるのはなかなか大変
仕事をしつつプラスで何かやるのって、金銭的にも時間的にも体力的にも、誰でもできるってわけじゃないね。副業してたり、仕事しながら大学や専門の夜間コース通ってたりする人はほんとすごい。リソース面を気にせず取り組める社会になるのを切に望むところなのでありました。BIG当たんねぇかなああああ