【妄想対談】ラボグロウンダイヤモンド派と天然ダイヤモンド派の対談を勝手に妄想して書いてみました。2023年11月24日
◆妄想対談相手
「ラビ―」氏
・ラボグロウンダイヤモンド派代表
・アメリカの宝飾店のオーナー38歳
・ラボグロウンダイヤモンドを取り扱い出して5年程度
・現在、取り扱う全てのダイヤモンドを「ラボダイヤ」へ変更。
「ナチュレ」氏
・天然ダイヤモンド派代表
・香港にて「ダイヤモンドの卸売り業」を営む54歳
・お客さんは「世界中の小売り店」
・天然ダイヤモンドにこだわりがある
◆対談スタート
インタビュアー:
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
今年は、ダイヤモンド業界にとって大変な年となりましたね。
主に、合成ダイヤモンド(ラボグロウンダイヤモンド)のマーケット拡大により、天然ダイヤモンドの相場が30%以上急落しました。ここにきて、ようやく相場は落ち着きを取り戻したようですが
お二人は、いかがでしたでしょうか?
ラビ―氏:
仰る通り、今年、ラボグロウンダイヤモンド(ラボダイヤ)の売上は、約2倍になりました。単純に環境に優しい「サステナブル」なものという存在もありますが、やはり「天然の半分以下」の価格が決め手となっております。
ナチュレ氏:
天然ダイヤモンドの業界は、軒並み売上を落とし、仲間の業者の何社かは廃業に追い込まれました。
正直、こんな経験はしたことがなかったです。
インタビュアー:
「ナチュレ氏」へやはりそれは、ラボダイヤの影響でしょか?
ナチュレ氏:
はい、100%ではありませんが、中国やアメリカの他の商品の小売業績もマイナスだった聞きますので、ラボダイヤが無くても、今年は厳しい年だったと思いますが
こんなにも、落ち込んだ年は、経験したことがありません。
相場が下がると言っても、おそらくコロナ渦の時も「10%程度」だったと記憶しており、約1年に渡り相場が下落したということもありませんでした。
ラビ―氏:
天然ダイヤモンドの相場が下がった原因は、ラボダイヤにあると仰いましたが、ジャッジをしたのは、消費者の皆さんです。
人類が発明した「科学の奇跡」であるラボダイヤを、消費者の皆様が受け入れたということだと思います。
天然ダイヤモンドの相場が下がることは、必然的なものだと思います。
ナチュレ氏:
確かに、天然ダイヤモンドと同様の成分をしているラボダイヤですが、ダイヤモンドとは違います。
天然ダイヤモンドは、何千万年かけて出来上がる「地球の奇跡」ですので、そんな研究室で2週間で出来上がる容易な石とは次元が違いますよ。
ラビ―氏:
石じゃなくて「ダイヤモンド」です、これはアメリカの連邦取引委員会が「ダイヤモンド」であると認めてます!
ナチュレ氏:
あくまでも合成の「ダイヤモンド」としてですけどね
「ロマン」がないんですよ、ラボダイヤには
ラビ―氏:
大手鑑定機関GIAやIGIの鑑定書が付きます
さきほど、「次元が違う」と言いましたが、
「見た目も変わらない」「特殊な機械じゃないとわからない」という「同じダイヤモンド」ですので、次元は同じかと思います。
インタビュアー:
まあまあ、お二人とも落ち着きましょう(たしなめる)
ラボダイヤに関してですが
各国のラボダイヤに対してどのくらいの認知度がありますでしょうか?
ラビ―氏:
すでにアメリカでは、約50%がラボダイヤを販売しているというデータがございます。ハリウッドセレブなども積極的に使っておりますので、欧米を中心に、認知度が急速に高まっております。
ナチュレ氏:
私は、香港を中心に世界中の小売店に卸をしておりますが、特に中国やアジア圏は、まだまだ認知度も低いです。また、知っている人に関して言うと、鑑定書があっても、なにより「人工」という部分で、敬遠されています。
ラビ―氏:
人工的という観点で言いますと、天然ダイヤだって、人の手を使って輝かせるので、「自然」ではないですよね。
逆に言えば、日本で発明された「真円の養殖真珠」なんかは、広く世界に浸透したいい例ですね
ナチュレ氏:
天然ダイヤの輝きを引き出すための、「人の手」ですから問題ございません。
そして、よく考えてみてください
愛する人へのプロポーズに「天然ダイヤモンドのエンゲージリング」を贈らない男性はいませんよね?
天然ダイヤには、その責任もあるんですよ。
ラビ―氏:
もし同じ予算なら「大きくて輝きのある」ラボダイヤを選んだ方が、彼女も喜ぶかと思いますが
ラボダイヤは、叶わなかった「大きさ」が手に入るという部分も大きいです。
ナチュレ氏:
資産価値はありませんけどね。
ラビ―氏:
資産価値はこれから決まるのではないでしょうか?
それに、天然ダイヤだって、「デビアス社」をはじめとした原石を持つシンジゲートが供給量をコントロールしているだけであって、今回のような大きな相場の変動には、資産価値云々じゃなくなるのでは?
インタビュアー:
そのデビアス社ですが、当初、ラボダイヤの出現に「好意的」であり、今年の6月には、ラボダイヤのエンゲージリングを発表した途端、わずか3か月で中止したというニュースがありましたが、どう思われますか?
ラビ―氏:
デビアス社が、ラボダイヤを扱ったという事実は、間違えなくラボダイヤの認知度と信頼度を上げるきっかけとなりました。そして、1カラットあたり15万円程度に設定した為、「ラボダイヤ=低価格」というイメージも付けたのではないでしょうか?
この低価格は、消費者にとっては、喜ばしいことでしたが、販売するものにとっては、利益が稼げなくなり、ラボダイヤから撤退する業者も増えたと聞きます。
ナチュレ氏:
デビアス社がラボダイヤを扱ったのは、「ラボ」と「天然」の価格帯の住み分けと、ラボダイヤを不当に高く販売する販売店に対しての警告なのかも知れません。
そして、ラボダイヤのエンゲージをやめたのは、ラボダイヤは天然ダイヤのように供給量をコントロールできないので、デビアス社が認知度上げる事で返って天然ダイヤの相場が下がってしまったからに感じます。
これは完全に失敗でしたね。
インタビュアー:
RAPAPORT社も「ラボダイヤを高額で売る販売店に対して、警告をしておりました」
ラビ―氏:
それは、本当に大問題です。
ラボダイヤの魅力は、「お求め安さ」になります。
ナチュレ氏:
はい、大問題です。
天然ダイヤは、「希少価値の高さ」から高額なものであって
不当な利益を貪ろうとしている訳ではないですからね。
インタビュアー:
ようやくお二人の意見が一致したところで
最後に、2024年の展望などがございましたら教えてください。
ナチュレ氏:
激動の2023年が終わりまして
来年は、原石の供給量のコントロールの成果と「天然ダイヤモンドのキャンペーン」の効果が出て、ゆるやかに相場は回復すると思います。
ラビ―氏:
天然ダイヤの相場の回復は、少なくともラボダイヤの相場の上昇にも繋がります。天然ダイヤはおそらく20%アップくらいかと思います、今年は30%ダウンだったので残りの10%は、ラボダイヤのマーケット拡大のせいですので、そこまでは上がらないかと。
また、ラボダイヤの数年後の展望ですが、おそらくもっとコストが安く、もっと大きなダイヤモンドが生成できるようになります。
その時は、また、マーケットが混乱するかも知れませんね。
そして、怖いのは「特殊な機械」をつかってもわからないラボダイヤが出来てくるかも知れません。その時は「ラボ」も「天然」も協力して、策を練らないといけませんね。
ナチュレ氏:
確かにそういう時代が来るかも知れませんね
ただ、今年のような出来事を経験できたことは、非常に大きいと思ってまして
そして
ラボダイヤは脅威ですが、こういう考え方をすることもできます。
「同じダイヤモンド」であるわけですから、今あるダイヤモンドのターゲットを奪い合うのではなく
新しくダイヤモンドを求める、今までダイヤを「買えなかった」「興味のなかった」人たちや、ブランドのバッグや時計に目移りしている人たちに
ダイヤモンドの素晴らしさをアピールするいい機会なんだと
ラビ―氏:
素晴らしい!
「天然」でも「ラボ」でも、ダイヤモンドです
「永遠の輝きダイヤモンド」の復活ですね。
そうなると、正しい知識を消費者に伝えることも、我々の使命かと思います。ダイヤモンドの力はまだまだこんなものではないはずです。
インタビュアー:
「お二人がガッチリ握手をしている」ということを報告させていただいて、今回の対談を終了とさせていただきます。
私もダイヤモンドが欲しくなりました。
最後までご清聴ありがとうございました。